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カナダで整形外科医として成功しているダルワラは、
ボンベイ生まれのインド人。
数年に一度故郷に戻り、サーカスの小人の血を集めている。
彼のもうひとつの顔は、
人気アクション映画『ダー警部』シリーズの覆面脚本家。
演じるのは息子同然のジョン・Dだが、
憎々しげな役柄と同一視されボンベイ中の憎悪を集めている。
しかも、売春街では娼婦を殺して腹に象の絵を残すという、
映画を真似た殺人事件まで起きる始末。ふ
たりは犯人探しに乗り出すのだけれど・・・
アーヴィングの小説には、
実に不思議で可笑しな奇行と趣味を持つ人物が登場する。
ガープの世界で、
舌を切られた少女の事件に抗議して
自らの舌を切り取るエレン・ジェイムス党員
がガープのお母サンまでも信仰して看護婦のカッコウをしたり
そして、コノ サーカスの息子では
サーカスの小人の血を集める整形外科医の登場・・・
ドコから コノ発想が来るのかと想うほど奇想なのだけど
決して笑えない。
誰の中にも ひっそり存在する得体の知れない哀しさや悲壮感の
立体化(リアル化)の様な気がするから。