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戦後日本病人史 みんなのレビュー

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紙の本

医療制度を考える場合の基礎文献

2005/11/23 22:56

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:So−Shrio - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、必要があって、全頁に目を通してみた。
そのうえでの感想は、小泉構造改革の前に未だ曾て有らざる改革を迫られている、医療制度を考える場合の基礎文献として十分機能を果たしうる、歴史を超えた書物であるということである。
歴史叙述というものは、史観という名のとおり、どうしても著述家の生きた時代の制約を受けてしまう。しかし、この膨大な論文群がそれを免れえているとしたら、それは「病人の視点ー病人史」というかたちをとったがゆえであろう。
病人の立場は時代を超えてかわらない。そして、病む人々への同情を失った医療制度は長続きしない。そうした意味で、戦後の民主主義的医療改革と国民皆保険制度が半世紀近く継続していることの重みを、新自由主義者たちは良く考えてほしい。将来に禍根を残すような制度改革を急ぐ必要が何処にあるのか?
そうしたことを問い直すとき、この書物は必読文献である。

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紙の本

半世紀にわたるサークル活動の集大成

2002/03/29 15:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:so-shiro - この投稿者のレビュー一覧を見る

 編著者である川上武氏は、50年以上にわたってサークル活動を続けている在野の研究者である。その成果はこれまでも幾つもの著作に反映されているが、今回の『戦後日本病人史』は、その集大成ともいえる記念碑的な出版である。
 川上武氏の筆になる序章「戦後日本病人史の構図」に続く第1部「戦後日本病人史の諸相」は分担執筆者5人による各論である。以下13章からなる。
 第1章「戦争と病人」
 第2章「経済復興期の病人」、
 第3章「高度経済成長期から成人病の時代へ」
 第4章「リハビリテーション医療の登場」
 第5章「妊娠・出産と乳児死亡・未熟児の動向」
 第6章「戦後の女性のライフサイクルの変容」
 第7章「産業構造の変貌と社会病」
 第8章「薬害・医原病の多発とその背景」
 第9章「「認定」と「補償」の責任論」
 第10章「精神障害と「こころを病む」人びと」
 第11章「重症心身障害児(者)の歩み」
 第12章「寝たきり・痴呆老人の戦後史」
 第13章「難病患者の苦悩と挑戦」
 第2部「現代医療のパラダイム転換と病人・障害者」は川上武氏の単独執筆によるもので、最先端の医療問題を病人・障害者の観点から考えた問いなおした力作である。医療従事者の側からこうしたかたちの分析がなされることは少なく、著者の半世紀以上にわたる臨床医としての経験が活かされた貴重な論考である。 
 「第三次医療技術革新の特徴」と題された導入部に続き、第1章「脳死・臓器移植の軌跡ー心臓移植の提起した問題」、第2章「性革命から生殖革命へ」、第3章「21世紀の死と死生観」、第4章「情報技術(IT)革命・ゲノム革命と病人・障害者」と続き、おわりに「生命倫理と生死観の再構築」の章でまとめられる。
 「社会保障国家への道ー病人史的視角からー」と題された短い終章は、技術論から始まって医療史・病人史の分野を開拓し、医療・福祉の実践的活動から医療経済学の研究にまで進んだ著者の幅広い活動を反映した傾聴すべき提言である。
 「あとがき」にもあるように医学・看護学・社会福祉学・社会学・社会保障の従事者や研究者ばかりでなく、医療・福祉問題に関心を持つすべての人にお勧めできる好著と考える。

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