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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.5

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

SFっていうのは、舞台設定にリアリティがないと、結局中途半端なんだよね

2002/12/23 20:12

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

SFと本格推理と来れば、I・アシモフ。一ひねりして、J・P・ホーガンを思い浮かべるのがやっと。もしかすると、E・D・ホックあたりにも短編があるのかもしれない。ただし、本格推理仕立てにすると、事件にばかり描写が費やされ、その背景となる人間や環境への配慮が不足勝ち。それがSFとなれば、読者だって何故その時代か、人間や政治、経済、技術はどうなっているのかと構えて読むのだから作家も大変だ。

で、この小説、肝心の時代は何処にも書かれていない。宇宙基地への旅は高価ではあるものの、日帰りはできるし、お金を出せば滞在もできるということから類推して、せいぜい20年後くらいの世界だろうか。宇宙基地やアプリカントというプログラムから生まれたヴァーチャル存在、ミラーサイト、登場人物たちの名前や職業の陳腐さが許容できる限界もそこらへんだろう。

それにしても、主人公の鷲見崎凌は二十六歳の大学院の研究助手、森鷹舞衣は四歳年下の従妹で医学生、それに拓也はミュージシャン、つぐみは女優。加藤浩一郎が技術者で優香は看護婦。朱鷺島は科学者。名前に関しては、2000年に付けられた幼児の名前だから致し方ないとしても、学校は今と変わらない気がする。日本人だけの基地という設定も理解不可能。この不自然さは最後まで違和感として残る。

おまけに、主人公の偽装結婚。これってアニメ? どうして、三雲たち世代のミステリ作家の恋愛観は、こうも画一的で幼児的なのだろう。身近な従妹だの、友人の姉だのに安易に憬れるのは、コミックスの世界そのもの。推理以外の部分は、私が心配した通り。こういう予想は外れて欲しかったのに。

ところが、ミステリの部分は凄い。このトリックの完成度は、多分SF史上最高の部類ではないだろうか。これを成り立たせるぎりぎりの設定というのが、20年後くらいの近未来。人間や職業などは現代のままでもいい、そんなことで頭を使いたくない、という作者の才気と手抜きが感じられる。これで、人間や時代がしっかり描けていたら完璧だったのに。ミステリ部分だけならこのままでも満点、でも小説としてはまだまだ。

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紙の本

SFと本格の融合を見せた話題作

2001/01/19 04:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひで - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本作では、科学者でありSF作家でもある登場人物に、こう語らせている。「SFは世界そのものを定義する文学だ」。確かにこれは真である。小説とは、作者が構築し定義した虚構世界の中での物語である。その中でSFこそ現実世界に囚われることのない自由な発想の下で世界を描くことができる。現実離れしていようがそれが神である作者が想像した世界だからこそ可能なのである。本作は、そんな作者が創造した自由な世界での物語を十分に楽しめる作品である。

 地球軌道上に浮かぶ宇宙ステーション「白鳳」。そこを訪れた鷲見崎凌と森鷹舞衣の二人の前で、突然の停電が起こる。そして再び明かりがついたとき彼らは無重力空間に浮かぶ宇宙服を着た死体を発見する。しかし死体は数十メートルの高さから墜落死したとしか思えない状況を呈していた。そして起こる第二の事件。ステーションの内部でありながら、真空に出たとしか思えない状況下で死亡する男。二つの不可能犯罪を凌が解き明かす。犯人はどうやって、そして何故こんな犯罪を企てたのか。

 本作を読んでいると、何故か頭の中でアニメに置き換えられてしまう。主人公である凌は、周りとは少し違う科学者然とした雰囲気を持つ美男子、舞衣は、目が大きく可憐で弱いところを持った典型的な美少女キャラ。こういった絵柄が簡単に頭に浮かんでくる。主人公二人の関係の行きつく先は予定調和的で、二人の背景にあるものもまた作り物めいている。この理由には、著者が元々ジュニア小説の書き手だったこともあり、その方面からの影響があるのだろう。

 しかし、本格であろうとすれば、登場人物たちの動きやキャラ設定は、謎と謎解きのために存在する駒でしかないわけであり、そういった意味では本作の場合成功しているのかも知れない。肝心の謎の部分は、宇宙空間でしか起こり得ない謎を見事に創り上げている。トリック自体も理系的な雰囲気を漂わせながらも、素人にも分かりやすい。まさにSFとミステリの合体であるといえる。

 昨今、理系+キャラ萌え+本格を組み合わせた作品をよく見かけるようになった。本書にもその傾向は見ることができる。数多いと言うことは、読者が安心して楽しめることにつながる。しかし、同時にレベルの低い作品であれば、無視されることにもつながる。その中で本作は十分注目に当たる作品である。

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紙の本

明晰だけど甲斐性のない男に元気な美少女

2000/07/10 01:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タニグチリウイチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宇宙ステーションが空に浮かぶ近未来。大学で研究している青年科学者・凌を従妹の舞衣が訪ねて来て、偽装結婚して一緒に宇宙ステーションに行こうと誘う。舞に振り回されるように宇宙に出た凌たちがステーションで出会ったのは、宇宙服を身につけた死体。それも無重力状態の場所なのに、高い場所から落ちたとしか見えない奇妙な死体だった。
 凌を探偵役にして進む、近未来に舞台を借りたミステリーとも言える展開で、SFにつきものの既成概念をひっくり返されるような驚きは少ない。それでも謎解きの過程で出てくる、人間の思考をコンピューターにまる移しした「アプリカント」の是非をめぐるやりとりが、人間を規定するものは記憶なのか、情報なのか、といった深い問題を考えさせる。
 明晰だけど甲斐性のない男に元気な美少女という登場人物、謎解きの楽しみといった部分のとっかかりの良さで「普段SFを読まない人が手にとって(後書きより)」も大丈夫。

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2006/10/20 00:05

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2010/06/29 23:59

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2011/04/14 11:04

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2018/04/11 00:33

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