岩館真理子自選集 １０ 子供はなんでも知っている １ みんなのレビュー

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投稿者：ＩＳＨ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「怒り疲れて眠る日々です」「全部受け入れられたいんでしょ」「…不可能なのは分かってるんです」
心療内科医笑う。「話聞いてるだけで分かるよアレが」
なよなよのくせにどっかヤクザ…つまりそれは…この状態。
「つまりそれはあれでしょ？あれでしょ？」と言いたくなる何かを一切語らずさらーりさらーりと描き続けるギャグ。岩舘真理子の「重すぎ」の部分だけをそぎ落とした個人的最高傑作。
主人公…家庭環境良くないからか内気で泣き虫でいじめられがち。…だけなら心優しい人は構ってくれるかも。
が、この子は同時に「何様だ！」なワガママ入ってるのでそれすらもない。
で…同じ状況だが温和でまともな恋人…悲しや…。
なんで、継母さんじゃなくあんたが飯を作って、高校に赤ん坊背負って行くの？
「俺…あいつと付き合っててなんかいいことあったかな…」
で、なんであんた離れないの。そりゃあれだろあれ。
…あれってなんでしょう。
とうたくんが「おまえ…俺のこと気づかっても結局自分のためだろ？」みたいなこと指摘しても…自覚はあり…やめなきゃとも思い…しかし堪えきれず…。
沙羅ちゃん一回部屋から出てドアの向こうで聞こえるように決まり文句の「ひっどーい！」を叫ぶ！しかし、作りではなく本当に泣いてもいる。
つまりそれは…あれだろ？あれだろ？
内容でなく、読み手も描き手も最後まで語れないその感を上品に笑う、と。
沙羅「どうして私はワガママなの…」
母「私も悩んだわ…でも…治らなかったの…」
ひたすら陰気な八重子叔母さんもだよ。なんだこの一族。もう人間としてダメなのになんで最良の場所にすんなりと…。
…決して知りたくない。知りたくない。
「ねー私このマンガ好きなんだけど…こんな感じで…」
「やめろ絶対知りたくない」
…だろ？私もそうだ。
自サイトより加筆修正