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あやつられた学校 みんなのレビュー
- ジリアン・クロス (作), 安藤 紀子 (訳), 飯田 貴子 (絵)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:偕成社
- 発行年月:2000.11
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紙の本
こんな学校あったらどうしますか?
2005/07/19 06:21
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリスのある町。元気のいいロイドとおとなしいハービー兄弟が暮らすハンター家に、11才のダイナ・グラスがやってきた。ダイナは1才で両親を亡くしてから、こどもの家で暮らしていた。
ダイナは転校第一日目校長室で奇妙な体験をする。緑色の目を
した黒ずくめの校長先生が、黒い眼鏡をゆっくりと外す。
話し始めると、その後の記憶を失ってしまったのだ。
SPLATのメンバー達が、謎めいた校長の陰謀を暴くメインストーリーに、同い年の女の子ダイナの出現に戦々恐々のロイド、兄に同調するハービー、自分の才能を隠す事が処世術だと割り切っているダイナ達3人の心のふれ合いが、並行して描かれる。
校長先生の野望達成の方法として利用される、学校対抗クイズ・ショウの馬鹿馬鹿しさにはに、それを止める方法の馬鹿馬鹿しさに、大いに笑うも良し。でも、ちょっと考えてみよう。
校門から一歩入れば、学校の中は治外法権。大人は先生しかいない。そして、学校外の大人がまず信用するのは、まず大人。たとえ、ほんのわずかの生徒—子供達が、真っ当な事を言ってたとしても。現実ってそうじゃない?
だとしたら、私達の知らない所で、実はこんな企てが深く静かに進行中かもしれない。
ほうら、笑ってる場合ではないでしょう?
子供達に謎解きの楽しさを教えてくれる一方で、見かけのまともさ、正しさに惑わされがちな大人に、軽いジャブ。
集団催眠、洗脳というテーマが、柴田昌弘氏漫画『ハトの旋律』と似ている。
本書は1982年に出版され、ミュージカルにもなり、1996年にTV放送されビデオ化もされたシリーズもので、全5册。
紙の本
悪魔のような校長の無気味な影。学校では彼のおそろしい計画が進行中・・・
2000/12/18 14:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Misa - この投稿者のレビュー一覧を見る
『悪魔の校長シリーズ—あやつられた学校—』な〜んてタイトルだと、つい手にとってしまうじゃない! それで、中味がつまらなかったりすると、すごーく腹が立つけど、この本は大丈夫! 話のテンポもよくって、ハラハラ、ドキドキしながら一気に読めちゃう。かなりイイ線いってると思うよ。(イギリスでは、テレビ放映され、ビデオもつくられ、ミュージカルにまでなってるんですって!)
この話の舞台は、イギリスのとある町。5歳から13歳までの子ども達が通う学校。この学校に転校してきたダイナは、笑い声もふざけ声も聞こえず、なにもかもきちんとしすぎている生徒達の様子を見て思った。「この学校、なにかがおかしい」 そして、連れていかれた校長室。紙のように白い顔、雪のように白っぽい金髪、黒ずくめの服に黒めがね。校長はそのめがねをゆっくりはずすと、青みがかった緑色の大きな異様な目でダイナを見つめ、静かにうたうように言った。「きみはとてもつかれていて、手足をほとんど動かせない。こっくりこっくりしだした・・・」
そう、校長は催眠術師だったんだ。そして、この学校では、彼のおそろしい計画が進行中だった。
全編を通して聴こえてくる校長の無気味な影と陰謀の通奏低音。その陰謀を打ち砕こうとダイナと仲間の5人の生徒は五線譜上を目まぐるしく動きまわり、さまざまな音を奏でる。勢いのいいマーチやすばらしいハーモニーばかりじゃない。はずれた音や不協和音もいっぱいでてくる。
1歳で両親を亡くし施設で暮らしていたダイナ。ハンター家の養女となり、目立たずみんなとうまくやっていくために、自分の頭のよさやリーダー性を隠しておきたかった彼女が、校長の陰謀に巻き込まれ、悩み迷いながらも、仲間のなかで力を発揮し、成長していく姿は魅力的。また、ダイナを迎えたハンター家の男の子二人。同い年のロイドと4つ年下のハービーの戸惑いや反発、嫉妬、羨望、やさしさといった心の動きも、とてもうまく描き出されている。(人とのつきあい方のハウツー本としても使えるかもしれない。)
著者のジリアン・クロスは、この作品に、集団催眠・洗脳の恐ろしさといった現代的問題、秩序と自由の対比、不正を放置せず戦うことの大切さなどを、わかりやすく織り込み、ミステリー仕立てのこわくてたのしい物語に仕上げてくれた。続くシリーズ4冊もたのしみ!
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