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この本でずっと知りたかった着物の柄、幸田文とのエピソードなどが綴られてて、何回でも飽きる事無く読んでしまう。
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着物が普段着だった世代の方の話は、訊けば訊くほど溜息が。縞の着物があんなにきりりと、粋とは別の形で似合う人は果たしてあの時代、当たり前にいたのだろうか。
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青木玉と祖父幸田露伴、母幸田文との着物にまつわる随筆。
露伴については筆者はおぼろな思い出が多く、母から伝え聞いたものや、母による祖父の着物の納まりを書いたものが多い。この着物の納まりとは、着物を誂え着物が年をとってゆく末のことで、仕立てなおしたり、最後のほうは座布団になったりすることである。露伴の着物が座布団になり、それを座ってから知らされた客の尻の納まりが悪いなんてくだりはおかしい。そりゃそうだろうなと思う。
祖父や母へのやわらかであたたかな思いが感じられ、その文章に触れているとこちらもおだやかでゆたかな気持ちになる。
着物の話ばかりで着物好きの私は着物初心者ながら興味津々で楽しめたが、着物どっぷりの人はもっと楽しめるのではないだろうか。反対に着物に興味のない人にはなにがなにやら?かもしれない。しかしやわらかな筆致から当時の風景が垣間見られ、着物に興味のない人でも楽しめる・・・・と思う。
文章からどんな着物なのだろう?と想像をめぐらしていると、ふっとその着物の写真や、当時の写真がはさまれる。消化不良にならないところもいい。
幸田文の文章を読んだことがなかったのだが、強くあたたかくやさしい母の文の文章も読んでみたいと思った。
★コラム担当★ぴっぴ
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着物についてのあれこれを参考にするのももちろんいいのだけど、これは家族の思い出をうかがう時間だなあと思う。洗い張りまで自分でやってのける文のこだわりを真に受けてマネしても到底適いません。
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幸田露伴の孫、幸田文の娘、青木玉さんの作です。
祖父の生前の様子、母の姿を、実際着ていた着物を通して描いています。
向島の下町の、粋でテンポのいい会話の様子や、
さすが作家親子の、ものを見る鋭い基準、
というのがすごく参考になり、
玉さんの控えめな人柄にも心惹かれます。
着物好きにはおいしい本だと思います^^
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青木玉が幸田文の死後、残された着物の一枚一枚をめぐる思いを綴ったもの。 愛用の着物の写真とともに伝える。
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筆者の母である幸田文・祖父である露伴の、着物にまつわるエピソード。
筆者が幼いときから母親の他界するまで、長い時間にわたっている。
まず、文章のちからは遺伝するのかと思ったほど、文章がうまい。小気味よい。文さんに似ていると思った。
幸田文の自伝的小説「きもの」を読んでそこから想像していた文さん像と、娘さんの目に写る文さんの姿が似ていて、知っている人の思い出を聞いているような気持になった。
着物を着ない人には実感が持ちづらいかもしれないが、着物をとおして人や物とどう付合うか、ということなので、知らなくても読めるのかも。
文さんの話を聞くと、ものひとつひとつと、長くきちんと付き合おう、と改まった気持になるのだ。
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幸田露伴を祖父に、幸田文を母に持つ著者。
エッセイだけど、小説のように美しく流れるような文章は、さすが文筆家の家系。
着物の美しさ、明治・大正・昭和初期の人の暮し、幸田文の人柄や執筆ぶりまで読めて、本当に贅沢な一冊。
幸田文の「きもの」で描かれた着物への想いを、さらに理解できました。
この頃の着物って本当に美しくて、いつか小説で書いてみたいです。
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この親子の言葉はかっこいい。
そして、知らない言葉、言葉自体知っていても知らなかった用法が沢山出てくる。「日本人の知らない日本語」の世界。
本当に、まだまだだなぁ(何が?)と思う。
粋なのは『石摺りの着物』にあった
「地味は粋の通り抜けでね、それがしゃれもの」(母)
かっこいい。完全にKOされた。
最後の『白い着物』で出てきた「おすもじ」が分からず、広辞苑の世話になった。
「寿司」の女房言葉との事。モロに「なんか”もじ”ってかわいくない?」の世界ですか(笑)
露伴翁には行き着かないかもしれないけど、これからも大事に読んでいきたい。
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振袖、留袖、訪問着、家内着、染めや刺繍、色合い。着物をずっと着続けた幸田文と娘青木玉の色々な話。
なんだかうらやましくなるほど素敵。着物に着られてしまうんじゃなく、こんな風に着こなせたら本当にいいだろうな、粋。
本当は灰色のような色なのに、鈍色(にびいろ)と言ったり。
ある着物や帯の話が書いてあったりすると、写真が挿入されていたりして、ふんだんに写真が使われていたのが良かった。
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着物に興味を持つきっかけとなった一冊。写真の着物はどれも上品かつ粋。青木先生の文体も柔らかでお気に入りです。
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ブクブク交換でもらいました。こんなに得していいのだろうか。
著者は、幸田文さんの娘さんです。
幸田氏から続く文章書きさんの中で、一番好きです。
文さんって、着物のセンスが抜群によかったんですね。
菜の花の帯と着物の取り合わせに、うっとりしてしまいます。
着物から掛け布団、そして座布団へ。
使い尽くしてこそ、女っぷりも上がるってものだ。
黒の似合う器量に、私もなりたいです。
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着物を着て生活していた人の意識とは、こういうものなのかと思わされる。
すがすがしく読める随筆。
もちろん、いきなり本書を読んでもよいとおもうけれど、幸田文の『きもの』と併せて読むと、さらに興味深く読めるかもしれない。
カラー写真も多数入っていて、さらに「きものの栞」なるミニ知識コーナーもある。
きものについての知識がなくても、どうにかイメージは出来るのではないかと思うが、やはり知っていた方が楽しく読めるだろう。
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幸田文を好きになる本。
写真を見ると、帯締めの締め方が今とちがったりしておもしろいです。
菜の花柄の黒留袖、着てみたい。
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肌着から振袖まで、着物が日常着であり晴れ着であった世代のまさに「箪笥の引き出し」をひっくり返して見せてくれる本。意匠や色の注文だけでは飽き足らず、自ら染色や刺繍までこなす凝り様には圧倒される。と同時に、自宅での洗い張りや浴衣の仕立てなど、この時代ならではの手仕事の様子も活写されておもしろい。