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紙の本
絶妙の訳文に一読三嘆
2004/04/26 04:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:風花 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴシックホラー調のモノクロの絵に、短歌形式の訳文。
訳文の上に、韻を踏んだ原文2行。
ヴィクトリア朝の屋敷に暮らす一家の中に、ペンギンの変種?
みたいな変てこな生き物が突然やって来て、居座るという話。
最初読んでいった時は正直、なんじゃこりゃ???
でも、シュールでブラックな奇妙な話と絵が、後からじわじわーっと
効いてきたみたいな、妙な毒というのか? インパクトがあります。
原題の The Doubtful Guest を「うろんな客」と訳すセンスの良さ。
短歌形式の訳文、殊に最後に置いたフレーズの着地の心地よさ。
柴田元幸さんの訳文が見事で、クセになりそうな面白味がありました。
うろんな客のことでちょっと気になったのは、彼?が履いている白い靴。
よっぽど気に入っているんだろうね、一度もこの靴を脱いでいないぞ。
きゃつと白靴との共生関係?みたいなのも、みょーに気になるなあ。
おしまいに短歌らしきものをひとつ。
つれづれに ゴーリーの絵本 手にとれば
毒にあたりて 酔眼朦朧
紙の本
柴田さんの訳が素晴らしい
2023/01/18 21:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
うろんな客、つまり怪しい客。ゴーリーのナンセンスな絵だけでも十分面白いが、柴田さんが和歌調でつけた日本語訳がまた素晴らしく、絵と絶妙のバランスで心に響く。ゴーリーが好きな人はやみつきになると思う。
紙の本
絵と文が一体化して味わいを生み出している。
2015/10/02 10:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴーリーの、とぼけたような、それでいてどこか不気味な気配も漂っているような、何ともいえぬ味わいのある絵と、柴田元幸訳による五七五七七の詩が見事にかみ合っている。〈うろんな客〉はきょろんとした目に大きめの足を持つ、見た目鳥のような二足歩行動物。その行動は、駄々っ子のふるまいのようなもので、絵と詩と両方で描かれるそれに時々吹き出したくなるおかしさがある。実際、最後の一文からもこの〈うろんな客〉は子ども一般を差すという見方が強いだろうが、まぁそんな理屈は考えなくとも楽しい一冊である。
紙の本
翻訳がすばらしい
2002/07/09 00:15
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投稿者:tk92 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴーリーの奇妙な世界もおもしろいが、訳者の翻訳も素晴らしい。原文は2文くらいの通常の英文であるのに、すべての日本語訳は短歌調で記されている。ただ短歌調で記されているだけではない。それぞれの歌の句の並び順は実は原文の英語とほとんど同じ並びなのである。だから、読者はただ日本文を読んでるにもかかわらず、知らず知らずのうちに原文を読んでいるのと同じ感覚で読むことができる。こんなに素晴らしい翻訳に私は出会ったことはない。その中でも、私は次の歌が好きだ。
ふと見れば 壷の上にぞ 何か立つ
珍奇な姿に 一家仰天
ゴーリーの奇妙な世界を、訳者が苦心して作り出した短歌で楽しむ。何度も読んで味わえる、ぜいたくな本です。確信を持っておすすめできる本です。