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世界地図から食の歴史を読む方法 料理や食材の伝播に秘められた意外な事実とは? みんなのレビュー
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紙の本
食事の起源についてのエッセー集とも言える楽しい本
2023/10/15 06:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
豊富な種類のあるファミレスのメニューを眺めているような、楽しい食の蘊蓄集だった。
主な内容は
〇パスタ、フランス料理、カレーライス、天ぷら・すし・すき焼き、ハンバーガーなどの起源
〇茶・コーヒー・蒸留酒醸造酒の起源と魅力
〇宗教と食のタブー
〇食べ方と食器
〇じゃがいも、しょうゆ、スパイス、野菜
など。百花繚乱のように話題が展開し、読んでいて飽きさせない。広く浅く世界中の食べ物を網羅している。
英語を習いたての頃、ティーチャーという英単語は「茶々」のことだという笑い話をよく聞いたが、そのチャとティーについて、特に中国広東省・福建省あたりからインド・中近東方面へ陸路で伝わった地方では「ツァイ・チャイ・シャー・サなど広東語のチャ系語群」で発音され、一方海路で英国をはじめ世界各地伝わった地方では「テ・テー・ティーなど福建語のテ系語群」で発音されるという説明は目からウロコだった。
一か所、ハンバーグステーキの起源として「ドイツでポピュラーな料理の一つであるタルタルステーキ」について触れている。この段で著者はそれを「牛生肉」のミンチ状の料理と記しているがこれは誤り。もともとこの料理はタタール起源の生の牛肉もしくは馬肉だったかも知れないが、ドイツでは「生食用に開発された豚肉」のミンチを生のままパンに載せた料理であることを指摘しておく。
種類の豊富なレストランでおなかいっぱい食事を堪能したような、入門者向けの楽しい本であった。
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