サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

夏草の記憶 みんなのレビュー

文庫

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー27件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (7件)
  • 星 4 (14件)
  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (1件)
  • 星 1 (0件)
24 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

その一言がきつい

2001/03/11 00:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 あの「緋色の記憶」の作者だから、という、ただそれだけで手にして読み始めた。最初ちょっと後悔した。緋色の記憶にあったような、だらだらと焦れったいフラッシュバックがない分、たぶんこうなるんだろう、的なことが読めてしまう。それにしても、少女の気持ちを中から見透かすようなこの書かれ方はどうだろう、なんて生意気にも感心しているうちに、形勢は逆転した。その一言の重さ、ラストの重さ。さすがに「緋色の記憶」の作者だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「ミステリ」と思わなければ

2001/01/27 04:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:CURB - この投稿者のレビュー一覧を見る

 途中までは悪口を言うつもりだった。
 大ざっぱに言えば「ミステリ」とかいう部類に入るものとして手に取ったし、アマゾン・コムの方でも「サイコ・サスペンス」と呼んでいるようだが、読み進むうちに私が思い出していたのは、マルケスの『予告された殺人の記録』だった。

 もう、十数年前のことで、記憶はいい加減だが、『予告された殺人の記録』は、一人の男が殺人を予告してそれを実行するという、タイトルどおりの話だった。しかし、込み入った人間関係や主人公の複雑な心理や入り組んだ事件の連鎖などで一巻ができているのではない。殺人は確か、祭りの日に実行される。その朝から殺人の実行までの一日にも満たない時間の主人公の行動が描かれるだけだ。ただ、特異なのは、同じ時間のできごとが、複数の異なる人間の目撃談として、複数の視点から開示されていることだ。この多少読みにくい技法が齎す効果は、しかし、覿面だった。異なる角度から発せられた光が中央で重なる。そしてそれぞれの光の位相が微妙にずれていることによって、その重なりの部分に、一人の男の立体的なホログラムが立ち上がる—まさにこのように、作品の最後を読む私は、陽炎のような一つの後ろ姿が、ゆらゆらと通りを下って行くのを、目の前に見る錯覚を体験したのだ。そして、これは、言語と私たちの脳との幸福な結婚によってのみ可能な「文学的」な効果で、私はこの作品を「文学」として愛した。

 『Breakheart Hill(夏草の記憶)』にも事件は1つしかない。その事件にまつわる記憶が語られる。その一部にリンクがはられていて、そこから別の記憶へ飛ぶ。すると、またリンクがはられていて、また別の記憶へ、ときにトップに戻って、今度は別のリンクから、という手法で履歴も階層構造もでたらめになった中に、ただ、記憶だけが羅列されていく。
 なにかの不思議な工程を見せられるかのようだった。例えば真っ白なパソコンの画面を思い浮かべてもいい。そこを一本の走査線のようなものが走る。画面に淡く薄い色がかけられたのである。しかし色はあまりに淡く薄く、先ほどの真っ白の画面から何が変わったのかもわからない。そして、また走査線が走り、また色がかけられる。ページを繰るごとに、同じ作業が繰り返されるだけの退屈さは、アマゾンの読者書評が「だるい、だるい、ダブルだるい」と言うのも頷けるものだ。ただ、文章のぬるま湯のような読みやすさに乗せられて、本を投げ捨てるのだけは免れて、三百ページ弱(ペーパーバックで)の終わり近くまで来てみれば、驚くべき効果が待っていた。
 気がついて見れば、画面には一枚の絵ができている。二百数十回塗り重ねられて、消そうにも消せない深い陰影を備えて。いつのまにか、私の心には Choctaw の町とその中で生きられた十代の恋が、私自身の思い出として残っていて、何やらそこはかとなくせつない気分になったのである。これからすれば、最後部に提示されることなどは何ほどのことはない、と思った。大体、『シックス・センス』のような、結末を知ったら台無しになるような作品は、もともと台無しの作品だ、ということだ。

 芸能人の誰々に似ていると聞かされると、人は期待して、そしてがっかりする。挙句に文句を言ったりする。私は、似ているじゃないか、と思う。「似ている」と「美しさの程度が同じ」とは無関係だということ知らないお前が悪いんだ、と。『夏草の記憶』もマルケスと比べてはいけない。しかし、ここで行われていることは正に「文学」であって、「ミステリ」や「サイコサスペンス」に分類するのは間違っていると思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2004/11/14 12:21

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/12/10 02:12

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2006/06/03 22:39

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/11/26 15:56

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2008/10/16 16:20

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/12/29 19:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/06/24 01:42

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/07/02 20:12

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/03 18:03

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/09/26 07:44

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/07 20:08

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/04/17 13:08

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/10/08 19:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

24 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。