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老人たちの生活と推理 みんなのレビュー
- コリン・ホルト・ソーヤー (著), 中村 有希 (訳)
- 税込価格:946円(8pt)
- 出版社:東京創元社
- 発行年月:2000.7
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文庫
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紙の本
いまから楽しみ!
2001/11/11 10:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:angel - この投稿者のレビュー一覧を見る
70歳以下は小娘よ、という環境で、毎日の生活を楽しむ老人たち。この本を読むまで、歳をとることになんとなく恐怖感を持っていましたが、読んだあとは、歳をとるっていまとは違う楽しみが増えることなんだな、と思うようになりました。毎日が夏休みのような老人たちは、好きなことばかりしてすごしているのですが、いまひとつ刺激がたりない。そこにふってわいた殺人事件。刑事たちが「危ないから動かないでください」と哀願しようと、かまうことなく、どこにでもひょいひょいはいりこんで「捜査」をします。その無謀さといったら、読んでいるこっちが心臓マヒを起こしてしまいそうです。シリーズ続編が楽しみ!
紙の本
この面白さ、文句なし
2017/05/19 23:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中からページをめくる手が止まらなくなった。殺人事件を捜査する老人たちの奮闘は読んでいて面白い。警察も、老人たちが事件の捜査をしているのを頭から否定するのではなくて、困ったなあみたいな感じで受け止めているので、親と子供みたいなやりとりになっていてほっこりします。全体的にほのぼのした雰囲気だけど、最後は悲しかった。このシリーズは全巻揃えてみよう思う。
紙の本
どたばた
2001/12/16 17:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H.N - この投稿者のレビュー一覧を見る
元ホテルを改装した静かな老人ホームでの殺人事件。目撃者は誰もいない。ここで頭脳明晰な名探偵が出てくれば本格ミステリの幕開けとなるのでしょうが、そうはいかないのが探偵役が嗅ぎ回り好きの老女だからでしょう。
この老女らはとにかくよく動き回ります。事件が悲惨になっていけばいくほどこの「どたばた」とのギャップが冴え渡り、全体にユーモアを漂わせています。
紙の本
老女探偵団はたいへんなのだ
2008/04/22 17:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
南カリフォルニアの豪華な老人ホームを舞台に
繰り広げられる老女探偵団の活躍(?)を
ユーモアたっぷりに描きます。
探偵団のメンバーは
お金持ちで大柄なキャレドニア。
毒舌のマダム・アンジェラ。
元女優の面影なく太っているナン。
名家のお嬢様で銀行家夫人のステラ。
いつもはのんびりした生活を送っているのですが
元図書館司書で本の虫のスイーティーが
ビーチに降りる階段で殺されたところから
老人ホームは浮足立ちます。
ユニークなのはスイーティーの私生活。
地味で古びた服を着ていた彼女は
実は部屋には宝石、毛皮などを隠し持っていました。
このミステリーのキモは
彼女が本で知り得た知識を悪用したこと。
本好きの心を逆なでしていきます。
殺されても已むなし。
ところが、殺人は連続の様相を呈していきます。
好奇心旺盛なキャレドニアとアンジェラに引きずられるようにして
4人でスイーティーの謎の死を追っていきます。
が、老人なので、あちこちが痛み、
世間の常識もバリバリと踏み倒し、
不法侵入、窃盗、証拠隠滅と捜査の邪魔をし続けます。
しかも、「人生って……しみじみ……」と感じさせてくれるミステリー。
紙の本
老人たちの《本格的》犯人捜し
2002/04/21 03:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
海岸へと繋がる階段の下で、一つの死体が発見される。自らの毒舌ぶりに気がつかないはみ出し者の女性ならいざ知らず、殺されたのは控え目なことを体現したような元図書館司書だった。
老人ホームの仲間が殺害された、それも犯人は仲間内か関係者らしい、と知った老人たちのリーダー恪は、仲の良い友人たちを集めてチームを結成する。仲良し老婆四人組は、地の利を生かして捜査を進めるのだが、やがてホームの小さな集団内に秘められていた、ある秘密を明らかにしてしまう……。
豪華な造りの建物に、素晴らしい食事、さらには入居者専用の病院まで完備という、致せり尽くせりの老人ホームを舞台とする、老人ばかりが登場する本格ミステリ作品。
捜査の責任を持って任じるのは、四人組の老人たち。これだけでも珍しい設定だが、さらには当然のことなのだが、事件を解く鍵となるような情報を握っているのも同じホームに暮らす老人たちとなっている。物語には、もちろん捜査のプロであり貴重な若者──といっても、中年の男性だが──でもある警官が登場して、正規の捜査が進められるのだが、四人組の捜査がもたらす脱線に苦しめられるだけではなく、前代未聞の苦難を強いられることになる。
事件の捜査を担当する警察官の師弟コンビ、マーティネスとスワンソンは、老人ホームに入居する全員という多くの情報提供者、すべてに話を聞かねばならず、しかも老人たちは皆が似通った灰色の保護色どっぷりと漬かってしまっていて、最初は見分けることすら容易ではないという始末。
事件の情報提供者が保護色の中に潜んでしまっている──しかも大量にいる──だけで可笑しくて仕方ないが、ここからが前代未聞の最たるところ。灰色の老人たちは、事件現場に偶然居合わせたとしても、《見えない、聞えない》のだ。こんな情報提供者たちが、これまでのミステリに存在しえただろうか?
これではどうしようもない、かと思われるのだが、この作品に登場する警官コンビはなかなか優秀な探偵で、四人組の主人公たちが先んじているかと思われる状況にあっても、実は事実をしっかりと掴んでいたりして侮れない存在となっている。
作者のソーヤー本人は、老人たちの集団を《灰色の保護色》などと表現しているが、小説上に登場する人物たちをとても上手く書き分けている。100ページほどで、主要な人物が出揃い、事件の解決に向けた行動が本格化する前に、きちんと整理された状態が容易されているのだ。
そこから、限られた領域の限られた人間に潜んでいる犯人を捜しだすフーダニットの趣向が、そして、殺された人物自身の謎を追うべく、彼女が何故殺されたのか? というホワイダニットの趣向が、それぞれ進行していく。とても本格ミステリしていて良い。
『老人たちの生活と推理』において最も重要なのは、奇妙とも思える老人の行動原理が描かれていること。老人が習慣を変えないのは、それが楽であるから──という真理をさらりといってのける作者は、やはり老人なのでは……。素人探偵となった四人組が披露する、直感と敢然による推理も、老人の行動原理にかなったものとなっているから自然と思える。
そして、些細な事実が連鎖していく、本格ミステリとして優れた本作の構成に、ある種の行動原理──真相に触れてしまう恐れがあるので、ある種としか述べられない──が、有機的な結合を見せている点がとても素晴らしい。老人が登場して、しっかりとらしさを発揮しているからこその妙味だ。
さらに、死が日常であり、身近な存在となっている老人ホームという空間を舞台とする殺人劇、という特異性の持っている面白さを合わせて評価したところで……、この作品のような本格ミステリは、とても若輩者には書けそうもない。
紙の本
老婦人探偵団
2001/05/02 20:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろんな事に鼻を突っ込みたがるのは、今も昔も女の仕事。噂話のみならず、殺人事件にまで首を突っ込んだ。自分達がいるホームでの事件なら、なおさら好奇心が黙っていることを許さない。刑事がとめても無駄ってものよ。本当に元気がいいんだから!読んでいるこっちがはらはらしちゃうじゃない?