紙の本
人類進化テーマSFの傑作
2001/11/30 04:33
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
人類進化テーマSFの傑作。昔はクラークの代表作と言われていた作品である(代表作はその後もいろいろ書いているわけである)。
人類が宇宙への第一歩を踏み出したその日、巨大な宇宙船群が地球へ飛来し、主要な都市の上空を覆った。人類よりもはるかに高度な知能とテクノロジーを有する彼ら〈オーバーロード〉は、人類の前に姿を現すことなく地球管理を行ない、やがて地球は平和なユートピア社会を実現させる。だが、これは人類を次なる階梯へと進化させるための第一歩でしかなかった……。
この作品は、人類が進化してよかったね、というような単純なものではない。「これでいいのか?」という疑問を禁じ得ない、重苦しいものが残る作品だ。
さて、これから読む人は、この作品の冒頭の印象的なシーンを、本で読む前に映像としてすでに観ている可能性が高いことを思うと、なにか不思議な感じがする。この本は、もう50年も前の作品である。さすがにテクノロジー描写の類は時代を感じさせる。しかしこの作品は今でも読む価値を失ってはいない。クラーク節が好きな人は、ぜひ読みましょう。
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アーサー・C・クラークの代表作。高校生のとき松岡正剛の書評を読んで買い求め、以来何十回と読み返す愛読書になりました。
あることがきっかけでパラダイムシフトが起き世の中が変わるとき、人間の見える風景はどのように異化し、その事実を受け入れたのちどう認識が変化するのか、人間がシフトチェンジするさまをゆるやかな筆致で描いてあり、深く考えさせられます。しかし思索の奥深さとはうらはらに物語の展開やイメージの叙述法はドラマチックでエンタテイメントとして十分楽しめます。私は読書における想像力の可能性をこの作品で体験しました。よく言う「無人島に1冊だけ本を持っていくとしたらあなたは何を持っていきますか」という問いに対する、有力候補の1冊です。
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『2001年宇宙の旅』であまりにも有名なDr.クラークの真の代表作。
今の所この作品のせいで、本当に面白いジャンルはSFだと思い込んでいます。
私の浅い読書暦の中、頂上でひたすら輝いています!
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言わずと知れたクラークの代表作。その後の作家の作品も「これは、誰々の『幼年期』だ」と引き合いに出されるほど。
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SFには詳しくないのだが、これはなんとか読めた。最後のところ、なかなか意味深である。火星人でも愛してる、でも長男じゃないわよね。
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オーバーロードたちは純粋に願う。
狂おしいまでに渇望する。
しかし、きっとその願いが叶えられることはないだろう。
その純粋さゆえか、もともとの生態がそうなのか分からないが、きっと今後もオーバーロードはオーバーロード以上にはなれない。
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クラークが 1953 年に書いた、
古典 SF の名作、傑作。
なんか、しみじみと感じるものがある。
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この結末は未だにトラウマ。
「THE IMMACULATE COLLECTION /ウルトラ・マドンナ~グレイテスト・ヒッツ」を見るとこれを思い出す。
ネタばらしになるかもね。
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人類と宇宙人の接触を通じて宇宙の階層構造が明らかになっていくようなSF小説。最初は万能と思えた宇宙人もなんだか人類みたいな知能に低下していく感じがしたが。悪魔と絡んでるのはおもしろいんだが、納得できないまま旧人類は絶えてしまった・・・。
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3.11以前は「ふんふん」と読み流していたり、「ふ〜ん」と実感わかなかったのに、ここんとこ急に信憑性を帯びてきたってことがあります。もともとこの作品は宗教あるいは神(または絶対的な力)と人間、人間と幸福、そして人類の未来(進化)などなどについて示唆に富む内容で、いくつか本文から引用しましたが、いやほんまシャレになりません。
結末が結末だけに、終末論として秀逸という評価をよく聞きますが、「大変な時代」と呼ばれる昨今、人類への警告としてそれとどう向き合うか的なことを、小説のなかのいずれかの登場人物に投影させて考えてみるのも一興かなと。
・・・んで、まるで真逆なことを書きますが、わたくしじつは「大変な時代」とはそんなに考えてません。もちろん局地的に逼迫した環境があり、いままさに有事の真っ只中という方がたがいらっしゃるのは承知の上。また、無策無防備を推奨しているわけでもありません。 なので決して傲慢なことを云うつもりはないのですが、そのへんをくわしく述べるとまたダラダラと長くなるので、参考までに堀井憲一郎の『いつだって大変な時代』(講談社新書)をあげておきます。
あと、震災の関係で取材したりセミナーでお話をいろいろ伺ったなかから、大きな被害を受けた某企業の社長さんのコメント(要旨)をひとつご紹介して、読後の総括といたしまする。
「災害や危機が発生すれば、そのたびに企業は適切な対応と管理を要求されるものです。ピンチにもチャンスにも等しくわれわれはできる限りのことをしていくだけです」
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病気で入院している時にお見舞い品としてもらった1冊。ユートピアに疑問を感じる人間。生きる意味とは?
宇宙は果てしない。
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スピルバーグが好きそうな世界観。
結構夢中になって読んで、最後は
「そうかぁ……、だよねぇ、そういっちゃうよねぇ…」
という感じで終わりました。
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古典をば。コックリさんが出てきた時はどうしようかと思ったけれど、話が大きくなるとサイエンスではなくなってしまうのは仕方ないかな。
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SFとしての読み物としては面白かった。
引き込まれる表現力。
人類の未来像としては、希望を持てるものではないのであまりおすすめできない。
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ずしりとくる読後感。
底の見えない上主に蟷螂の斧を振るう序盤も、次第に秘密を明かしていく中盤もいいが、終わり方が素晴らしい。
2001を新しい見方で見ることが出来そうだ。