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大好きな酒井駒子さん繋がりで手にした絵本です。
物語自体は小学校時代に読んだけど
ずっと怪談の類いだと記憶していました(汗)
大人になって改めて読み直すと
哀切に満ちた
その深い内容に
胸を締めつけられました。
童話を単に子供のための読み物ではなく、
大人にも通じる
永遠の童心に訴える文学として捉えた
童話作家の小川未明氏は、
美しい日本語の文体で、
お金ひとつで簡単に変わってしまう
愚かで醜い人間の心を、
物悲しく、
そして厳しい視線で描いています。
対する酒井駒子さんの
イラストが紡ぐ、
硬質で暗く肌寒い質感。
黒く塗りつぶされた背景に
重ねられていく
赤、青、黄を基調にした
抑制された色使い。
静謐さをたずさえた
芳醇で美しい絵。
人間の業を鋭く描いた和の話を
無国籍風な油絵のタッチで
新たに表現してみせた
酒井さんのセンスには脱帽です。
美しい絵が
より物語の悲劇性を際立たせていて
読む人の胸を激しく揺さぶる。
それにしても
信じていた人間に裏切られた人魚の娘や、
我が子と共に人間に未来を託した
人魚の母親の気持ちを考えると
やりきれない思いでいっぱいになる。
自分はいつもこの絵本を読むと
Coccoが歌う
『強く儚い者たち』の世界観とカブってきます。
切なくて救いのない話に込められた
いくつもの風刺。
人間の脆さと弱さ。
哀しみと美しさは
表裏一体であることを感じさせてくれる
傑作絵本です。
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絵がきれい。
どんな話かすっかり忘れていたので
こんなかなしい話かと思い出した
立ち読みした。
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迚も美しい内容でした。
若い方は勿論、大人の方もじっくりと味わって欲しいですね。
素晴らしい話です。
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誰が母人魚に、人間がそんなに素晴らしい生き物だなんて言ったのだろう。酒井駒子さんの、硬質だけど温かみのある絵が余計に悲しい。
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あぁ、この表紙を見るだけで切ない気分になる。
人魚の女性の気持ちもわからなくはないけど、
娘は本当に幸せになったんでしょうか。
いや、ならなかったから、町は滅びたのか。。。
人間って欲深くて悲しいなぁ・・・
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20110908
もともと好きなお話だけれど、絵があるとまた違う怖さがありますね。
文の切り取り方も印象的。
美しい。
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子どもの頃に読んだときは分からない
人間の欲というか、業というかの恐ろしさを感じた
怪談、ではないんだけど、
怪談なんかよりよっぽど怖いです
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酒井駒子さんの絵と図書館戦争内での紹介に惹かれて。
子供向けというよりは大人向けの絵本かもしれない。
人間の底知れぬ怖さというかなんというか…
ぞっとしました。
酒井駒子さんが素敵すぎてもう
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今回、並行して読了したターシャ・テューダーの「醜いもの、苦しみ」といった負の要素を徹底的に排除した挿絵は美しいうえに安心感があり、眺めながらお茶なんぞを飲んでお菓子も食べて・・・・と言った気楽さが漂うのに対し、このお話 & この絵は思わず威儀を正してお茶もお菓子も手放して、緊張感あふれて味わう作品っていう感じなんだけど、その威儀を正し、すべてを手放して集中している中で感情の激しい起伏が発生して、そのうねりに身を委ねているうちに自分の心の中にだけでもいいからぽっと灯り(ともり)消えることのない蝋燭の灯り(あかり)を見つけようとしている自分に気が付くんです。 で、結果的にはちょっと時間を置いてから・・・・にはなっていくんだけど、まるで波が引くようにあの感情の起伏が遠ざかって行って落ち着いていく・・・・・そんな時間を持つことができたような気分がしました。 変な例えかもしれないけれど、ブリテンの「戦争レクイエム」を聴いて散々打ちのめされた後、回復していく時と同じような気分を追体験しちゃった・・・・・みたいな感じ。
(全文はブログにて)
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【たちよみ】
美は ときに 恐怖。
小川未明の世界観と
酒井駒子の表現力が
いい塩梅で ぶつかっておる。
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日本でうまれたいとしい人魚姫話。
人魚を利用する人間のほうがこわい生き物だなと思います。
赤い蝋燭の灯が、悲しみを誘います。
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人間があるべき姿、人間の最悪な姿が人形を通して語られます。
人間のおぞましさにゾッとしつつも、後味の悪くない不思議な絵本。
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小川未明の作品
人間の心は、こうも自分に都合よくあっちに傾きこっちに傾きするのか。それとも、貧しさがそうさせるのか。
人魚の母が、わが子を人間の世界で暮らさせてやりたいと、貧しいろうそく売りの夫婦に託します。
最初はやさしかった夫婦もやがて心に変化が生じてきます。
悲しい話です。
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確か図書館戦争シリーズで出てきた本。怖いって表現していたのですが、怖いというよりは、切ないとか悲しいという言葉のほうが正しいような気がしました。
酒井駒子さんの少し物悲しいような絵がマッチしていて、本当に上手な絵本だと思いました。絵本ですけど、小さい頃は、人魚姫が怖い本だったのと同じように嫌いな本になっていただろうなと思いました。小さい頃ではなく、今読んでよかったなと思いました。
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絵本ですが、そのテーマ性は重く、非常に考えさせられる作品です。
良くあるハッピーストーリーかと思わせれば思わぬどんでん返し。そして予想外の結末へ。
大人が読んでも為になる一冊です(^_^)