紙の本
読み応えのある短編ばかりです
2002/04/25 18:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格ミステリ作家・有栖川有栖氏が選んだアンソロジー、短編10作が収録されています。
中でもオススメなのが、ベルリン生まれの南アフリカ人、W・ハイデンフェルトという聞いたこともなかった作家の「<引立て役倶楽部>の不快な事件」。シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、エラリー・クイーンなどの名探偵が、『第一回世界名探偵会議』なるものに出席するために不在のときに、<引立て役倶楽部>の別荘のすぐ近くで事件がおこる。この倶楽部のメンバーというのが、ワトソン博士、ヘイスティングズ大尉、ニッキー・ポーターといった名探偵の相棒たち。さっそく事件の調査をはじめるが、そこは『引立て役』の悲しさ、出てくるものは迷推理ばかり、なかなか真相は見えてこない。といった内容。「引立て役」どうしの軽妙な会話、大がかりなトリックと、ミステリ好きにはたまらない作品です。
もちろん、ほかの作品も読み応えのあるものばかりですよ。
紙の本
幻の作品たち
2002/06/28 20:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:京太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまや読めない名作・珍作が勢揃いした、本格ミステリファンには堪らない内容の本です。巽昌章氏の「埋もれた悪意」はすごい作品だし、「〈引立て役倶楽部〉の不快な事件」はとんでもないトリックが出てきます(でも面白い!)。ほかにも、アリバイもの、密室ものととにかくもりだくさんの内容。ミステリが好きで、そのなかでもどこか変な作品が好きな人は、ぜひとも読みましょう。
個人的に一番楽しめたのは、つのだじろう作の「金色犬」。有栖川さんも言っておられますが、雰囲気がイイ。こんな作品よく見つけてきたな〜という感じがしますね。編者の本格に対する愛情が感じられる一冊とも言えるでしょう。北村薫氏との対談も面白い。
紙の本
ミステリ好きのためのライブラリー
2001/11/25 01:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひいろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
有栖川有栖が厳選した世界各国の名作ミステリアンソロジー。同時発売「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」よりもこちらの方が読みやすい作品が多かったと思います。
一際目立っていたのが、つのだじろうの「金色犬」。なにしろ30年以上前のマンガですからね。本格要素たっぷりで楽しめました。
一番のおすすめは、W・ハイデンフェルトの「<引き立て役倶楽部>の不快な事件」。タイトルどおり、名探偵の引き立て役が主人公となります (肝心の名探偵たちは「第1回世界名探偵会議」出席のため不在)。ワトスン博士、ヘイスティングズ大尉、そしてデュパンの友人などなど。遊び心たっぷりで、ミステリ好きにとっては夢のような設定でしたね。 大胆な密室トリックも時代を感じて気に入りました。
期待していた、訳し下ろしの余心樂「生死線上」は、読んでてちょっと疲れてしまいました。電車の乗車時間など、時間についての記述が多すぎて、くどく感じてしまって。結果から言えば仕方のないことなのかもしれませんけれど。
ミステリ好きな方は、北村薫編と合わせて読んでみてはいかがでしょうか。
紙の本
トリック、トリック、トリック
2001/11/10 16:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:がんりょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
有栖川有栖が編んだミステリのアンソロジー。新本格の担い手が選んだだけあって、トリック指向の作品が並んでいる。中にはこんなんありかみたいなトリックもあるが、そんな非現実性も楽しんでしまう、編者の包容力には脱帽。
同じ趣向で北村薫が編んでいるものとあわせて読むと、2人の本格に関する考え方の違いがみえて楽しい。
投稿元:
レビューを見る
個人的にはこっちのほうがお気に入りですね。ガチガチの本格ばかりで。一部はどれも感心。というか感動って感じ。すごい。二部はまあどれもこれもとんでもないトリックばっかりで。でもやっぱそれが面白い。見せ方って大事だよねぇ。三部は他の収録作品に比べると長い。しかしそれだけの面白さは保障できる。4部。俺はここが一番感心した。特に海渡英祐は本気で感動した。お手本にしたいくらい。
投稿元:
レビューを見る
漫画まで収録されてるとは。どれも本格で入手が難しい物ばかりを集めてあります。「わたくし」は犯人……が一番好きです。対談の中で犯罪社会学の助教授にはフィンの影響があった事を知って良かったかも(06.08.24)
投稿元:
レビューを見る
結構マニアックなミステリーのアンソロジー集。漫画もある。ジャンルの広さに脱帽。でもあんまり好きな話がなかった。
投稿元:
レビューを見る
本屋に通ってた時期に、装丁が気になって数週間本屋に行っては出して眺めまた棚に戻す、とゆう事を繰り返してました。
まったくもって、やな客です(笑)
題名を見ればわかるとおり紹介本?なので、ざっと読んでしまい弟にあげたきり行方知れずです。
投稿元:
レビューを見る
ミステリー作家有栖川有栖氏が編集した、秀逸な短編ミステリ10作品が収まっている本です。
いや、よくぞこんな作品が・・・!というような、入手困難なある意味マニアックで素晴らしい作品ばかりが詰まった、ビックリ箱のような本です。
30年以上前の貸本の幻漫画『金色犬』から、台湾人作家の鉄道ミステリー『生面線上』、ベルリン生まれの南アフリカ人作家の『<引立て役倶楽部>の不快な事件』、エラリークィーンのまえがき&あとがき付き作品の『五十一番目の密室』、同志社大学ミステリ研究会会報に載った作品など、古今東西のお宝ミステリがギッシリです
『五十一番目の密室』と『<引立て役倶楽部>の不快な事件』は、密室トリックがかなり大掛かりな仕掛けのストーリーで、「なるほど、こうやって密室にしたのか」と、うなずける作品です。
ごまかしやまやかしではない、れっきとした密室!を見ることができます。
台湾人作家の『生命線上』の鉄道ミステリーも好きです。
小説の舞台はスイスの鉄道、台湾人の主人公・スウェーデン人の妻が出てきて、なんとなくグローバル雰囲気が出ています。人物の性格にお国柄もちょっと出ていたりして、そんなところも楽しいです。
鉄道ミステリーとしては、本格的です。
ところどころに入っている氏の作品紹介では、ネタバレすることなくうまく説明されています。
イロイロな作品がありますが、どれも読みやすく、ミステリ初心者でも入りやすい話しばかりです。
本全体を通していえるのは、有栖川氏のミステリーに対する「愛」。
本当にミステリーが好きなんだな〜、と作品群を通して伝わってくるようです。
角川文庫の本格ミステリ・アンソロジーでは、有栖川有栖、北村薫、法月綸太郎、山口雅也、各氏編纂のものが発売されています。
好きなミステリ作家オススメの作品は面白いし、その作家の趣味も垣間見られたりして楽しいです。
そこから、他の作品を読むきっかけにもなりますので、読書の幅も広がります。
P.S.
この本、2001年に出版されているのですが、残念ながら現在は本屋に在庫がないようです。
(いくつかのオンライン書店では在庫がなかった)
入手困難作品の詰まったこの本自体が、入手が難しくなっているとは
中古本か図書館を探してみて下さい
投稿元:
レビューを見る
(収録作品)埋もれた悪意(巽昌章)/逃げる車(白峰良介)/金色犬(つのだじろう)/五十一番目の密室(ロバート・アーサー)/「引立て役倶楽部」の不快な事件(W.ハイデンフェルト)/アローモント監獄の謎(ビル・プロンジーニ)/生死線上(余心楽)/水の柱(上田広)/「わたくし」は犯人…(海渡英祐)/見えざる手によって(ジョン・スラデック)
投稿元:
レビューを見る
なかなか読めない本格ミステリの短編を集めたアンソロジー。作者が有栖川有栖というわけではないのでご注意。
なかなかマニアックというか、ちょっとミステリについてのうんちくを語りたくなるくらいの人じゃないと、なかなか楽しめないんじゃないかなって作品も多いのだけど、僕は楽しかった。特に密室の2作は、「あ、これが噂の!」って感じで楽しかった。
でも、それ以外の「まっとうな」本格は、「まあそんなもんかな」って感じだった。せっかく「うんちく王」が集めたのだから、もう一声ほしかったところだ。
2006/10/24
投稿元:
レビューを見る
4
内容充実粒ぞろいの本格十選。全て初読だったのでかなり楽しめた。あとがきにもあるが「五十一番目の密室」は「有栖川有栖の密室大図鑑」をパラパラ眺めている時に少し気になっていたので、偶然ではあるがこの機会に読めたのは内容はともあれ幸運。
本筋とは関係ないが、某名作短編の中で小学生がやってしまうくらいに、ジョン・スラデックの話に出てくる透視ネタはメジャーなのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
『埋もれた悪意』 巽昌章
昔世話になり会社の後継者としてもらった降矢木伝次郎氏の息子の行方を探す曽根民夫。富豪である半田仁蔵から依頼を受けた矢島太郎。テレビで捜索を願い出たが名乗り出た人物が2人。安藤海雄と本多茂之。本物の息子の手形を持つ助産婦・葦屋木。対面の日の葦屋木の驚き。安藤、本多と一緒にいた矢島を誤認した葦屋木。その夜殺害された葦屋木と残された手形。
『逃げる車』 白峰良介
スピード違反でパトカーに追跡される車。さまざまな物に激突しながらの逃亡。村木医院乗り込み毒を飲んで死んだ運転手・本井太郎。村木医院の一人娘と婚約していた本井。村木医院の看護婦とも猛際していた過去を持つ本井に対する殺意。完璧なアリバイのある容疑者たち。
『金色犬』 つのだじろう
鶴丸一平の遺産をねらう親族たち。一平の世話をする孤児・露原冬子。親族たちを襲う金色の犬の謎。
『五十一番目の密室』
推理小説家・ハリスン・マニックス。彼が考えた51番目の密室殺人事件。推理作家の集まりでそのことをゴードン・ワゴナーに話した翌日、首を切られ密室の中で殺害されたハリスン。ハリスンの家を建て大家として近所に住んでいたウイリー・ブリスコウ。金を取って現場の家を公開していた。金を払って家を借り受け推理を働かすゴードン。第2の被害者となったゴードン。
『〈引き立て役倶楽部〉の不快な事件』
名探偵たちが会議に行っている間に名探偵たちの相棒たちが集う引き立て役クラブで起きた殺人事件。謎の全裸の男の死体。
『アーロモント監獄の謎』 ビル・プロンジーニ
アーロモント監獄で執行された絞首刑。被告人はティールズデイル。看守であるグレインジャーとホロウエイに両脇を抱えられ刑場に引き出される。絞首刑執行の直後ぶら下がっているはずの遺体が消えていた。その後の調査の最中に遺体となって発見されたホロウェイ。バックマスター・ギールンの推理。ティールズデイルの過去の仕事に隠された秘密。
『生死線上』
スイスに住む中国人・漢端。彼がビジネスパートナーとして交渉にあたっていた李立勉。彼との会食の夜に列車の中で殺害された郵便局員・フーバー。フーバーのメモに残された李の住所と間違った名前。非合法の薬や映像の売買に関係していたフーバーの秘密。
『水の柱』 上田廣
列車の中から川に転落し溺死した梅津社長。その列車で乗務していた河合車掌からの手紙。女連れで旅行をしていた梅津氏。謎の女。愛人とは思われない行動。同じく旅行をしていた倉内氏。梅津氏との関係。ある女学校の水泳部の部員と親しく話をしていた謎の女。河合氏の説得に応じて自首してきた犯人。
『「わたくし」は犯人』 海渡英佑
小村美恵子が書いた自分の恋人を奪った女・秋山靖子への復讐計画を書き記したノート。実際に殺害された秋山靖子。事件当日酒を飲みであるいていたというアリバイのない美恵子。徐々に立証される美恵子のアリバイ。
『見えざる手によって』 ジョン・スラデック
サッカレイ・フィン・シリーズ
画廊ムーン���ら依頼された仕事。芸術家アーロン・ウィリスに届いた脅迫状。実際にアーロンに会いに行くが部屋には入れてもらえずに見張りを続ける。殺害されたアーロン。ムーンに案内されてやってきたアーロンの部屋へ向かうエレベーターに隠された秘密。
投稿元:
レビューを見る
有栖川有栖が秘密の書庫を大公開!?古今東西の名作ミステリ、しかも極めて入手困難な10作品がこの一冊に!幻の本格ミステリ漫画、つのだじろう『金色犬』、台湾の傑作鉄道ミステリ、余心楽『生死線上』、ロバート・アーサーの『五十一番目の密室』にはなんと日本初訳、エラリー・クイーンによるまえがき・あとがきも収録する。巻末には収録作品について語り合う北村薫氏との対談も。『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』と併せ、この二冊を読まずして本格ミステリを語るなかれ。 (「BOOK」データベースより)
埋もれた悪意(巽昌章)
逃げる車(白峰良介)
金色犬(つのだじろう)
五十一番目の密室(ロバート・アーサー)
「引立て役倶楽部」の不快な事件(W.ハイデンフェルト)
アローモント監獄の謎(ビル・プロンジーニ)
生死線上(余心楽)
水の柱(上田広)
「わたくし」は犯人…(海渡英祐)
見えざる手によって(ジョン・スラデック)
こういった本を読まなきゃ、出会えないような作品ばかりでした。
漫画まで載っていてびっくり。
台湾の作品なんて初めてでしたが、結構おもしろかった。
巻末の対談で北村氏がおっしゃっているように、私も「見えざる手によって」の最後が読解できませんでした。
いくらなんでも的なトリックもありましたが、楽しく読みました。
ということで、現在手元には北村薫氏が編んだものが。
楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
「ミステリ12か月」より。「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」と同時に出されたようだ。「ミステリ12か月」とはまた違うみたいだな。そっちも今度読んでみよう。10編入ってるアンソロジー。なかなか手に入らないものを集めたそうだ。確かにみんな初めて読むのだ。『金色犬』という漫画があったのもびっくり。1968年にもうこんなミステリ漫画があったんだな。