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アリストテレスの正義論 西欧民主制に活きる法理 みんなのレビュー
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紙の本
入門者にも専門家にも向く不思議なコンパクトな正義論
2006/09/04 03:15
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルケー - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常にコンパクトな学術的な正義論である。全頁の三分の一を使って正義論を説く。では残りの三分の二は何が書かれているのか。目次があるからそれを参考に。
第一章は正義論とはほとんど関係のないアリストテレスの入門的概論。では、なぜこの部分を書いたのか、著者はフランス法の専門家であるから、この部分は自分のアリストテレス研究の成果であり、しかもフランス系の書物と日本における入門、初歩的研究の成果をまとめたものではないか。従って第一章はアリストテレス入門書として価値があり、よくまとまっていると思う。それ以上でもそれ以下でもない。
第二章はこの書物の正義論の主題であり、『ニコマコス倫理学』第五巻が正義論の題材として取り扱われる。第一章とはがらりと変わって大変実証的な研究である。フランス法の研究者がひとりで取り組んだユニークな論が展開される。「正義の実現は、古代ギリシアの思想家たちが意をそそいだ最大の問題だった」であり、その理解が西欧法の特質の把握に連なると著者はいう。この言うちに著者の立場と主張がよく出ている。むつかしいことは書いていないので読んで見る以外ない。なぜなら著者自身がこのようのものはこれまで書かれたことはないといっているから、門外漢が内容についてとやかくいう資格はない。
第三章以下はおまけというところであろうか。
どんな立場あるのか理解していただくために第二章で著者が挙げている参考文献の著者名を何人かあげる。まず、原典はLoeb叢書。Glotz、 Hansen Humbert、 Gauthier et Jolif、 Heath、橋場、伊藤、岩田etc. 専門家にはこれでけでも十分内容が読み取れるかも知れない。全くの入門者にも専門家にも読める不思議な書物である。
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