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紙の本
またぞろ航空機大事故が起こるかもという,警告の書
2001/05/07 18:17
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投稿者:寒河 龍太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機の事故は悲惨極まりない。だから,航空会社はどこも「安全の確保」には力を入れている。しかし,あの日航ジャンボ機の御巣鷹山事故から15年たったいま,“事故の教訓”が風化して「再発防止の監視」が形式的になり,またぞろ大事故が起こっても不思議ではない状況になっていると,著者は警告する。航空会社とそれを指導監督する立場の政府(国土交通省)の,安全管理に対する姿勢がはなはだ頼りないものになっている,とも主張している。
日本航空という,我が国を代表する航空会社で,長年にわたって「事故処理担当」業務をつとめた人物が書いたものだけに,肌寒さを覚えるほどの衝撃を受ける。
1982年2月9日,福岡発羽田行き日航DC8型機が羽田空港着陸直前,海上に墜落大破,乗客乗員24人が死亡,149人が重軽傷を負った。「逆噴射」という言葉が流行語になった事故で,精神分裂病の機長による異常な操縦が原因だとわかって,世間を驚かせた。著者は,この機長が5年以上も精神状態が極めて不安定で,たびたび異常な行動をとっていたのに,上司,同僚,組合,会社の医師など,周囲の関係者がほとんどなにもしなかったと指摘,「思いやり」の欠如,ことなかれ主義が事故の真因だったと説く。
さらに,まだ記憶も新しい2001年1月31日,静岡県焼津上空で起こった日航機どうしのニアミスについても詳述している。航空史上最悪の空中衝突寸前という,背筋の寒くなるような事故だったが,これは航空管制官の混乱した指示がきっかけだった。
著者は「安全管理体制を常時完全な形で維持するには金がかかる」ことは十分承知のうえで,「(航空会社は)旅客の命を脅かすような不安定要素を,常に事前に積極的に排除する責務がある」とし,さらに,「安全検査を行う能力がないのに安全性確認の検査を行い,事故が発生すればすべて企業側の責任にしてしまう行政官庁」にも厳しい目を向けている。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
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