紙の本
2000/10/15朝刊
2000/11/10 21:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末の横浜は外国人居住者が抗議するほど衛生面で問題がある町だった。一世紀を経て、横浜は公共空間を重視した近代的な都市に発展した。
横浜の公園整備は、生麦事件後に外国人が安心して散策できる空間を要求したことが契機となったが、その後の計画を当局がすんなり認めたわけではない。関東大震災後のガレキ処分場に作られた山下公園の場合埠頭(ふとう)建設を唱える県が頑強に反対した。住民本位の都市計画の意義と難しさを考えさせられる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000
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横浜について知るために手に取った本。
横浜市の代表的(らしい)な4つの公園の歴史を紐解き、かなり詳細な記述を試みています。
当時の新聞記事をはじめとした、膨大な資料に基づく歴史物語は、「よく調べたなあ」とただただ関心するばかり。
横浜のような都市で、きちんと歴史をふまえた都市づくりに取り組んでいく上では、常に脇に置いておきたい資料集的な本かなと思います。
反面、新書として出版されているわけですが、その過剰とも言える詳しさ(笑)から、読者として想定した層はどのあたりだったのだろう…と、いらぬ心配をしてしまいます。
なので、横浜の街をよく知った上で(最低限、みなとエリアの地理を理解した上で)あることは前提で、
さらにその細かな形成理由・背景について知りたい人以外は面白くは読めないのではないのでしょうか。。。
巻末に、街の遺産や思想を継承した都市づくりを行なうための決意や提言を行なって結んでいます。
確かにそうだろうな、と尊敬を向けると同時に、
その"継承"が、市民にとってどんな意味や恩恵を与えるのかということは考えなくてはならないように思います。
建築家や識者の謳う「ぜひ残すべき」遺産に対して、市民も同じ気持ちを抱いている場合は多くないのでは。
歴史を紐解いて、その遺産を取り巻く市民にそれを知らせて、その上で将来を考えていくような都市づくり・街づくりというものが理想ではないかと思います。今は(笑)
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横浜にある公園の経緯からみた都市発展史。
山手・横浜・三渓園・山下に加えて掃部山や戦後のものも加えてある。
様々なエピソードも含めて面白い一冊でした。
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高台の洋式公園 山手公園
まちの市民公園 横浜公園
公園を越えた庭園 三渓園
日本初の臨海公園 山下公園
国際都市横浜の風景は公園に彩られている