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子供より古書が大事と思いたい みんなのレビュー
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紙の本
かつて映画狂だった大学教師が次にはまったのはフランスの古書。日本では稀有の19世紀フランス稀こう本コレクターである著者の体験談を通して西欧における本の歴史に触れられる格好の書。講談社エッセイ賞受賞作。
2001/03/15 01:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:櫻泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランスの古書店は語学力がなければ、とても立ち入れぬ領域。著者が苦労して得たであろう知識を惜しげもなく簡単明瞭に披露してくれる。かつてヨーロッパで書物は庶民にとって高嶺の花だった訳もわかる。装丁本とは、正しい本の扱い方とは、コレクションの分類法、本の紙質、版画の技法、オークション…ページのそこここに挿入された著者のコレクションの挿絵。さまざまな読み方が出来る本だけに、書店ではどの棚に置こうかと苦慮する本ではなかろうか。五・七・五の書名からもセンスを感じる。
紙の本
コレクターにとってはまさに「救世の書」!
2009/09/16 19:01
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:analog純 - この投稿者のレビュー一覧を見る
もうかなり前になりますか、新聞の読書欄を見ていたら筆者の写真が載っていました。
写真を見るまでは、フランス文学の専門という事もあって、そして以前に読んだエッセイはなかなか「高踏的」な感じもしていたものだから、なんか渋沢龍彦っぽいイメージを持っていたんですが、写真を見て、渋沢龍彦というよりは、比較的「高踏的」に近い人で言うと、荒俣宏のようなオッサンで、少しがっかりしました。
だからこのエッセイの感想も、プチ渋沢をイメージしていたものがプチ荒俣に変わったのですから、それは「劇的な落差」といってもいいのですが、一体何が書いてあるかと言えば、「コレクションの欲望=物欲」についてでありました。
筆者にとってはフランスの古書がその対象なんですが、借金まみれになってまで集めている「古書」について、もはやそれは「読む」対象などではさらさらないという「居直り」が書かれてあります。
なるほど、コレクションの対象は、「実用性」などの価値観とはもとより無縁であります。
読んでいて、私はヒジョーに心穏やかになりましたね。
つまり、私の「物欲」の対象であるCDは、「聴く」必要などさらさらないと説いてくれているんですね。
聴いていないことに精神的な負い目を感じる必要など、全くないと、カウンセリング・人世相談までしてくれています。
CDを購入して、しかるべきコレクション棚に置きさえすれば、後はそれを眺めてただにやにやとしておればよく、もしも望むならば棚から取り出して手にとってためつすがめつじっくりと観察すればよく、さらにさらに興が乗れば、気紛れにCDプレーヤーにセットして音楽を聴くことすら可能であるという、全き自由に彩られたすばらしい境地ですね。
コレクションに対する「完全なる自由」ですね。
私はとても心強い味方を得た気がしました。
えー、そんな本でありました。
「実用性」とは全く無縁の本であります。
こういうほとんど「無意味」な本って、本当に私たちの精神生活を豊か(?)にしてくれますよね。
実に良かった。
紙の本
蒐集のために借金に借金を重ねる情けなさ
2001/10/16 23:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ましの - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス古書蒐集にのめりこむ作者が、古書蒐集のポイント、情報を語りますが、おそらくフランス古書を集める人なんかそうそういませんから、あまり役に立つとは思えません。しかし、うん百万の本を捜し求める人がいること(それもFAXでポンと注文してしまったりする)や、フランスの古書店の存在感が日本のそれとはかなりことなっていることと格付けがあることなど、知らなかった世界が山盛りで最後まで一気に読めてしまいました。
蒐集のために借金に借金を重ねる情けなさ(?)が、かつて読んだ、茶木則雄著の「帰りたくない!」(本の雑誌社刊)における茶木氏の情けなさを少し思い出してしまいました。
なかなか面白いのでお勧めです。
紙の本
古書収集の悪戦苦闘記
2018/05/30 00:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
普通に暮らしていると、本をモノとして意識することはそんなに多くない。鹿島茂は古書をコレクションの対象としてしまった。その中でも洋古書という日本にいては入手困難なものだ。そこに立ち至った経緯を説明してから、今度は19世紀の古書の物体としての分析が入る。ここが非常に面白い。モロッコ皮とかヂュラムとか聞いたことはあるけれども内容はそんなに知らないところをうまく説明する。パリの古書店のことも細かくエピソードも交えて描いていく。収集記としては一流の楽しさだ。鹿島茂は古書を収集するために銀行から、はてはサラ金から借財してまでも収集を続けているというから驚く。興味深くはあるが真似は到底できない。
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