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みんなのレビュー22件

みんなの評価4.5

評価内訳

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22 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

日本人が忘れてきたもの

2002/04/06 12:20

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投稿者:片桐真琴 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 敗戦直後の日本の社会状況を概観した上巻に引き続き、この下巻は天皇の戦争責任をめぐる駆け引きや新しい憲法の制定をめぐる政治状況、東京裁判に代表される戦争犯罪追及の状況を概観している。さすがにピュリッツァー賞を受賞した作品だけのことはある。膨大な資料を読み解き、その当時の時代の雰囲気や生き馬の目を抜くような交渉のありようを巧みに描ききっている。これだけの大作で、テーマも重いものであるにもかかわらず、最後まで一気に読ませる著者の力は並大抵のものではない。特に新憲法制定をめぐる場面は、それに関する本をこれまで何冊も読んできたが、最も優れたものであると断言できよう。戦後の日本を語るのにもはや本書抜きには語れない。

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紙の本

戦後の日本人を冷静に分析する温かな視線

2001/09/22 01:37

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投稿者:フォックス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 風俗史の雰囲気が強かった上巻から、下巻はいきなり天皇の戦争責任の話になる。戦後の日本人がいかに論理矛盾を起こそうとも、天皇を戦後復興のための中心に据えようという涙ぐましい努力がジョン・ダワーによって冷静に語られる。当然ながら日本人なら自然に染み付いているような天皇へのタブー視もない。この時期の日本ではさまざまな価値観がドタバタを演じていたことを的確に分析している。
 戦後は8月15日に思い出すだけの歴史の一ページになりつつある。そんな軽いものではないはずだ、ということを感じさせてくれる、最高の戦後史研究書だ。

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紙の本

現代への遺産

2002/04/27 19:58

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投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る


 上巻が敗戦後の民衆と文化と革命をめぐる過去の物語であったとすれば、「さまざまな民主主義」(天皇制民主主義、憲法的民主主義、検閲民主主義)と「さまざまな罪」(勝者による戦犯裁判、死者に対する懺悔)と「さまざまな再建」(占領軍の経済政策)を取り上げた下巻は、政治と経済をめぐる現代の物語である。

 上巻に収録された写真が何かしら懐かしさを喚起する「記憶」のインデックスであるのに対して、下巻のそれ、たとえばマッカーサー元帥と天皇裕仁の初会見時の写真や戦争犯罪人の絞首刑の写真は、あまりに身近すぎて客観化できない無意識あるいは起源神話ともいうべき「忘却」を形象化するアレゴリーである。

 ──敗戦と占領を経て現代の思想状況や社会システムのうちに引き継がれたものを端的に言い当てる言葉は「ダブルスタンダード」と「ハイブリッド」であり、それは歴史家によって次のように表現されている。

《この検閲民主主義は、イデオロギーを超越した根深いところに遺産を残した。表向き「表現の自由」を謳うなかで実施された秘密検閲システムと思想統制が、戦後の政治意識になんの害ももたらさなかったと、ほんとうに信じる人などいるだろうか? 屋根のてっぺんで「表現の自由」の旗を振りたてながら、その一方で、マッカーサー元帥の批判も、SCAP当局の批判も、巨大な占領軍全体の、占領政策全般の、アメリカをはじめとする戦勝連合国の、戦犯裁判における判決はもとより検察側の弁論の、買った側が実利的な理由から「ない」と決めた天皇の戦争責任の、ありとあらゆることの、批判を徹底的に抑えこんでおきながら?(中略)
 この観点からみると、この「上からの革命」のひとつの遺産は、権力を受容するという社会的態度を生きのびさせたことだったといえるだろう。すなわち、政治的・社会的権力に対する集団的諦念の強化、ふつうの人にはことの成り行きを左右することなどできないのだという意識の強化である。征服者は、民主主義について立派な建前をならべながら、そのかげで合意形成を躍起になって工作した。そして、きわめて重要なたくさんの問題について、沈黙と大勢順応こそが望ましい政治的知恵だとはっきり示した。それがあまりにもうまくいったために、アメリカ人が去り、時がすぎてから、そのアメリカ人を含む多くの外国人が、これをきわめて日本的な態度とみなすようになったのである。》

《…二一世紀への戸口にある日本を理解するためには、…一九二○年代後半に始まり、一九八九年に実質的に終わったひとつの周期に注目するほうが有益である。数十年間のその年月は短く、かつ暴力と変化に富んだ時期であったが、これを精密に観察すれば、戦後「日本モデル」の特徴とされたものの大部分が、じつは日本とアメリカの交配型モデル a hybrid Japanese-American model というべきものであったことがわかる。このモデルは戦争中に原型がつくられ、敗戦と占領によって強化され、その後数十年間維持された。そこに貫いていた特徴は、日本は脆弱であるという絶え間ない恐怖感であり、最大の経済成長を遂げるためには国家の上層部による計画と保護が不可欠だという考えが広く存在したことであった。この官僚制的資本主義は、勝者と敗者がいかに日本の敗北を抱擁したかを理解したときはじめて、不可解なものではなくなる。敗戦直後に流布したユーモラスな新語を借りて言えば、いわゆる日本モデルとは、より適切には「スキャッパニーズ・モデル a SCAPanese model[総司令部と日本人の合作によるモデル]」というべきものであった。》

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紙の本

真の平和とは

2001/07/13 04:41

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投稿者:TP_ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 戦後から50年以上の月日がたった。現在になってようやく日本にも精神的な自立の芽生えが現れつつある。この本は日本の戦後50年がいかにして作られたかを示す貴重な資料である。
 敗戦後日本に渡ってきたGHQによる支配。その中でこの国をこれからどうやって立ち行かせるか、そしてどれだけ自分たちの理想を込められるか、多くの苦難があっただろう。しかし、これらの理想は自分たちの国では決して成し得ない理想であった。自国ではとてもできない理想を当時の進歩的な人々がこの国でやったのある。そして大戦後、戦争に飽いた人々の願いが込められている。
 だが、真の平和とはなんだろうか。かたや戦争を放棄し、他国の軍事力に守られるという、二重構造をもつこの国は果たして平和を守っているといえるのだろうか。我々自身が平和を求める国民だというのなら、我々の意思で平和を求める国を作らねばならない。
 それは天から与えられるものではなく、自身の内発的欲求に拠るものでなくてはいけないのではないか。

 日本人の自立は自身の手で憲法を作る時から始まるのではないでしょうか。

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紙の本

第二次世界大戦直後の日本人の生き生きした姿を甦らせる傑作

2001/07/05 12:17

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投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本人が最も輝いていた時代はいつだろうか? 私の頭には、二つの時代が浮かんでくる。明治初期と第二次世界大戦終了直後の時代である。明治初期を代表する作品は、福澤諭吉の『学問のすゝめ』であり、『文明論之概略』であった。敗戦直後を代表する作品は、多様で数も多い。丸山眞男の日本政治論を扱ったいくつかの論文がその中に入ることは確実だろう。ともかく、日本人が本気で物を考え、本気で物を言った時代であった。

 本書は、歴史上未曾有の敗戦という体験をした直後の、マッカーサー支配の時代の日本人の生き生きした姿を歴史的に堅実な筆で活写した文字通りの傑作である。相当の分量の書物だが、一挙に読了してしまえるほどの面白さである。この時代を扱った歴史書というと、社会風俗を平板に書き流した記述になりがちだが、本書を支える歴史家の手堅い手法がそのように安易な方向に流れることを防ぎ、強烈な現代へのメッセージを与える著作となりえている。

 この時代を彩る言葉は、反戦と民主主義であった。しかし、その2つの価値は、マッカーサー司令部の政治的思惑と、依然として戦前の天皇制の護持にしがみつく日本の保守政治家の間の綱引きで揺れ動いていた。労働者を中心とする日本人は、熱心にその隙間を狙って、自らの解放の方策を考えた。しかし、その隙間は、朝鮮戦争という形で吹き出した冷戦という栓によってたちまちのうちに塞がれてしまった。が、天皇制は残されたものの、世界で稀に見る理想主義的な非戦と男女平等を謳い上げた憲法がいまに伝えられることになった。本書はまた、戦争直後のアメリカ軍の日本占領の時期が当初からもっていた問題点をも浮き彫りにしている。たとえば、原爆についての発言を禁ずることなどである。

 朝鮮戦争のあと、日本は高度経済成長の波に乗り、さらにはバブルに浮かれ、反戦と民主主義という敗戦直後の理想を次第に忘れてゆくことになった。そしていま、理想を忘れた政治学者が日本人に向かって説いているのは、「普通の国家」になれということである。すなわち、軍隊をもち、天皇を敬愛する従順な「臣民」のいる政治的枠作りをやれということにほかならない。

 この傑作を読み終わって、私は考えた。どうしてこのような書物を日本人学者が書くことができなかったのであろうか、と。その答えは、多様であろう。占領期の史料はアメリカ人学者が利用しやすいこと、天皇制に対するタブー意識がないこと、等々である。

 本書は、アメリカ占領期の日本人を「戦争の敗者」にはなったが、「平和の勝者」になりうる存在として描いている(下巻、326頁)。現在の日本は岐路に立っている。理想を喪失し、「平和の敗者」になってしまわないよう心がけようではないか。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.07.06)

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2010/08/15 13:17

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2018/03/31 01:40

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2011/12/19 00:13

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2018/10/10 23:02

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