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ドン・キホーテ 前編1 みんなのレビュー

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みんなのレビュー58件

みんなの評価4.1

評価内訳

55 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

圧倒的に狂騒的な喜劇

2003/06/18 21:01

13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る

四百年前に書かれたこの小説は、知名度と読まれている割合が反比例していることでも有名な作品だ。みんなが知っているこの有名な話を今更、しかも文庫本六冊にもなる冊数を前にして読む気がなくなってしまうというのも分からない話ではない。

しかし、本当にそうだろうか。

冒頭はこうだ。
ある名も忘れられた村に住む一人の郷士がいた。その男、暇を見つけては騎士道物語を読みふけり、蔵書は膨大な数になっていた。そして騎士道物語好きが高じて、ついには自らも騎士になるべく出発するのだ。この時点ではドン・キホーテは実はまだ騎士ではない。「狂気によって自らが騎士であると思い込んだ」、という説明がなされる時があるが、これは重大な間違いを含んでいる。彼は現実の腐敗ぶりを正そうとして、騎士道物語で活躍する騎士に自らを擬して社会に打って出ようとしているのである。その為、まず彼は騎士に必須の恋い慕う姫を捏造し、ある旅籠を城と見なし、宿の主人に騎士の叙任式を執り行わせるのである。これが狂人の行いだろうか。

「ドン・キホーテ」の物語とは、その空想的とも言える試みと現実との対決なのである。そこで彼はうまくやりおおせたり、手痛い失敗を喫したり、さまざまな活躍を見せる。古典といっても(ゆえに?)エンターテインメント的な物語性も充分だし、素っ頓狂なドン・キホーテとサンチョ・パンサとのやりとりはとても滑稽であり、深い洞察も垣間見せる。

そして、この小説が本領を発揮しはじめるのが(後篇)である。(前篇)の物語は基本は非常に単純で、一度旅に出たドン・キホーテが、みんなに騙されて郷土の人間に故郷の村まで連れ戻されるところで終っている。(後篇)はその直後から始まる。
(後篇)の最初の大きな特徴は、(後篇)の物語世界では、「ドン・キホーテ」の活躍を記した書物が広く出回っているということになっている点である。そして、ドン・キホーテは自らが主人公となっている書物に目を通すのだ!

(後篇)では、そのような奇想が随所に現われ、(前篇)とは毛色の異なる世界を作りだしている。一貫してドン・キホーテ以外のものには単なる畸人、狂人でしかなかったドン・キホーテが、ある富豪のいたずらで、まったき騎士として歓待されたり、ドン・キホーテがサンチョを連れてくる時に条件として提示した「サンチョを島の領主にする」という口約束が実際に実現してしまう下りなどは(後篇)のまさに白眉である。

このなかで狂人と正常人との単純な境界はどんどん崩壊していく。サンチョが島の政治に非常に有益な決定をしたり、ドン・キホーテがサンチョに影響されはじめたり、その当時セルバンテスの(後篇)より先に出版されたアベリャネーダの贋作の登場人物を本篇に登場させ、ドン・キホーテたちと対話させたりするなど、上下の関係や異常正常、虚偽と真実、贋作と真作の垣根をどんどん踏み跨いでいくような狂騒的な空間が現出する。

(後篇)はほとんどメタフィクションである。小説が小説であるという約束事を暴露し、パロディ化するような作品だ。そもそもこの作品は、騎士道物語のパロディである。ドン・キホーテが騎士道物語の読み過ぎで騎士になろうとした、という冒頭に提示されているように、その意図は明確で、いつでもドン・キホーテは騎士道物語のお約束を口にし、その通りに行動しようとするが、だいたいその行動は失敗か滑稽な落ちが付く。

ドン・キホーテの行動は当初、誰もがバカにする行動であった。しかし、それは単にバカにされるだけのものではない。ドン・キホーテが口にする言葉に人々がつい納得したり、説得されたりし始めるのにつれ、笑っていたものが笑われる立場に立たされる。バカにしていたものが安閑としていられなくなる。そこに出現するのは単なる「諷刺」ではない。「喜劇」だ。

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紙の本

名前くらいは誰でも知っていると思う。

2002/11/28 21:55

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドンキホーテという作品は有名だが、読んだことがあるという人は知名度の割に少ないのではないだろうか。
一つには、ドンキホーテがスペインの文学であり、翻訳でしか読めないというのもあるだろう。
確かに翻訳書はその魅力が、翻訳者の能力、語学、表現力に大きく依存しているところがあるし、翻訳者の能力が芳しくない場合、本を読むことが苦痛になることもあるが、この点、この作品は極めて平易で読みやすい翻訳がなされていると思う。
原作にどれだけ忠実かは原書をスペイン語を読めないので何とも言えないが、少なくとも重厚さを残しつつ翻訳がなされている。
内容自体も意外と濃い内容で、有名なドンキホーテが風車と闘うシーンの他にも、ドンキホーテが各地で起こす荒唐無稽な物語は、一面失笑してしまうようであり、しかし、本質を突いた様な主張ばかりで、エンタテイメント性以外でも読む価値を認めることができる。
長いので、なかなか読み切れないが、簡単に読みたいのならば、同翻訳者の少年文庫版をお勧めする。

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紙の本

近代小説

2013/05/17 17:04

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、司祭の三人は最後までかみ合わない。理解しあわない。(オデュッセイアではなく)イーリアスと比較してみると、面白いかもしれない。いつも冒険は、狂気或いは偏執に依って始まるものかもしれないなぁ。但し、日常も何かしらの妄信に支えられているもので、妄信を互いに確認しつつ生きなきゃならない。ご苦労様。数年でも、異教徒の捕虜として生きたセルバンテスだから書けたものかも。理解しあわずに共に生きる、理想を超えて共に生きる、難しいような、当たり前のような・・・愉快な小説です。

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紙の本

騎士を自称するおっさんの勘違い冒険譚

2021/07/09 22:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ななし - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトル通りです。騎士道物語の読み過ぎで自分を騎士だと勘違いした50すぎのおっさんが冒険の旅に出ます。彼は、巡り合う人・もの・出来事の全てを、自分の妄想(騎士道物語)に組み入れようとします。その試みと現実とのズレがとにかく笑えます。

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紙の本

この作品は読まないと

2019/01/28 17:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

セルバンテス氏の名作をやっと読了した。前篇を読み終えたあたりで脳出血を起こしてしまい時間がかかってしまった。この作品は16世紀後半から17世紀前半にかけて書き上げられた作品だが、けっして色あせることなく今でも世界の文学の中で最高峰の一つとして世界中の人に認識されている(17世紀初頭の作品が今でもいろいろな言葉に翻訳されてきているという事実がこの作品のすごさを物語っている)。ドン・キホーテとサンチョパンサの絶妙な掛け合いや贋作に対しての作中での扱いなどは到底現在の作家ではまねできないものだろうし、何をしたところでセルバンテス氏の遅い二番煎じでしかないのだから

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2008/11/08 00:36

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2008/06/16 00:40

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2009/05/09 21:25

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2010/04/28 23:57

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2012/08/04 13:34

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2010/05/17 11:09

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2011/02/09 21:52

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2011/05/27 10:44

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2011/07/12 13:44

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2011/12/13 21:39

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