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真実かどうかはともかく、かなり興奮して読んだ。特に最後の方の金太郎さんの話は。ノンフィクション版ミステリー。
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読むべき本をどんだけ読んでいないのだろうかと嘆息した。ひとまず、よど号博士とかになりたいのでなければ本書1冊を読んでいれば十分すぎるぐらいかと思う。
北朝鮮のことはよく知らないが、キューバでは遠すぎて燃料の補給が大変とかいう安易な理由で、超自己中な主体思想とは相容れない「過渡期世界論」「国際根拠地論」という「理論」に基づいて「俺が金日成をオルグする」(故・田宮)「立派な兵士になって帰ってくる」と掛け声勇ましくよど号をハイジャック、北朝鮮に乗り込んだもののおそらく非転向のために死んだ吉田金太郎と岡本武以外は洗脳されるがままになって日本人を誘拐したり偽ドルつくりに加担したりして今に至るというよど号メンバーの成り行きを赤軍派の元活動家でよど号リーダー田宮の友人でもあった著者が、かつては同志だった彼らの変貌ぶりへの落胆と、それでも滲み出る旧友としての共感を抑えつつ出しつつ、約700ページという長編をたいへんな取材力で充実した内容にまとめている。
とにかく北朝鮮以外のどの国に行ってもこれほどひどいことにはならなかっただろうと思われた。
出発前、仲間の1人が、北朝鮮に行ったら長髪を切らなくてはならないから嫌だ、行かないと言ってグループを抜けたという話が出てくるが、知識なんてなくても、そんなふうに普通にそういう管理国家ダメじゃんとか思えなかったのかなあ。
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星5つでも足らんわ。「よど号」と言ってもリアルタイムでは知らない。古本屋でで売っていたから興味本位で買ってみたのだが、凄かった。まさに事実は小説より奇なり。ルポってこんなに面白い物なのかと。一気に読むにはチト長く、ちょっと疲れるが、内容への興味が薄れることはなかった。著者の文章の書き方、話の盛り上げ方が実に上手い。しかし、これはノンフィクションである。「面白かった」ですます分けにはいかない。普段何気なくテレビで見ている北朝鮮という、最も近くて、最も遠い国に付いて、考えさせられると共に、「日本」という自分の生まれ育った国に対する考え方にも、改めて考えてみる必要があるように思った。、
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よど号事件を巡った一書の中ではかなり内容の詰まった一書でした。
よど号のハイジャック事件だけでも十分に重厚な内容だが、北朝鮮に向かった後のよど号メンバーに待ちかまえていた北朝鮮国内における思想改造の経緯や日本人拉致を行う為にヨーロッパへ潜伏した事など、混沌の時代を背景に若者の思想や行動、紡ぎ出された一つの時代の答えが凝縮されている。
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第21回講談社ノンフィクション賞。
昭和45年に起こった「よど号事件」のメンバーを、北朝鮮まで行って取材してきたノンフィクション小説。
名前くらいは聞いたことのあった「よど号事件」、どんな事件かまったく知らなかったけど、この小説はよく取材してあってまるで現場に居合わせたかのように具体的に事件内容が書かれている。
また、北朝鮮がどのように拉致工作を行なっていたか、拉致した人にどんな教育をしていたかにも詳しい。
ただ、著者もちょくちょく述べているが、北朝鮮内での言葉はどれが事実か分からない。というか「事実」という言葉の概念がそもそも違うのだ。われわれが言う「事実」とは、まさに本当に起こったことそのものを言うのに対し、北朝鮮では「そうあるべき、そうでなければいけない」ことが「事実」であり、実際どうであったかは関係ないのだ。
だからよど号メンバーの結婚話でも、実際は拉致してきた人と北朝鮮内で結婚したのに、ヨーロッパで偶然出会って結婚した、という妄想上の出来事を「事実」として語っていて、本人たちもそう信じている。
著者の取材は徹底していたが、もうちょっとコンパクトにまとめられなかったかと思う。全670ページは膨大すぎるし、繰り返し述べられるところもあって冗長な感じ。
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外国にいて、日本語で話かけてくるヤツには注意しろ、と言われますが、日本人同士だと分からないのですかね。まあ、そのために日本人を拉致しているのだとは思いますが。
日本人妻が、一人捕まって素性がバレたら、それまで日本に埋伏されていたスパイたちが、一斉に国外に逃げた、というのが映画「メン・イン・ブラック」のようでした。
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とても面白い本。読み応えがある。ああそうだったのか。方々に散らばっていた貧弱な知識群がボクの中で綺麗に繋がった。今から40年前の夜。東京。駒込駅前の喫茶店「白鳥」に集まったメンバー。ハイジャックの謀議。すべてはここからはじまった。今でもなお続く拉致問題。北朝鮮と日本の間に横たわる深い溝。世界を舞台に彼らが何をしてきたのか手に取るようにわかる。一筋縄にいかない理由。それらすべてが本書でわかる。
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謀略に怒りを覚える。そして自身の置かれた境遇が重なって暗くなる。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080830
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110804
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「よど号」ハイジャック事件が発生した時、わたくしはまだ頑是無い子供でありました。よちよち歩きとまでは申しませんが。よつて当時のことはほとんど覚えてゐません。
ひとつには同時期に開催された大阪の万国博覧会の印象が強すぎて、ほかのニュウスはかき消されてしまつたといふ事情もありさうです。
北朝鮮へ渡つた「よど号」メムバアは、予想外の好待遇で迎へられ、朝鮮労働党から有形無形の恩を売られたことで、思想改造も容易に進んだのではないかと思はれます。
その後は金日成体制下の主体(チュチェ)思想に則り、労働党の傀儡もしくは手下として動くしかありませんでした。日本人拉致事件にも関つてゐたのです。
日本の関係者が全く情報を得られず、何となく北朝鮮国内で不自由な生活を強ひられてゐると思ひ込んでゐた時期に、実は彼らはヨーロッパ各国で活動したり、ちやつかり日本へ潜入したりしてゐたのでした。
また、9人のメムバアは全員が同じ方向を向いてゐた訳ではなく、主体思想に馴染めない者もゐました。さういふ人物はある日忽然と姿を消すのであります...
質量とも充実したノンフィクションと申せませう。著者の高沢氏は、メムバアのリーダー・田宮高麿の友人だつたさうで、高沢氏だからこそ彼らもここまで語つたのでせう。
2012年2月現在、9名ゐた「よど号」メムバアのうち、健在が確認できるのはわづか4名に過ぎないのださうです。
彼らには今後の展望は見えてゐるのでせうか。現在も続く悲しい歴史であります。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11153510683.html
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20代の幼い思想で突っ走り、後半の人生を北朝鮮で過ごしたよど号のっとり犯人たち。
決行日、飛行機など乗ったことのない貧乏学生たちは、
飛行機を電車のようにすぐに乗れると思っていて遅刻者続出したとか(で、別の日に再度決行した)、
北朝鮮で半監禁生活(けっこういい暮らしだったそう)の中、日本から恋人をおいかけて女の子が一人やってきてから、男同士がぎくしゃくしだしだとか。(この女の子もびっくりだ。)
私の中で歴史の中の事件の犯人が、生き生きとした息子たちと変わらない青年にみえてくる。
犯人は謎の死をむかえたり、行方不明になったりしたが、2名ほど存命だそう。
次は重信房子さんの話を読みたい。
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最近、出版されたよど号メンバーによる本の内容とは違う点がある。当たり前かもしれないけど、本当に真相は闇の中。。
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1970年3月末、赤軍派メンバー9人が日航機をハイジャックし、北朝鮮へ亡命した「よど号」事件。
犯人たちのその後の人生とは。
犯行の計画、北朝鮮の思想教育、日本人拉致の実態、そして日本潜入工作――。
ルポルタージュ。
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【164冊目】誰もが一度は聞いたことがあるであろう「よど号」事件についてのルポタージュ……かと思いきや、いわゆる「よど号」グループがいかに主体思想に思想改造を施され、「よど号」の妻と呼ばれる人たちを獲得し、そして東欧周辺を根拠として日本人を拉致したのか、ということが書いてある。さらに、日本への工作活動。
日本に住んでいながら、拉致問題に興味を持ちながら、こんな基本的なことも知らなかった自分にがっかりした!
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よど号ハイジャック犯たちが拉致に関わっていることや、北朝鮮におけるスパイ養成に主導的な役割を果たしているのはこの本を読めば明らかです。非常に丁寧な取材を基に書かれていると思います。
思想的に共感することがあっても、よど号犯人たちが日本への郷愁を持っていたとしても、彼らは被害者たちの人生を奪い去った明らかな犯罪者です。同情するような論調は今後も許してはいけないと思います。北朝鮮と言う国家の犯罪も厳しく断罪されるべきです。
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「あさま山荘」の流れで、本書を読む。もともとは、ちきりんブログでのおススメだった骨太のノンフィクション。
読み始めは、よど号ハイジャック事件の話で、有名な「我々は明日のジョーである」という言葉も出てくるが、読み進めるうちに、ハイジャックの話から北朝鮮の話に変わってくる。
よど号メンバーというと、どことなくヒーロー的なイメージがあったのだが、これを読むと一転する。それは、ハイジャック事件のあとの話があるからである。
ハイジャックで北朝鮮に渡ったメンバーたちが、その贅沢を保証された生活に義理を感じ、思想を変え、家族を与えられ、工作員になっていく、という話が、本人たちへのインタビューと丹念な取材によって展開される。
自分の頭で考えることが否定され、絶対服従が求められ、それに従わないものは政治生命が抹殺される。絶対服従をしている限り、自分たちは正しいと信じることができる。先日の粛清のニュースもあったが、政治生命が抹殺されるということはかの国ではどういうことなのか。そして、この事件はまだ何も解決されていないということの恐ろしさがある。
[more]
(目次)
名曲喫茶
空賊
偽装空港
闇への亡命
平壌
思想改造
金の卵
秘密の招待状
潜入渡航
妻たちの北朝鮮
結婚作戦の真実
日本人革命村
マドリッドの失踪者
生存の証明
ロンドンの罠
チボリの夏
密輸シンジケート
双面のヤヌス
接線
ウィーン工作
背後の影
消息不明
山桃の家
思想対立
海上への脱出
破綻した虚構
日本潜入
密告
国内工作
撤収
祖国喪失
時間の迷路
黙契