紙の本
旅情のある旅行
2001/08/08 16:28
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投稿者:kosaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
旅に関するエッセイ。旅行あるいは移動について、沖縄、ハワイ、北欧など旅行先で著者が考えた事について記している。旅行に対する思いと、南国でのんびりとした生活、原生林でのひとときなど紀行文というよりは、その土地での著者の過ごし方がつづられている。昨今の団体ツアーなどでは、過密なスケジュールが組んであり、いろいろと見てまわれるという意味ではいいかもしれないが、本書にあるような旅情は感じる暇が無い。また、著者のように自分で車を運転することや歩いて目的地まで行く事自体が旅行のひとつの楽しみであり、自分のペースを守った旅行というものができるのだろう。この本を読むと無性に旅行がしたくなるのはもちろんだが、実際に行けなくても計画だけでもたてて空想してみたりしてしまう。
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まだ誰も所有してないんですね〜、コレ。一番乗りになって、ちょっといい気になってます…人気ないだけか。タイトル通り、旅行記ですね、簡単に言ってしまうと。池澤さんがアチコチ旅した中で、トルコがイチオシです。特にバザーの描写!文字から活気が伝わってきただけじゃなくて、食欲を刺激されたのがデカイです。本当に美味しそうでした。村上春樹さんの旅行記でもトルコが出てくるんですけど、お二方の描く「トルコ」に共通してるのは、タバコですねー。池澤さんは、唯一子どもが働いている姿を見るのは、タバコ売りだと言ってるし、村上さんに至っては、トルコに何か一つ持っていくなら「マルボロ」にした方がいーよ、とまでアドヴァイスしてくれちゃってます。マルボロは偉大なんですよー。
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旅に出る。その国の空気を肺いっぱいに吸い込む。そして少しずつ自分を溶け込ませていく。旅の楽しみは百人百様かもしれないが、池澤夏樹の旅観には共感できるところが多い。旅に誘う一冊。思い出深い一冊だ。
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作者の池澤夏樹はエッセイストというのでしょうか?文章が明解で読みやすいです。
旅に出たくなります。そして旅に出る時は一緒に持ち歩きましょう。
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9/25 途切れ途切れに読み続けていたのをやっと読了。この人の旅の概念は私のものと違う。冒険家寄りの旅なんだなあ。そして外国に対する愚痴っぽいところがないのがあっぱれ。ザ、ニュートラルな冒険家。ステキ★
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色んな国のことが独特の視点で書かれていた。行ったことがある場所もあったし、まだ行ったことのない場所もあったけど、マウイ島に行ってみたいなぁと思った。あともう一回トルコに。
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タイトルからは、読む人に旅心を喚起させる晴朗なものを想像するが、かならずしもそうではない。筆者にとっての旅は、思索する旅だ。ヤップ島ではミクロネシアやハワイ本来のエコロジカルな生活を考え、イギリスでは植民地支配とイギリスから出て行った人々のことを想い、またイスタンブールではアジアを、あるいはイスラムを、さらには遊牧民族の本質を考察してしまう。それは、それだけ長い期間その場所に滞在しているが故でもあるのだが。篇中に「現代イギリス旅行文学撰」があるが、彼が庶幾する旅の姿とは、そうした紀行による思索なのだろう。
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初めて、池澤夏樹さんの作品を読みました。私の、少ない読書経験からいうと、村上春樹さんと宮脇俊三さんを合わせたような、書きっぷりだなと思いました。
どこでもいいし、一泊でいいから旅行に行きたくなりました。
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世の中には3通りの本がある。
という定型的な書き方をしてみようと思う。
それは、
何か新しいことを思いつかせる本、
埋れていた記憶を思い出させる本、
あと退屈な本。
これは僕にとっては2番目、思い出させる本。池澤さんの旅を辿るはずなのに、不思議なことに自分の旅の記憶が蘇り、何のためにやっていたのか、何を得ようとしたのか、忘れていたことを再び捉えなおすことになりそうだ。
いつも通りレビューでもなんでもないね。
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【いちぶん】
なりゆきというのは世界への信頼である。事態の推移という波に乗っていればいいところへ到着することができると信じること。もともと奮励努力ではなく薄志弱行を旨として生きてきたから、世界の運行を信じないわけにはいかない。怠け者はオプティミストであらざるを得ない。世界の運行が何度となくぼくをマウイ島へ運んだ。
(p.58)
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池澤さんの文章を読んでいると、自分が賢くなった気がするからふしぎ。
ハワイ、沖縄、トルコ、イギリス、北欧、ギリシャ、などなど各地の旅行記。
観光的な要素はあまり出てこない。少し遠出をして風景を見ながら考えたことをまとめてみた、というかんじの軽いエッセイ。
国の捉え方といっていいのか、知識があるからこそ訪れた土地を国境だけではない文化とか意識とかDNA的なものなんかを含めて捉えていて、そういう考え方に憧れる。