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紙の本
我が国で民藝運動を指導した柳宗悦氏の評論集です!
2020/04/07 13:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和初期に民藝運動を起こした思想家であり、美学者であり、宗教思想家でもある柳宗悦氏による著作です。柳宗悦氏によれば、「茶の心、美の本質に深く迫るには、物にじかに触れ、観ることが大切である」と説かれます。そして、氏は、名器である喜左衛門井戸を観てその美を発見し、さらに日本美の共通の基準である<渋み>を提唱するとともに、初期の茶人達を高く評価しています。同書は、そうした柳宗悦氏による興味深い評論集です。
紙の本
柳の方法論は、いまだ考え抜くべき可能性を残している
2001/01/26 19:36
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:今福龍太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大柄な思想が、民衆の日常のものづくりの現場から発するような例はきわめて稀である。柳宗悦はその点で、20世紀の日本思想の一つの特異点を形成しているといえるだろう。私自身が、ブラジルの東北部の民俗工芸の世界を近年発見するとともに、柳の民藝の思想のアクチュアリティに気づきはじめた。その根幹の関心は、柳が民衆の「手の技芸」を文化理論や理念としてではなく、あくまで日用品というものが生産され流通するハビトゥスに介入する政治・経済領域への思想的批判として具体的な場と現実に即して考えていたことである。ブラジルの民芸品はいま、ツーリストアートとしての形骸化のなかで危機に瀕しているが、これに現代の西欧デザイン思想を接合させて工芸経済を甦らせる運動に私が介入しはじめるきっかけになった背景には、柳の著作の示すアクチュアリティがあった。近年は、ポストコロニアリズム批評の視点から、ヒューマニズムの仮面をかぶったオリエンタリズムとして批判されることの多い柳であるが、モノの手触りの感覚から日常茶器の美と技芸の深層によこたわる人間の叡知へと向かう柳の方法論は、いまだ考え抜くべき可能性を残している。筑摩書房版の全集はあるとしても、『茶と美』のような形での文庫復刊は、柳の再評価をめぐる一般的端緒をつくるためにも歓迎である。
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