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紙の本
学者たちの半生を綴ったような文章から、学問のおもしろさを感じとることはできるのか
2001/05/05 16:06
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投稿者:canalina - この投稿者のレビュー一覧を見る
それぞれの著者の、人生を引きずった語り口の違い(永井均とか高山宏とか町田宗鳳とか)がおもしろく、とりあえず一気に通読できたけれども、興味が持てたのは三分の一くらい。それも学問とは関係のないところで「おもしろい」と感じてしまいました。
したがって、表題通りに「学問はおもしろい」と感じ、副題通りに「<知の人生>へ出発」する人が出るかは少々疑わしい。学問のおもしろさを、こういう有名な学者たちの半生を綴ったような文章から感じとることは難しいし、もしもそこに学問のおもしろさを嗅ぎ取ってしまった人がいたとしても、そういう人こそ学者にはふさわしくないような気がします。
この本のもっとふさわしい題名は「大学教授はやめられない」でしょうか。「ホームレスはやめられない」とか、あるいは「不法入国はスリリング」や「結婚詐欺で食べていける」などの「おもしろさ」と質は同じだと思います。ということで、もしもこの23人の著者のなかの誰かのファンであって、その人だけが目当てだというならば、立ち読みで十分でしょう。
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