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電子書籍
「ガールフレンド」と別れたの、良かったんだね
2019/01/24 04:54
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投稿者:Fortheseventhgeneration - この投稿者のレビュー一覧を見る
バイトに来てるトルコ人の女の子が、「今、村上春樹読んでるんです」って言うんで何読んでるのって聞いたらこの本だった。もちろんトルコ語版だ。
そういえば30年以上前に「ノルウエイの森」読んだ。でもそれ以来、彼の小説読んだことなかったナ。
さっそく買って読んでみた。あっという間に読み終わった。ふむふむ、なかなか勉強になった。
正直に言うと、ミュウの観覧車事件のとことか、好みじゃないんでキツかったんだけど、終盤の描写とか、とっても印象的で、もしかしたら私たちにだって、そんなこともありうるんじゃないかって思うくらい、人の心の不思議さも感じた。
今度、あのトルコ人大学生の女の子の感想も聞いてみよう。
紙の本
村上作品、初読み
2018/11/19 11:34
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投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は最後まで名前がなく不思議な読了感の作品。スプートニクという言葉も知らない状態での初村上作品。小難しそうで敬遠してましたが、読んでるうちにグングン引き込まれた。恋愛小説でもないし、ファンタジーでもない、不思議で心に残る物語でした。にしても、カトリックの学校であんな風に人間だけが優れていると教えるのはどうなんでしょうか?15歳の女の子なら確実に引くよね…。主人公が喫茶店で教え子のニンジンに一方的に話すシーンが印象的。村上作品もっと読んでみようと思う。
紙の本
ノルウェーの森 B面
2017/02/28 15:59
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
村上春樹が得意とする「向こう側の世界」がギリシャやスイスを舞台に、不気味に、かつ幻想的に描かれている。多くの人が指摘しているけれど、『ノルウェーの森』の同工異曲というか、サイドBのような印象も抱かせる。主人公の「すみれ」が小説家を目指していることもあり、村上春樹の小説論としても読める。ものを書くこと、考えることに誠実であろうとするすみれに好感を持つ。終盤で出てくるスーパーの警備員は、『1Q84』の(あるいは『ねじまき鳥』の)牛河を彷彿とさせる鋭く粘着質な男で、特に印象に残った。惜しむらくはラストがやや唐突なこと。
紙の本
孤独を共感するという形で孤独を乗り越える道
2010/02/15 00:45
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投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のすみれは小説家志望の22歳の女性だ。小学校教師である「僕」はすみれを愛し、性欲を抱いているが、すみれは「僕」を性の対象としては見ない。すみれは17歳年上の女性ミュウを愛し、性欲をおぼえるが、ミュウはだれにも性欲を感じない人間である。
お互いにお互いをとても大切に思いながら、どこかですれちがい交わらない。ミュウは「本当の自分」を「むこうの世界」に置いてきてしまった、と感じている。すみれもまた、「むこうの世界」に行ったまま姿を消してしまう。(「むこうの世界」とは、村上独特のパラレルワールドなのだろう)だれもが真っ暗な宇宙を永遠に飛んでいる人工衛星のように孤独である。
すみれを失った「僕」は孤独にさいなまれる。
万引きを繰り返す教え子の小学生に対して、大事な人を失った自分が孤独であることを一人語りのように語る。そのとき、固く口を閉ざした子がわずかに心を開く。
人間は孤独である。でもその孤独を自覚し、他者に対して自らの口で真摯に語るとき、孤独を共感するという形で孤独を乗り越える道がわずかに残されているのではないか--。
そんなことを伝えようとしているのではないか、と思った。
紙の本
あちらがわ、こちらがわ
2001/06/25 21:32
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投稿者:バイシクル和尚 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「すみれ」にとって人生の全ては小説であった。おしゃれも恋も人付き合いでさえも無関係のこと、小説を読み、書くことがすべてであった。そんな彼女と友達であった「僕」は完全にすみれに恋をしていた。しかしすみれにとって「僕」は完全に友達であった。すみれを抱き愛し合いたいと願う「僕」とは正反対に、すみれは性欲すら無かった。そんなすみれの人生が180度転回する出来事が起こる。すみれは恋をする、当然に性欲を伴った恋を。ただその相手は13歳年上の「ミュウ」という女性であった。すみれは初めての、しかも同性を相手とする恋に迷い、喘ぎながらも幸福を感じる。しかしすみれの欲望が頂点に達したとき事件はおこる。
僕とすみれとミュウ、それぞれの外的世界と内的世界での葛藤と錯綜。村上春樹自身が言うところの「あちら側の世界」がテーゼとなっている物語である。小説というファクターが中心に据えてあることもあって、著者独特の表現が所狭しと現れてくる。その点でいえばファンは十分に満足できるだろう(しかし私は村上春樹の「たとえ」方が大好きではあるが、いささか胃もたれぎみ)。ストーリー展開はさすが絶妙で、ある意味サスペンス的な楽しみもできた。ページを早くめくりたいという衝動で、あっという間に読んでしまった。ただそれだけにラスト(スパート)のあっさり感には少し不満が残った。
おいてけぼり感、確信犯的なものなのか、もっと「考えろ」ということなのか、それもこの小説の楽しみ方の一つか。