紙の本
小林よしのりの 「戦争論」 に対する批判だけでなく戦後民主主義への批判も…
2012/04/28 00:24
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の内容はおもに小林よしのりの 「戦争論」 に対する批判だが,小林よしのりや新しい歴史教科書をつくる会に対する批判だけでなく,戦後民主主義や共産党もあわせて批判している. 「従軍慰安婦」 に関しては日本が謝罪し賠償すべきだといっているが,それに関しては十分に納得できる理由がしめされているとはいえない. 憲法 9 条に関しては護憲派であり,それをなしくずしにした 吉田 茂 を批判している. 日航機ハイジャックで福田首相が 「生命は地球よりも重い」 といって人質を解放したことを 「自民党のやった 「一番いいこと」」 だといっているが,これは理解できない.
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小林よしのりの新ゴーマニズム宣言・戦争論を読んでからというもの、
よしりんのナショナリズムについての言動が非常に気になっていた。
ここで述べられていることに対する反論を聞きたかった。
そんな矢先にフラッと入った博多駅センタービルの紀伊国屋で
吉本隆明の対談本「私の戦争論」(ぶんか社・税別1600円)を見つけた。
帯には『「小林よしのり」「新しい歴史教科書をつくる会」を批判する!!』の
一文があり、思わず手にした。
僕のこの何ともいえない不安を解決してくれそうな
力強い吉本隆明の笑顔がそこにあった。
読んでみてよかったと思っている。
今は不安が取り除かれた安堵感でいっぱいである。
と、同時に社会主義にしろ左翼が求めた世界同時革命にしろ
自分の認識の浅さを知った。
吉本隆明はやっぱりすごい。モノの考え方がやはり違ってますね。
着眼点が違う。戦争なんてしないにこしたことないし、
国家なんてなくなっても民衆は勝手にいきていけるんだよ、
なんて平気で言いますが、ちゃんと論理的に説明してくれます。
読んでいる最初は、よしりんが左翼や戦後民主主義者に対して
言っているのと同じような威圧感で反論しちゃってるけど、
最後まで読んでいくと吉本隆明はもっとメタなところで
物言ってんだあってのがわかります。
だから、左翼も右翼もみんなダメだよっていえるんですね。
ところで、この本と出会ったとき、もうひとつ「新しい歴史教科書」とも出会いました。つくる会は世論をなんとか味方につけようと一般に販売し始めたようです。立ち読みしてみたけど、たいしたことないじゃん、こんな教科書でみんなワーワー言ってたのかよ、って感じです。一度読まれてみてくださいな。
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今まで読んできた戦争論の中で一番、腑に落ちる説明をしてくれた本だと思った。戦争を歴史上の出来事から見るのではなく、著者個人の体験として語っていてそこに偽善はないように感じる。著者は戦時中は戦争肯定派であったということを正直に表明している。偽善から抜け出して論じなければ生まれない説得力がある。戦争論をたくさん読んできたけれど、この本に辿り着いて本当によかった。報われた気がした。