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ずうううっと読みたかった作品。やっと読めた。
ただし宇宙創成やフェルマーの最終定理と違って言語学的要素も多かったため、読みずらい部分もあった。訳注も多かった。
最終章の量子コンピューターは今日ではどれほど技術が進んでいるのだろうかと思わせられた…所詮10年前の本だし。日進月歩の世界だし。
偏光の部分は大分意味不明でしたけど。どうしてボブの偏光板?は十字じゃないといけないんですか!アリスと同じ一直線のものじゃだめなんですか!
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普段の生活には全く関係のない暗号というものが、作成者と解読者の戦いという構図のもとによく描かれていて、とても面白かった。ただ、今後解読者が優位に立つことはないと思う。それは、量子力学が完全に解かれるという事だから。
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『フェルマーの最終定理』の著者、サイモン・シンによる、暗号解読の物語。
相変わらず、話の運びが絶妙。スコットランド女王・メアリーの使った暗号から換字式暗号を解説し、鉄仮面の話で多アルファベット換字式暗号の解読を物語る。第3章・第4章では暗号機の誕生、それを解読するために生まれたコンピュータの誕生に迫る。
ただ仕組みを説明するだけでなく、その暗号に関わった人物たちを生き生きと描くことで、先へ先へと読ませる力強いストーリーをつくっているのが見事。
とくに印象的だった第5章「言葉の壁」で描かれるのは、「第2次世界大戦で使用された暗号の中でもっとも安全だった」とされる暗号について。それは、アメリカ先住民・ナヴァホ族が使うナヴァホ語をそのまま使う、というものだった。ナヴァホ族には過去20年ドイツ人が入りこんでいないこと、ナヴァホ語は非常に難解で他の部族にはまったく理解不能であることが採用の決め手となった。使い方も簡単で、各部隊にナヴァホ族が派遣され、英文をナヴァホ語に翻訳して通信し、受け取った側はナヴァホ語を英文に翻訳して渡すだけ。暗号文を作る手間、解読する手間が省けるため、むちゃくちゃスピーディ。敵の手に渡ると大変なことになる「コードブック」をつくる必要もなし。ナヴァホ語には軍隊で使うような用語がなかったので、その用語をナヴァホ語の語彙でつくり覚える必要があったが、もともと書き文字を持たないナヴァホ族にとって丸暗記はお手のものだったという。ナヴァホ・コード・トーカーの役割は戦況が進展するにつれてますます重要になった。ハワード・コナー少将は「ナヴァホ兵がいなかったら、海兵隊は硫黄島を占領できなかっただろう」と語ったという。しかし、彼らの献身は、戦後20年以上も世に知られることがなかった。軍事上の機密とされたからだ。
本書はこの後、ヒエログリフの解明や、線文字Bと呼ばれたクレタ島の古代文字へと話を継ぎ、第6章・7章では現代で広く利用されている公開鍵暗号について、第8章では量子コンピュータによる暗号解読・量子暗号などの未来技術についても触れている。
かつて高貴な人々や軍事に携わる人々が中心となって使っていた暗号は、現代ではネット上の安全を確保するため欠かすことの出来ない技術となっている。いわば暗号は現代社会を支えている技術のひとつなのだ。しかしその性質上、発明を高らかにうたわれることは少なく、暗号を進歩させた人々の貢献もあまり知られていない。本書は、暗号の歴史としくみを平易に解説しているのみならず、暗号にかかわった人々の熱意と工夫をよみがえらせて、ほんとうにわくわくする読み物に仕上がっている。
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暗号解読は結構泥臭い、データ解析につうじるものがある。専門家が書いたわけでもないのに内容の濃さにびっくり。
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フェルマーの最終定理に続いて、サイモン・シンの本を読んでみた。
暗号に関しては、情報セキュリティに知識を持っているが、その歴史には驚かされることも多々あった。
なんといっても興味をひかれたのはドイツ軍のエニグマ暗号。これを解読するという、暗号作成者と暗号解読者の闘いはとにかくおもしろい。
現在のコンピュータで主力のRSAやPGPについても、概要は理解はしているものの、改めてその細かい考え方を理解できて勉強にもなった。
そして、今後の量子暗号。難しい話でなかなか理解するのは難しいが、近い将来、これが実現される日がくるかと考えると、楽しみな反面恐ろしくもある。
暗号の歴史がここまで古く、これまで生きてきた人たちの努力、知識には脱帽してしまう。
分厚い本でありながら、飽きることなく読める一冊である。
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「フェルマー…」が、あまりにも面白かったので、こちらも読破してみました。暗号の歴史、作成者と解読者のせめぎあい、それなりに読めますが、流石に前著のような魅力溢れるスーパースターは登場せず。個人的には小説「エニグマ」をいつか読もうかな、と。現在使われてる暗号が、理論上絶対に破れないってのは良く分かりました。
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読書会で紹介された本。おもしろそうだと思い読み始める。古くはアレキサンダー大王から始まり、戦争や外交が緊迫するたびに暗号作成者と暗号解読者との戦いが秘密裏に行われてきた。その歴史がわかり易く描かれている。一方で古代文字に対しても知的好奇心という方面から暗号解読の考えが使われている。第二次世界大戦ではエニグマ、現代ではインターネットにおいて益々暗号解読の重要性が増し、更に量子コンピュータといった革命的な科学技術が構築されようとしている。正直、文系人間には理解出来ない状態になってきている。しかし、暗号作成者と解読者の攻防は面白い!天才同士の戦いだ!また、人間は秘め事が好きな生き物なんだと改めて感じた。
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アカデミー賞も受賞していたベネディクト・カンバーバッチ演じる「イミテーションゲーム」によって第二次世界大戦のドイツの暗号「エニグマ」を解き明かした主要人物である悲劇の数学者であるアラン・チューニングは時の人となっていますね。アラン・チューニングはコンピューターの基礎を作った人とも言われています。
具体的な種々の暗号やその解読方法の詳細も書かれているが、数学やプログラミングに強い人でないと理解するのに相当頭が痛い。
知っておくべきなのは後ろの方の現在の電子決済などのもととなっている公開暗号鍵方式だと思う。これは1976年ホイットフィールド・デルフィーによって提唱された方式で公開鍵と秘密鍵をペアにした非対称暗号だ。さらに素因数分解の概念を使って実用化したのがRSA暗号である。
ただしユーザが正しくRSA暗号を使っていても安全とはいえない。トラフィック解析、トロイの木馬などで解析しようと思えば、優秀な暗号解読者によっては暗号を解読できてしまうのが現状だ。さらにそれに打撃を与える事実が「量子コンピューター」の到来だ。量子力学の概念からヒントを得た桁違いの演算スピードを誇るであろう量子コンピューターにより暗号作成者より暗号解読者が優位にたつ世界が又来るかもしれないのである。その時はプライバシーや電子商取引や安全保障そのものが破壊されてしまう。それに対抗する為に暗号作成者側も量子暗号というシステムを作り出そうとしている。
暗号作成者と暗号解読者の戦いはまだ途中であり、我々はその最中にいるのである。
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縁遠く感じるけど実は身近にあふれている暗号。
その歴史を紐解くと、人類史を大きく左右する重要な『鍵』だった。
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非常に高度な専門的な内容であるにもかかわらず、著者のストーリーテラーぶりが巧みで、歴史小説を読むかの如く、“暗号”にまつわる世界史を通観できる。
スコットランド女王・メアリーのエピソードで換字式暗号を解説し、鉄仮面の話で多アルファベット換字式暗号解読を語る。後半第3章・第4章では暗号機の誕生、ついには、それら暗号を解読するために生まれた(?)コンピュータに迫る。歴史の裏側を支えた暗号の成り立ち、仕組みを説明するだけでなく、その暗号にまつわる人間模様を描くことで、暗号発展史さえも、実に人間臭いドラマを含蓄していると圧倒される。
かの有名なエニグマが解読されたのもの、出来のいい兄に劣等感を抱いた弟ハンス=ティロ・シュミットの兄への嫉妬と、自分を切り捨てた国家への恨みが根柢にあったなんて、なんともドラマチックではないか。
日本人として圧巻な、というか注目して読んだのは、第5章「言葉の壁」で描かれるナヴォホ・コードの話だ。アメリカ先住民・ナヴァホ族が使うナヴァホ語をそのまま暗号に使い、硫黄島を攻略したという話は恐るべき歴史の偶然としか思えない話だ。
「ナヴォホ兵がいなかったら、海兵隊は硫黄島を占領できなかっただろう」と米軍将校は語るが、ナヴォホ族を通信兵として採用できた背景も、宣教師の息子だったジョンストンというエンジニアが、子供時代にナヴォホ族保留地で過ごし、ナヴォホ語がどれだけ難解かを熟知、その後、太平洋戦線の各部隊の無線オペレータとしてこのアメリカ先住民を採用すれば、通信の安全性が保証されると軍に進言したからというだから驚きだ。
こんな偶然があろうか。もはや、日本は負けるべき運命にあったとしか思えない。神の采配とも言える多くの偶然の重なりがそこにあったことに驚く。
こんな調子で、古くはアレキサンダー大王から始まり、近代の戦争や外交に裏に表に活用されてきた暗号、その作成者と解読者との歴史の裏側で行われてきた闘いを、微に入り細に入り描き切っている。 そしてインターネット社会になり暗号の重要性がさらに増大し、更に量子コンピュータといった“革命的”な科学技術が今、構築されようとしている。なんて、話は、後半はもうついていけない高度なレベルの話となっている。(はい、最後の100ページくらいは理解が及びませんでした)。
第一次世界大戦は化学者の戦争で、第二次世界大戦は物理学者の戦争だったという。そして、「第三次世界大戦が起こるとすれば、それは数学者の戦争になるだろうと言われている。」
と語る筆者。
「戦争の次期兵器となるであろう情報を支配するのは、数学者だ」
その予言を楽しみにしていいのか、いや、数学者の活躍の場が未来永劫なければ良いのか。人類の、暗号を構築したい欲望と、それを解読したい衝動が高まれば、そのために戦争を起こしかねない、そんな本能的な人の性(さが)が、歴史を俯瞰することで垣間見れたりもする恐るべき一冊だった。
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2001年刊行。戦争、古文書解読、政争とも関係する暗号。この暗号の創出と解読に情熱と労力を傾けた古今の人々の人間模様を、サイモン・シン著、青木薫訳の名コンビが叙述。実際、流通情報量が格段に増大した電信電話の発達した第一次世界大戦後の暗号創出、解読競争の激烈さ印象的。それ以前はどことはなく牧歌的雰囲気が漂う(ただし、血なまぐさい政争劇はあるが…)。また、多くの方のレビューと被るが、現代の問題、つまり量子暗号、量子コンピュータの項目になると、イメージングしにくく、かなり難しい。
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文書量の割にすんなり読める。それだけ引き込まれる内容。ただし万人にはおすすめはしない。エニグマや公開鍵はまだわかるような気がしたけどロゼッタストーンは難しかった。
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過去の暗号がいかに解読されてきたか、具体的に解説されており思わず引き込まれる。
暗号解読によって戦争の趨勢が大きく変わる。
エニグマ暗号の解読により日本人の多くの命も救われた。
後半部分の公開鍵暗号(現実的に解読不能)から量子暗号(理論的に解読不能)のくだりはまさに秀逸。
量子暗号は実用レベルには程遠いが、公開鍵暗号はまだしばらくは生き延びられそう。
「フェルマーの最終定理」も「暗号解読」も本来難しすぎる内容だと思うが、素人にもわかるように面白く伝えるサイモン・シン&青木薫のコンビは素晴らしい。
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子供の頃、水に濡らさないと文字が浮かんでこないペンで手紙を書いて好きな子に送ったり、卒業文集に暗号を入れてみたり、秘密の通信に心ワクワクした事が誰にでも有るのではないだろうか?
「フェルマーの定理」を読んだことがあったので、本書も知的好奇心や興奮をさせてくれると思い読んでみる。IT屋なので、パソコンの暗号化通信の理解も深まり実に面白い本であった。
古代文字の解読がロゼッタストーンで進んだ話、
一時大戦の頃から暗号化通信が使われ、暗号を破った方が優位に戦略を運んでいった情報戦であった話
少し前のDES暗号化技術(しかしながら情報処理速度が高くなり、解読が難しくなくなってしまった)
暗号化キー、複合化キーをどうやって相手に渡すかが課題だったが、公開鍵と複合鍵を分けることで解決させたこと。
最後に量子鍵で絶対に複合化できない暗号を作れる技術の発明。
【学】
チャールズ・バベッジ
現代的なコンピューターの雛型を作った
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図書館で借りて読みはじめたが、Amazon で探して購入した。1度、読み終えたが再読する予定。
暗号の話は技術的にも、人類史的にも深い。