紙の本
渋谷での佐久間公の活躍に注目
2001/02/14 16:25
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投稿者:ERI君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに佐久間公の活躍を愉しんだ。
この作品については、よく、作者も主人公の佐久間も年取ったと言われる。しかし、私はそれはあまり感じなかった。かえって、なぜ、そんなに、大して年を取っていないのに、なんで年取ったことをそんなに強調するのかなと、気になった。
その、主人公の年より、それ以上に気になったのは、大沢の作品はこんなにも理屈っぽかったかなあと言うことだった。特に、前半の二つの事件の状況を説明する部分がひどかった。
後半になると、ようやく調子よく話が進みだし、大沢節が生きてくる。一匹狼と言いつつ、優秀なスタッフがまわりからバックアップしてくれるいつもの展開になって、佐久間公の活躍を安心して、愉しんで読めた。
是非、次回は理屈っぽさの少ない、佐久間公の活躍が読みたい。(宮引恵利)
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人捜しのコウ。佐久間公は人捜し専門の探偵。腕はいいが歳を食った。それでもまだ四十代。味が深まった。
2001/01/16 15:15
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投稿者:松本賢吾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はや師走も終盤。今まさに激動の二十世紀が終わろうとしている。なんてことには特別な感慨もなく、昨日と今日と明日の区別もない、書いて、読んで、飲んで、ちょっぴり張る生活を忙しがっている。とはいえ今世紀最後に取り上げる作品。厳選したつもりだ。
大沢在昌には直木賞を受賞した『無間人形』を含む新宿鮫シリーズがあるが、これとは別にデビュー作『感傷の街角』から書き続けている佐久間公シリーズがあって、本書は五作目の傑作『雪蛍』に次いで出た六作目にあたる。1300枚の長編で本が分厚く、タイトルをもじって冗談を言わせてもらえれば、手に持って読むには重すぎる。ところが読みはじめたら止まらない。気がつくと本の厚さが物足りなくなっていた。もっと佐久間公と一緒にいたいと思う。むろん意表を衝くどんでん返しの連続の面白さのせいだ。
主人公の佐久間公は人捜し専門の探偵。二十代からやっていて四十代になる今も続けている。ほかの仕事をしらない。例外的に無二の親友沢辺との絡みで、薬物依存者のための相互更生補助施設「セイル・オフ」でカウンセラーの真似事をやっていた。
沢辺は「セイル・オフ」のオーナーで、彼を通じて資産家の依頼人押野に会った佐久間は、奇妙な探偵仕事を引き受ける。六年前から消息不明になっている人気マンガ家「まのままる」を捜し出し、一世を風靡した人気マンガ「ホワイトボーイ」の原画にサインをもらうというものだ。佐久間は「まのままる」の周辺を探る。その過程で浮上してくる人気マンガ家の仕事の苛烈さ、転げ込む大金、才能の最後の一滴までも絞りとろうとする出版社の思惑などが巧みに描かれていて、これを読んだだけでも得をしたような気分になる。
さて、佐久間公は人気マンガ家を捜すと同時に、「セイル・オフ」の新しいメンバー、十六歳の少年雅宗の更生を妨害する、謎の美少女錦織令を捜しに渋谷に向かう。
かって雅宗は睡眠薬を飲ませて令を犯したが、令の醒めた魅力の虜になって、令を女王と崇める奴隷になっていた。令は雅宗とのセックスにクスリの乱用を求め、壊れていく雅宗を楽しんでいた。令の奴隷はほかにもいて佐久間公は襲われる。公は錦織令に会った。悪意の塊のような美貌の女子高生。魔女と呼ばれ、少女が放つ悪意に満ちた霊力のようなものに、公は戦慄を覚え、怒りを抑えかねる。あいつを殺す。錦織令は佐久間に言った。やがて雅宗は「セイル・オフ」で首を吊って自殺する。
激怒した佐久間は錦織令を追ううち、令と失踪した人気マンガ家「まのままる」との間の妙な接点に気づく。そんな佐久間を渋谷の夜の街を支配するチームと呼ばれる少年グループやヤクザが襲う。危機また危機の連続。まさに大沢流エンターティメントの醍醐味がたっぷり盛り込まれた大作だ。ぜひ、正月休みの炬燵の中でじっくりと味わってもらいたい。満足しますぞ。では、来世紀もよろしく。 (bk1ブックナビゲーター:松本賢吾/作家 2001.01.17)
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図書室に入れてもらって読んだ本(金欠)シリーズものだとは知らなかったけれど読めた。漫画家の話かと思ってたけれど「飼い主」からの逃亡、ヤクザの抗争、新興宗教との絡みなど、凄い読み応えがあった。
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タイトルに惹かれましたね。私立探偵 佐久間公シリーズの一つ。
5cm位の厚さのハードカバーを買ってしまったのは、タイトルのせい。
予想のつかない展開で、楽しめた。推理ものだけど、一つ一つの出来事に深みがあり、登場人物も深みがあったので、読み込めた。
何冊か、このシリーズも読んでみたが、これが一番しっくりきた。年末にかなりはまった本です。
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是非ともハードカヴァーで読もう。
SM心理が非常に分かり易く描かれていて、知的好奇心がどんどんページを進めてくれる。
心にどんより重たいシコリが欲しいときは迷わずどうぞ。
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『人の心は、いつだって危ういところに浮いている。底なし沼の水面のような場所でな。・・・お前さんの心を浮かせているものは何だ』
主人公に対するこの問いかけに、作中でどれほど答えてくれているのだろうか。この本の面白味は、その一点に尽きる、と思って読み進めていったのですが・・・
謎の女子高生?選んだ題材が悪かったのかなぁ。。。途中までは面白かったんだけど。
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私立探偵 佐久間公シリーズ。
漫画家、高校生、麻薬患者、渋谷、暴力団、宗教、SM,ロリコンなどなど・・・
いろいろなものが最期には一つとなるハードボイルド小説。
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自分的大沢在昌第3位は、帰ってきた佐久間公シリーズです
これは、私がまだ大沢在昌にはまり始めた頃、佐久間公の作品の中で最初に読んだ一冊です
ストーリーはそんなに複雑なわけでもないのに、作品に魅せられます
若い頃の佐久間公の話も良いのですが、やはり言葉の重みという意味では“雪蛍”“心では・・・”の佐久間公の言葉は本当にかっこいいですね
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大沢さんはこういう作風なんだね、というのがはっきりわかる。
ハードボイルドだったり、中年だったり、ドラッグだったり、やくざだったり刑事だったり(イメージ的に)
わたしのなかでハードボイルドな中年を描く作家といえば大沢さんか藤原さんです
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これも尻つぼみ感超……
なんなんすか、途中まではめっちゃ面白いのに。
この後半にかけて失速する感じはなぜなのだ。
第一長過ぎるのではないか。
無駄に事件を複雑に絡め、その上要所要所であらゆる蘊蓄垂れ流し。
作者の「オレ、こういうこと興味持ってんだぜ、こういうこと取材してみたんだぜ」という露出過多な感じがするのは気のせいか。
失踪した漫画家と、麻薬更生施設から逃げ出した少年が渋谷でリンクしていくくだり、確かにスゴイですよ。
よくもまあ、ここまで絡めるなあって感心しきり。
だからこそ、終わりはビシッと決めて欲しかった。
最後のほうになればなるほど、とりあえずまとめとけという拙速感がある。
何より、錦織令の描写が酷い!
絶対このキャラ、最初立ち上げた時と設定を変えてしまったように思う。
あれだけ魔的に描写しておきながら、なんなのあのあっさり感というか、拍子抜け感。
しかもオヤジ説教がうぜーうぜー。
結局、錦織令が深みのないキャラになってしまったから、佐久間サンの熱弁もどうでもいい。
残念。至極残念。
途中までは☆5つの勢いの面白さだった。これは本当。
あと、沢辺さんは絶対佐久間サンが好きだと思う(え)。
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キャラクターのほとんどが好み。
覗き見趣味の依頼人押野は無夜かと思うほど行動様式が似ている。金があったら無夜はこうなったかも。
っていうか、なるかも。
錦織令ちゃんがラストは良い子だったと判明。……無夜はこの子好き。
面白いぐらい嫌なキャラがぜんぜんいない。みんな一生懸命。
大沢さんを教えてくれた隊長に感謝。
ストーリーとしては、無理に一本のラインにつなげることはなかったんじゃないかということ。
麻薬更生施設の少年の自殺とかはそれ単品で、とか。もしくは漫画家は別個に扱うとか。
一本ラインに向かわせずに二本ラインで並列させて、関係者が交わることがある、とかその程度にしておいたほうがうそ臭くなかったかな、と思う。
そのへんが残念だ。もったいない。
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佐久間公シリーズラスト!
「心では重すぎる」っていうけど本が重すぎです!!
前作終了後から本格的に探偵業を復活した佐久間公。
今作では漫画を大ヒットして暫くした後に何の作品も出していない作家を探し、現状を教えて欲しいという依頼。
それと平行して前作から引き続いて薬物更生施設である「セイル・オフ」のことも絡んでくる。
依頼自体はあっさりしてましたねー。
謎のありそうな依頼主だったのでもう少し絡めて欲しかったというのはありましたが。
そして、登場する「少女」。
キャラがものすごく強烈でしたね。
一体何を考えて動いているのか途中まではわからなかったです。
最後のほうで行動理由が理解は出来るのだけど、納得はできませんでしたが。
今でこそ「バクマン」などで語られることの多くなった編集部内部の話しが詳しく読むことができ興味深かったです。
あ、SMの話は私にはわかりませんでしたが
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そこそこおもしろいが、最後はまとめすぎた感はある。
疾走した漫画家とヤク中と宗教じみた女子高生がからんでいくストーリーはなかなか!
熱中できた。
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佐久間が漏らしすぎだろ~
女子高生の女王様と犬の関係にも
納得できない
長いだけの凡作
2.2点
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長い。出てくる登場人物がどいつもこいつもベラベラベラベラ大演説して、描写は「と頷いた」「〜は首を振った」。大衆小説ってラクラクだな!