紙の本
傭兵がヨーロッパを変えた
2002/07/13 12:57
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
傭兵になる機会も傭兵に出会う機会もない我々は、傭兵のことを、なにやら用心棒やなんかと思ってしまうことがあるような気がします。しかし傭兵はまず、戦争のために人殺しとして、組織的に雇われる存在です。その傭兵集団がどのようにして誕生し、どのような需要で利用され、いかにして歴史にかかわり、そして消えていったのかを、この本は解説しています。
傭兵の時代から国民皆兵の時代への入れ代わりのダイナミクスのあたりが、とくに興味深く感じました。
初期の傭兵は騎士の副業だったりしますんで、あんまり詳しくない人だと、中世の冒険のイメージも変わるかも知れません。
紙の本
勝てば官軍、負ければ賊軍、どちらにしてもやりたい放題
2022/04/25 03:29
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
中世の欧州で戦争を請け負う
仕事をしていた人々を扱った
概説書です。
世界で二番目に古い職業は、
現代の戦場でも、相変わらず
存在感を発揮してますね。
紙の本
ヨーロッパの傭兵史
2004/07/27 14:34
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投稿者:死せる詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代オリエントに始まった傭兵という職業。その歴史についてヨーロッパを中心に解説しているのが本書です。
多くの日本人にとって、賃金を得て人を殺す傭兵という職業は身近ではありませんし、理解可能な範疇ですら無いでしょう。そもそも僕の場合、そういう人が存在する事がピンと来ないというのが正直な所です。しかし筆者も書いているように、傭兵というのは娼婦に次ぎ世界で2番目に古い職業と言ってしまえるほど古い存在なのです。日本でも足利政権の頃に「足軽」という名の傭兵が大量に発生しています。
最初は騎士の副業として行なわれていた傭兵稼業は、国によって賃金が支払われる事により農民の出稼ぎ集団になり、やがて専業の傭兵を生んでいきます。多くの国際戦争が発生したヨーロッパの地では、傭兵は戦争の度に出来し、様々な集団に利用されています。
そうした傭兵主体の戦争から国民軍が発生した経緯や、絶対王政における軍隊の有様などに触れつつ、最終的には近代に於ける傭兵にも触れています。
全体としてアッサリした記述ばかりなので、例えば有名なスイス傭兵(スイス護衛兵)について詳しく知りたい、というような目的には合致しません。逆にヨーロッパに於ける傭兵史を包括的に知るには大変参考になるでしょう
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傭兵のことが通して解る本。イタリア人に邪悪な戦争とか呼ばれちゃうほどのスイス人傭兵の戦いっぷりってどれ程だったのかと……!
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「古来、戦争とは忠誠、祖国愛といった観念とは対極に位置していた傭兵たちによって担われていたのである。それがいつしかナショナリズムにより途方もない数の人びとが祖国のために身を捨てる国民戦争に変質したのである。であるならば、これら傭兵たちの歴史を覗けばひょっとしたら近代ナショナリズムの仕組みが逆説的にほの見えてくるかもしれない。本書はこんな淡い期待のもとに書かれた」。というテーマをなんとなく踏まえながらも、『傭兵の二千年史』というタイトルに忠実な、西ヨーロッパの傭兵制度について古代ギリシャからナチスの突撃隊までを概観している本だった。いろいろ知らないことも多かったし、面白かった。
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「え〜傭兵?マジ?」
「傭兵が許されるのはフランス革命までだよね〜」
「キャハハ、ハハ、キャフタ!」
二千年史といいながら、メインは近世ヨーロッパ。
悪名高き傭兵部隊、ランツクネヒトやスイス人傭兵の
活躍を中心に、ヴァレンシュタインをはじめ戦場のプロデューサである
傭兵隊長の生き様が描かれる。
ナショナリズムの誕生を傭兵を道具に逆説的に説いた一冊。
描き方がかっこよすぎて、むしろガリガリ読めなかった。
「戦争」のスタイルを別の視点で知ることが出来た。
兵站ってのは重要だなあ。太平洋戦争よろしく、ああいうことになって困るのは現地民ということか。
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国民軍という概念が未だないフランス革命以前、戦争の主役を担っていたのは王侯でも諸侯でも貴族でもなく、「傭兵」という戦闘の、いや、「戦争商売」のプロ達であった。
彼等にとって戦争とは、生きる為の商売であり、また存在理由でもあった。だからこそ彼等は戦争に柔軟に対応をした。彼等が活躍した時代の戦闘に歯切れの悪さが多いのはそのためである。
時代は少しずつ、動き、傭兵が生きる為のための戦争ではなく、王侯等の覇権のための戦争となる。
傭兵達はどうなっていくのか。各時代の名将達を挙げながら、彼等、傭兵達の路を本書は辿っていく。
(2009/5/5読了)
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世界史は必修で軽くやった程度なので少し面白みが減りました残念です。
傭兵は世界で二番目に古い職業。
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血の輸出――スイス傭兵部隊とは国家管理の傭兵であった。しかも州政庁による強制徴募など必要なかった。働き口のない屈強な若者たちが先を争って傭兵募兵に応じたのである。17世紀、フランスの太陽王ルイ14世のある高官が、スイスの司令官に「スイスの傭兵に支払う賃金は金の延べ板にしてパリからバーゼルまでの道を覆い尽くしてしまう」とスイス人の金の亡者ぶりに不平を言い募った。するとその将軍はすかさず、「フランスのためにスイス人の流した血潮はパリからバーゼルに至るありとあらゆる河川に満ち溢れている」と切り返した。たしかに「金のないところスイス兵なし」と言われるほど貪欲に金と略奪品を求めてヨーロッパ諸勢力の傭兵となったスイス傭兵部隊だが、なんといっても最大のお得意様はフランスであった。フランスのために300年間で50万以上のスイス兵が命を落としたと言われている。そのためか、フランス最古参の連隊「ヒカルディ」の連隊旗はスイス傭兵に敬意を表して白地に赤十字となっている
2003年4月6日読了
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傭兵ピエールを読む前に傭兵について勉強しておこうと思って
読んでみたわけなんですけど、傭兵ってけっこう深かったです。
ナショナリズムって比較的近代の概念なんだなー、みたいな。
2010/3/6読了
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本書のテーマは、古代ヘレニズムから近代に至るまでのヨーロッパ世界における「戦争の担い手」の姿を描き出すことにある。現代において一般的な徴兵や志願兵による国民軍は、必ずしも世界史においてはスタンダードな軍隊ではない。むしろ、中世から近世のヨーロッパにかけて、常に戦争の中心にいたのは、タイトルにもある「傭兵」であった。中でも、スイス人傭兵やランツクネヒトは至る所に出没し、戦争の趨勢を左右している。スペインハプスブルク家の栄光と没落にもこの傭兵戦力が関わっている。マウリッツ・オラニエやグスタフ・アドルフは、徹底した軍制改革よってランツクネヒトを時代遅れなモノとし、それぞれオランダとスウェーデンを歴史の表舞台に引き上げた。時代とともに移り変わる傭兵像を追いかければ、ヨーロッパ史が一層楽しくなる。高校時代にこういう本を読んでいたら、きっと世界史に苦手意識なんて持たなかったんだろうなぁ。
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[ 内容 ]
古代ギリシアの民主制の崩壊に始まり、中世を経て、ナポレオンの時代に至るまで、歴史の転換点で活躍したのは多くの傭兵たちだった。
[ 目次 ]
クセノフォンの遁走劇
パックス・ロマーナの終焉
騎士の時代
イタリア・ルネッサンスの華、傭兵隊長
血の輸出
ランツクネヒトの登場
果てしなく続く邪悪な戦争
ランツクネヒト崩壊の足音
国家権力の走狗となる傭兵
太陽王の傭兵たち
傭兵哀史
生き残る傭兵
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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20101222
やる夫のマリアテレジア?で紹介されてて読んだ本
スイス傭兵とかドイツ傭兵(ランツクネヒト)とかが良く分かる。
関連するので戦術の進化も少しふれられている
(それは別途調べた方がいいが。ファランクスでアララララーイ!とか)
ドイツ農民戦争も触れられていて、中身を初めて知った
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グスタフ・アドルフによる軍制改革の完成、これを読みたくて手に取った本ですが、全体的にも非常に面白かったです。特にスイス傭兵やランツクネヒトがヨーロッパを席巻していたというのは興味深かったですね。
そして傭兵に代わって常備軍が、まず商業が発達していたオランダで導入され、マウリッツが近代的な軍制改革を行う。その流れを受け継ぎ、完成させたのがグスタフ・アドルフです。彼が作り上げたスウェーデン軍の強さは三十年戦争で実証されます。
傭兵という視点から見る中世~近代のヨーロッパ史もまた、味わい深いものがありますね。
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傭兵は人類最古の職業だとか。近代〜現代に至る常備軍制度が成立する前の戦争の担い手は、期間労働者である傭兵でした。つまり彼らが歴史を動かしてきたのです。本書はこの傭兵の歴史を簡潔にまとめた良書です。