紙の本
2001/06/10朝刊
2001/06/13 22:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自動車事故に限らずスキーやゴルフなどで、誤って加害者となる可能性はだれでもある。その時、もし被害者が高額所得者なら、自らの生活が脅かされるほどの高額な賠償金が課せられるのが現状だ。本書は、その基準となる「命の値段」の算定法などについて、平易に解説した。著者はかつて航空会社で、事故の遺族との賠償交渉などを担当した。その経験から、現行の賠償制度が、懲罰を重視し過ぎて、被害者側の生活の補償の点から著しくかい離していると指摘する。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
そもそも命に値段をつけられるのか?から始まって、請求権の発生原因やら、請求権者の説明まで、思ったよりも広い視点から書かれてた。
メインは、もちろん損害賠償がどういう理由でいくら出来るのか?ってことの説明。
ライプニッツとか、ホフマンとかのヤツ。
けっこう具体的なパターンが紹介されているので、おおよその目安が分かってなるほどねーと。
もっとも、筆者のもっとも言いたかったのは、現在の損害賠償のシステムの問題点だったみたい。主に、「相続を基本とする請求権者の定め方は賠償をしなくてもいいひとにまで賠償するものとなっている」ということと「過大な損害額は、加害者に不当に過酷な義務を負わせるものになってしまっている」という点。
どちらの問題点についても、分からなくはないのだけど、筆者の論理には多少疑問が残った。もっと詰めて考えていけば、筆者のいう通りなのかもしれないけど、この本では説明し切れていないのではないかな。
書かれている内容については、概ね分かりやすくサクサク読めた。
が、客観的な説明にとどまらず、筆者の価値観というか主張が見え隠れする部分に関してはやや反論を考えてしまって素直に読めなかった…。
(たぶん、筆者の主張には具体的な問題点の呈示が欠けてるから抽象論で、「命は無限の価値を有するんだ!」という価値観を打ち破れてなかったからだと思う)
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
[ 内容 ]
誰が被害者となり、加害者となってもおかしくない今日、自分の「命の値段」と他人の「命の値段」の両方が問題だ。
不幸にも加害者となったとき、「命の値段」を支払えるか。
[ 目次 ]
第1章 人の命には値段がある
第2章 被害者はフィクションとしての人生を生きる
第3章 命の値段の算定式を知ろう
第4章 あなたの命の値段はいくらになるか
第5章 命の値段の受取人は誰か
第6章 現行の命の値段に疑問あり
第7章 命の値段の請求にはルールがある
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]