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"つねにあるイデオロギーが「常識」として支配し「偏見の時代」を生きている"という発想法や、「自律的な主体」であると信じているが実はその自由や自律性はかなり限定的なものであるという事実をもたらした構造主義の功績は改めて、すすす凄い。
マルクス、フロイト、ニーチェによる地ならし、始祖ソシュールの登場。
フーコーの系譜学的思考、バルトの零度の記号、 レウ"ィ=ストロースの反対給付(サービス/メッセージ/女の交換)、ラカンの分析的対話について分かりやすく詳しく書かれています。
でも個人的にラカンについてはあまり理解できませんでした。
まだまだ勉強不足ですねー。
これを読むと、自分を打破してみたくなりました
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本来難解な構造主義をたった一回読んだだけでわかった気になれた。
入門書としては大変優れていると思われる。
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入門者である私は入門書を評価する術を持たないものの・・・幅広く基本概念を知ることができてよかった。レヴィストロースの近親相姦と反対給付の箇所が面白い。それぞれについてまた何かを読んでより深く理解していきたい。090105
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個人的にお気に入りの内田氏による構造主義の入門書。入門書とは言ってもやはり哲学書。難しいことにはかわりありません。ただ、他の解説書よりはいくらか読みやすい印象はありました。
特にフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンの4人(+ソシュール)をとりあげてそれぞれ具体的に展開していくやり方は、入りやすかったです。
ただ、本文中でも触れられている通り、ラカンの箇所については、内田氏の説明を読んでもよく分かりません。個人的には、バルトもいまいち分かりにくかった。勝手に判断してしまえば、ラカンは「人間は鏡像を自分だと思った時点で狂ってる」、バルトは「テクストは作者の手を離れ、解釈は受け取る側に一任される」ぐらいだけ覚えておけばよさそうな気もします。
僕はフーコー目当てで読んでいたので、特にフーコーの箇所は念入りに読みました。なるほど、非常に分かりやすい。本書に書かれていないこともあるけれど、フーコーの考え方の概略は網羅されているのではないでしょうか。特に、「狂気」、「知と権力」については押さえておくべき大事なポイントだと思います。
フーコーの言う「権力」というものは、僕らが普段の会話で使う「権力」とはちょっと意味合いが違うんだよ、というのもまたミソではないでしょうか。
寝ながら読んだらさすがに寝てしまいそうですが、興味のある方はぜひ、机や電車にてご一読を。
「私たちの常識とは逆のことをフーコーはここで書いています。狂人は「別世界」からの「客人」であるときには共同体に歓待され、「この世界の市民」に数え入れられると同時に、共同体から排除されたのです。つまり、狂人の排除はそれが「なんだかよく分からないもの」であるからなされたのではなく、「なんであるかが分かった」からなされたのです」(pp90-91)
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「そんなの当たり前じゃん」って思うようなことも、歴史や地域の文脈では変わってくる。
そう思うこと自体、ある意味「構造主義的な」思想なのだ。
『だから、私たちが自分で思っているほど、自由に、あるいは主体的にものを見ているわけではない。
むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け入れたものだけを選択的に見せられ、感じさせられ、考えさせられている。』
これが構造主義の基本的な考え方。
本書では、その発端から派生までダイジェストで教えてくれる。
発想が新鮮で勉強になりました。
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著者自身、入門書が大好きであるという導入のとおり構造主義という思考、思想をなるべくやさしく論じている。
現代の人間(日本人を含む多くの人種)の思考構造自体が構造主義であること、しかしそれはそんなに古くから「常識」ではなかったことなど、帯にもあるがまさに「目からウロコ」の連続だった。
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内田樹氏の本は、これがはじめてだった。
文章がライトなので、とにかく読みやすい。ありがたい。
入門書として、これだけスルッと入門できた気にさせてくれるものも珍しいと思う。
不勉強な私には、とてもありがたい一冊だった。
(追)東大文三受験を志した後輩が、担任から薦められた1冊、とのこと。
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物を考えたりしゃべったりしている主体が、世の中を観測しながら考えたりしゃべったりしている観測者だとすれば、どこから観測をしているのか? はとても重要だ。主体とは思ったほど自由に自発しているわけではない、という構造主義の考えの基本を、代表的構造主義学者の紹介を通じて味わえる。筆者が諸説からかみくだいた内容は、かなり「わかる言葉」で書かれていて、高度な知見がすんなり頭に入ってくる。考えもしなかった「納得いく話」を聞くとどういうことになるか、というと、簡単に言うと「目からウロコ」という状態になるということです。これは相当面白い読書体験でした。
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これこそ入門書!!!
このところ、あれこれと哲学的の入門的な本を読んでいたが、こんなに読みやすいものはなかった。著者もかなり「わかりやすい」入門書を書くことに重点を置いているようだが、分かりやすいだけでなく「寝ながら読んでも寝てしまわない」くらいに面白い。画期的だ。
新書といえども、専門的な事柄を単純に書くことで「入門」とする本が多い中、構造主義を担う4人の人物の主張を中心に、身の回りにあるわかりやすい事柄や物語をたとえ話としてふんだんに使うことで、分かりにくい言い回しをかみ砕いてくれる。
この著者のほかの著作も読んでみたいと思わせる一冊。
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初めて読んだ哲学書。面白かった。ストロース〜ラカンが記憶に残っていて、それ以外のフーコーとバルトをほとんど忘れてしまったのでそこだけ読み直します。読み直したらもう一つ星をつけます。
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タイトルで圧倒的に損しているような気がするが、ここまでわかりやすく構造主義、というか主なヨーロッパ思想家についてまとめた本は珍しい。
つまり構造主義とは「人が社会を作ってるんじゃなくて、社会に作られてるんだよ私たちは」ということなのだ。
全編面白く読めた。
内田氏のほかの本も読んでみよう。
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構造主義に深く貢献した4人の人物にそれぞれ章を割いて説明している。それぞれの人物に感銘をうけつつも、結局冒頭の内田氏の「入門書が好きな理由」のあたり(それも「内輪受けのカクテル・パーティーネタ」)しか覚えていない(笑)。とりあえず主要な人の名前は覚えられた(笑)。それにしても文春新書の装丁はかわいい!
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自分が学生時代を送った頃には、すでに浅田彰とか栗本慎一郎とかのブームは終わりきっていて、正直、キャンパスでそういった名前を聞くこともほとんどなかった。「レヴィ=ストロースが~~~」とか語り出す人間もいなかったし。と言ってもニューアカ的な見方をすることが古くなっていた、ということではもちろんなく、何かを議論する際には、構造主義的な見方は前提視されていて、その意味では、ポスト構造主義だったわけですね。少なくとも実存主義的な問いで人生を悩む隣人、なんてのは皆無。
ともあれ、そのすでに考える手法としては埋め込まれてしまった構造主義を、真面目に学ぶこともなく学生生活を終えてしまったわけですが、肩肘張らずにこういう本を読めるようになったのは幸せですね。
いろいろな方面で顔を見せている著者ですが、プロフィールみると、専門の欄の一番はじめにフランス現代思想、とあるから、一応本職の仕事のようですね。各人の思想をわかりやすく切り取っていて、すぐに読み終えられます。飛行機の中でさくっと読めました。
実存主義がどのように葬り去られたのか、など歴史的な背景・事件と絡めて読み解くと、より理解が深まりますね。
でもねぇ、著者によると、レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っているそうなのですが、そこはまだ理解できず。まだまだ歳の取り方が足りないようです。
昔、試験監督のバイトをしていたとき、不正行為を見張るのには、前に立って睨みをきかせるより、みんなの後ろにいて、彼らの視界から消えたほうが効果があることを発見し、よく一番後ろに椅子を運んで寝ていました。なんてオレは頭いいんだろう、とか思いながら。
でも、このからくり、ベンサムさんという人が、200年も前に発明していたんですね。
フーコーを引用した本の、パノプティコンから自我を説明するくだりのところで知りました。
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春合宿前日のレポート提出の帰り道、雨宿りも兼ねて立ち寄った古本屋で購入。
合宿に持って行って読むには少し内容が堅かったので結局2回生になってから読むことに。
この本を読んだおかげで哲学基礎論1の認識論がわりと楽しめた感じ。
ただ体系的な本ではないので読んでる間に「ははー」と納得してある程度のネタにはなっても、しっかりと身についてはいない感じ。再読か関連書籍の読書が必要かな。
やっぱり言語学はおもしろそうだなーと思うのだけど、手を出す勇気がなかなか出ないわけで。
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読みやすい。マルクス、フロイト、ニーチェ、ソシュール。ふむふむ。フーコー、ロラン・バルト、レヴィ=ストロース、ジャック・ラカンみんな授業でちょいちょい出てきた人じゃん。