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紙の本
堕ちゆく男
2002/12/21 03:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
「堕落せよ」と安吾は言った。
その果てに至ったこの飽食の時代においては、果てない生産と消費にいそしむことが勤勉と道徳の証しであるが、自らの本能のままにカストリとヒロポンにまみれるような堕落が、現代の日本人にはあるのだろうか。
平凡で、ただ人より少しだけ無気力なこの主人公は、日常のちょっとした一押しで、すべてを与えすべて失っていく自堕落な人生に流され、落ち込み、時には踏み込んでいく。冴えない男たちなら誰でもそうなるのだと、この話は示している。
そうやって抜き身の自己をさらけだして、その時に思うままの選択を続けていって、手に入れたのは真の自己、愛、生活、それとも幸福なのかは分からない。ただそういう人生があったというだけだ。
この本は、作者のイメージにあるようなミステリやホラーでもなければフェミニズム本でもない。
起きうるのかどうか分からない日常を、国境を越えて次々に繰り出して男の人生を流転させていく、日本のマジックリアリズムとして読まれるべきだろう。
紙の本
全てを失った後に男が得たもの
2001/12/09 17:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アクエリアス - この投稿者のレビュー一覧を見る
病身の父としっかり者の母を持つ結木輝和は、江戸時代から地域の総名主という家柄の跡取りであるが、結婚相手が決まらず、結局四十歳目前にして集団見合いでネパールから来たカルバナ・タミと結婚する。呼びにくい異国の名をやめて、淑子という日本名をつけ、一日でも早く日本に慣れて跡継ぎを産んでほしいと願う輝和だったが、子供はできず、淑子の周りには不思議な出来事が起こり始める。
無気力な主人公が、財産を失い続けていく過程は、ハラハラした。「だめだよ。あんた、それじゃ、だめだよ!」って(笑)。
でもその後、彼は変わっていく。彼の最後のセリフは、考えてみればごく普通なものだが、あそこで読むと感動。読んで損はないと保証します。
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