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紙の本
おやじ旅情「世界が好きだったなあ」
2003/02/17 23:49
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰しも旅先で少しばかり神経質に、というかおセンチ(死語)になってしまうことはよくあると思います。しかしこの元芥川受賞の純文学作家、行くところがいちいち変です。
オーストラリアのエアーズ・ロックはまだしも、トルコ奥地のカッパドキア(ってどこよ)、中国は杭州西湖に、タクラマカン砂漠。ふつー行かないって、そんなとこ。
目的地に辿りつくまでにもうほうほうの体で、神経が高ぶっている上に、目前に広がるのはこの地上においても驚異的な光景なのだから、いろいろ幻視してしまうわけです。
そうですか、視てしまいましたか。自然と人間の、いやさこの宇宙の成り立ちの秘密を。
それは荒野の風の中にあると、アボリジニの名も無い老人が無言で語った。砂の一粒一粒の中にあった。岩の尖塔に刻まれた同心円の中に。文化大革命を生き延びた史書の言葉の中にあった。
純文学ってのはたいしたもんで、宇宙を語りながらも女も語ってしまいます。うう、それじゃただのエロおやじだろって。だから、晴海の埋め立て地でライダーのおネエちゃんをナンパする幻想まで視てしまうわけだ(小説「夢の島」)。でも、カラスの鳴き声に応えてカーと叫んでしまうところは、人に見られない方がいいです。
いいなあ、この奔放な想像力。とうとう火星の荒野まで視てしまう、バイキングの映像でだけど。
こういうおやじに私はなりたい。
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