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パートナーがいる、満ち足りたぼく。しかし、とある気球の墜落事故で一緒になった男が、その日から執拗に付きまといだした……他でもない、ぼく自身に。
執拗につきまとい愛を主張する男の狂気。次第に追い詰められるぼく。冷静な読者こそが引っ掛けられそうな展開。
筋としてはもう一味欲しいけれど、狂気の描き方は文句なしの作品。
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・ジョー、クラリッサ、ジーンらのこれまで続けてきた愛が変化していくなか、
パリーだけが変わらぬ愛を実現している姿の異様さが見事に描かれている。
●パリーの愛は、愛と呼べるのだろうか。不変性という点では、愛に違いない。
・P156 ド・クレランボー症候群(イギリス国王に恋するあるフランス人女性の症状例)
女性は王が自分のことを深く愛していると思い込んでおり、その愛に応えるために宮殿の外に立ち続けた。
宮殿のカーテンが揺れるのを王からの秘密のメッセージとして理解した。
王と女性の間に面識はなく、王は当然女性のことを愛していなかった。
●パリーからジョーへの手紙に込められた想いは愛と狂気に満ちている。
P117、P167、P306
☆きっかけは本読みHP
読了日:2010/03/09
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相手が自分のことを愛していると確信して疑わず
どんな否定の言葉も受け入れずに自分の妄想の枠から外れずに生きていけるなら
そういうのもありなのかもしれない
と、最後の付録Ⅰ、Ⅱを読んで思った
「最も持続する愛のかたちであり」だって
「○×症候群」
て、どれも興味があります
自分は当てはまらない、と思っても、
でも皆、発芽してないだけで種を持ってるんだと思う
生まれつき
私は何となくクラリッサと同じ視点で観ていました
最初から過剰反応しすぎじゃね?
とか
自身がそういう方向に持ってったんじゃないの?みたいな
マキューアンの『土曜日』を読んだときも思ったけど
いろんな大事件の原因を突き止めていくと
発端が分子や原子レベルにまで持ってかれる気がして面白い
後半、雑木林の中でうんこしながら土を手にしてその中の宇宙を思い描いたり
水の構造から雫、川、海へという流れを子供にといてやったりするシーンがあるから
そう思うんだけど
この作品は思い浮かぶ映像が、スローになったり止まったり
映画を観てるみたいって思ったら、既に映画化されていた
『Jの悲劇』というタイトル
レンタル屋さんにあるかなあ
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「Jの悲劇」原作。
映画先行なので大変読み易かった。
違いを探すのも楽しい。
ド・クレランボー症候群の例はよく耳にするような。
原因は一体なんやろか。充分な愛情を与えられなかったから?
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だいぶ前に読んでいて、内容だけを強烈に覚えていた本。
気球事故から始まる、怖い話。
「ド・クレランボー症候群」