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表題通りレッスンだと受けとると、感覚的な言葉に惑わされるかも。
小説は誰にでも書ける、という立場をとる技巧的な小説講座ではない。世に出ているものは「小説のようなもの」が多いと始めに釘を刺している。
小説の書き方は自分で見つけるしかないと言い切ってさえいる。そのとっかかりを提供する本。
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新書をひさしぶりに買ってしまった。
現役小説家による小説入門2冊目。
こちらは「モノマネの方法」を具体的に示しているのが
面白かった。
2009年2月購入、読了。
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ブラヴォー! 手放しで褒めてしまうのも芸が無いようだけど、これは素晴らしい! 小説を書いている人、書きたいと思っている人だけではなく、小説を愛するすべての人に読んでもらいたい名著です。
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小説とはなんぞや。
小説の技術・テクニック等が書かれているのではなく、もっと抽象的で根本的なことが書かれている。小説の楽しさの原点に戻って(?)、改めてその魅力を感じる本。
★小説は本当に知っていることを書け。
知っているというのは他人の体験を追体験して知ったものではなく、自分が本当に知っていること。
★あることを徹底して考える。行き詰ったら別の角度からもまた考える。
★「おかしな世界」の美しさ・違う世界を存分に味わう。変なことから逃げるのではなく、それを捕まえる。たとえばカフカの「変身」。朝起きたら虫になってしまった!それを怖がるのではなく、観察する。そして面白がることだ。
★まねること!
まねることでよりその世界を知ることができる。その世界を知りたい!!と恋のように徹底的に追い求める。
★なりきる
その言葉をノートに書く。狂った世界を面白いと思えるか、入り込めるか?ズレた笑いを面白いと思えるか。
小説って「自分とちがう世界」に入り込むっていうのが醍醐味なんだよね。紙の上で、自分と違うひとの視点で違う世界を見ることができる。
自分の人生は一度しか送れない。だけど小説って「ある人の世界」を複数の人と共有できるものじゃないかなー。
読んでいたらワクワクしすぎて、電車を乗り過ごした。
小説を書きたい人にもおすすめ。
もっと楽しんで読みたい人にもおすすめ。
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眠れない夜だったので一気読み。
保坂和志が「書きあぐねている人のための小説入門」で褒めていたので読んだのだが、
想像以上によかった。
内容については、一言だけで終わらせます。
これは小説です。
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今までネットでシロートさんが書いている「小説の書き方入門」サイトはいくつか覗いてきました。
でも、こうやってプロの作家が書いてる本は初めてです。
夫から何冊か紹介してもらったうちの一冊。
早稲田の文芸で授業をしていた三田誠広さんの本と迷ったけど、まずはこちらから。
小説の書き方というより、言葉が持つ力を紹介してるような本でした。
テクニックの指導を期待してたけど、ちょっと違ったみたい。
でも、印象的だったことがあります。
それは
「好きな作家の真似をしろ」
というもの。
その人の作品を読んで読んで、次は真似をして書く。
それを続けていると、いつかその人(好きな作家)の視点で物を見たり考えたりできるようになる。
そうすると、作家の真似ごとだったのが、自分の言葉になる、というもの。
小説じゃなくて、音楽でも絵でも応用できそうですね。
今までこの手のことはよく言われてきていたけど、改めて読んでみると深い言葉だなと思ったので書いておきます。
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小説を書き始める前に、たっぷりと時間をとりなさい。
小説をつかまえる、まるでぶたれた犬をつかまえるみたいに。
『たくさんの、一般に小説だと思われている小説たちの周りに、もっと広い範囲にわたって、ことばの塊が、もっと広い意味での「小説」が存在している。
(銀河星雲の)虚空のその果てまで漂っていく、星くずやガスのようなむすうのことば、それらが、しめやかな宇宙の進行の中で、いつか凝縮して、新しい星になり、重力に引き寄せられて、やがて銀河の一員に連なるのなら、幾億千万のそれらを、わたしは、「小説」と呼びたいと思います。』
目からうろこでした。
読みたかった、「小説を書く以前」の執筆入門書でした。
20の鍵
1. なにもはじまっていないこと、小説がまだ書かれていないことをじっくり楽しもう
2. 小説の、最初の一行は、できるだけ我慢して、遅くはじめなけれなならない
3. 待っている間、小説とは、ぜんぜん関係ないことを、考えてみよう
4. 小説を書く前に、クジラに足がなん本あるか調べてみよう
5. 小説を、いつ書きはじめたらいいか、それが、いちばん難しい
6. 小説を書くためには、「バカ」でなければならない
7. 小説に書けるのは、ほんとうに知っていること、だけ
8. 小説は書くものじゃない、つかまえるものだ
9. あることを(小説のことを、でいいでしょう。あるいは、書こうとしているなにかを、もし、なにを書くかきめていなかったとしたら、いったいなにを書けばいいのかを)徹底して考えてみる。考えて、考えて、どうしようもなくなったら、まったく別の角度で考えてみる
10. 世界を、まったくちがうように見る、あるいは、世界が、まったくちがうように見えるまで、待つ
11. 小説と、遊んでやる
12. 向こうから来たボールに対して、本能的にからだを動かせるようになる
13. 小説は、どちらかというと、マジメにつきあう(「交際させてください」と相手の両親に頼むみたいに)より、遊びでつきあった方が、お互いのためになる
14. 小説をつかまえるためには、こっちからも歩いていかなければならない
15. 世界は、(おもしろい)小説で、できている
16. 小説を、あかんぼうがははおやのしゃべることばをまねするように、まねる
17. なにかをもっと知りたいと思う時、いちばんいいやり方は、それをまねすることだ
18. 小説はいう、生きろ、と
19. 小説は、写真の横に、マンガの横に、あらゆるところに、突然、生まれる
20. 自分のことを書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて
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高橋源一郎さんのことだから一般的なハウツー本とは一線を画すんだろうと思って読んだらそのとおり。
なにもシステマティックな理屈やテクニックなど語っていない。
彼なりのユーモアいっぱいに書かれた名著です。
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これを読んだからって確実に小説を書けるようにはならないと思いますが、そんなことはどーでもよくて、小説っておもしろいなーと思わせてくれます。この人の読んでみよー。
わたしは、人間という、この宇宙に偶然に生まれた、不思議な、けれども取るに足らない存在に取り付いている本能、その中でも、もしかしたらその点によってだけ、他の存在と区別されているかも知れない本能、「ここではないどこかへ行きたい」「目の前のその壁の向こうに行きたい」という本能が、小説を生んだと思っています。ならば、それは、人間の存在とともに古いものです。
p.17
ではなぜ教育とか、学校というものがあるのでしょうか。
それは「一日六時間、みんなで同じ机に向かい、先生が書いていることを書き写す」というような無意味なことを、我慢できるような人間を作るためです。
p.8
あかんぼうは、何かをまず考えてから、ことばにするでしょうか。あかんぼうは、まず、言葉を口にするのです。何度も言葉をしているうちに、そのことばと、ははおやから、あるいは外の世界から教えられる、言葉の意味とが結びつくようになるのです。
p.119
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「名文講義」からこっちも読んでみた。
が、いまいち…。
ただ、以下の話は面白いと思った。
+++
人は何かを考えて言葉を口にするのではない。
まず口真似があって、外の世界から教えられることばの意味が、結びつけられる。
だから、いろんな文章のなかから、好きなものを見つけたら、何度も読み、何度も書き写して、次にその文章で、つまり文章の作者の目線で世界を見る。
その目線、感覚があなたに必要なものであれば、それはあなたの中へ根付くでしょう。
2/14読了
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保坂和志が、世にある小説の書き方入門の中で、役に立つのはこの本だけ、というお墨付きがあったので、読んでみたら、この著者は保坂と違って、かなり謙虚。かつ分かりやすくて、「小説を書く」ことの本質を突いている。
何より小説が大好きで大好きで、小説家になってしまったくらいだから、小説への愛情をひしひしと感じる。
なんでもかんでも合理性、成果、スピード、効率、などが叫ばれる中にあって、小説に限らず、「物事」に対する、最も大事なことは何か、を思い出させてくれる一冊。
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p.43 鏡に映った、そのアホ面は、だれなのか。
あっ、わたしか。
と、まぁ何度ニシシと笑わせていただいたことだろう!
独特の小気味よいリズムが刻まれる文章と、ユーモア。それでいて、届いたものに、どしんと胸を突かれた。重い。深い。
こんなに深い物事が、平易、かつ、少し軽薄にも捉えられる文章で、胸に響き、こころを捕まれるなんて!!
この本の中では、二度不快な想いをした。二度、読むのをやめた。そうして、打ちのめされた。著者が「ほら、ごらん」と過去ほくそ笑んだに違いない。
不快な想いは、一時的に怒りを伴ったし、紹介された文章を、社会的道徳を振りかざして弾劾し始めた。そこでハタと気がついた。読むのをやめたのは事実。私は目を背けた。人生の関わりも全く持とうとしていない。つかまえていない!
目の前がすっと広がっていくのがわかる。この本は、文章の書き方や技巧は全く教えていないが、こころを教えてくれた。
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楽しく読みました。
本当に何かを知るいちばんいいやり方はいつだって
「その何かを、わからないまま、やってみる」
やってみればいいんです。
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著者は「教壇」という高所から小説書きの未経験者という下の者(読者)に教えるのでなく、読者を著者と同じく文学と小説を愛する者という、同等の目線におき語りかける。とりたてて腰が低いからというわけでなく、文学の無限の可能性、文学への愛が彼を謙虚にしている。
「少し長いまえがき」を読むのに時間がかかった。会話調のとっつきやすさとは裏腹に、そこに書かれていることは髄の髄といいたくなるほど本質をついていて、なおかつ他の小説家や文学評論家が指摘したことのない「新しい」ものだと思わされた。舗装されていない、誰も歩いたことのない道を歩くように、私はゆっくりと注意しながら読み進んだし、そうするべきだと感じた。例えば「一ついえることは、わたしぐらい小説が好きな小説家は滅多にいないのではないかということです(えへん)。もちろん小説が嫌いな小説家はないはずです(たぶん)」この(たぶん)が重い。「小説のようなもの」を書いている小説家へ向けられた反語的疑問では?小説を書かずに「小説のようなもの」を書いているのは本当に小説を好きじゃないからでは?という。
著者はまた、「読者は保守的」だといい、「読者の楽しみのほとんどは『再演』のたのしみである」こと、「作者はそんな王様のいうことを聞く家来である」が、それはいまの小説の「悲しい実態」だともいっている。そして「傑作」や「芸術」と呼ばれるものがどのように生まれるのかもキチンと説明している。
この「少し長いまえがき」だけでも十分700円の価値がある。
レッスン6の「小説家になるためのブックガイド」も貴重で、ありがたく活用させてもらおうと思う。甚大な読書量の著者が「小説家になるための」リストとして作ったのだから時間がかかったにちがいないし、親切丁寧なコメントは短いが、ビシビシの迫力がある。プロの小説家もこっそり買って自らを叱咤激励するのに読むのではと思う。
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[ 内容 ]
小説は教わって書けるようになるのか?
小説はどう発展してきたのか?
小説にとって重要なのは、ストーリーか、キャラクターか、それとも、描写なのか?
こうした疑問に答える、刺激的で実践的な教室。
さまざまな文体を比較して、練習問題も豊富。
「先生」と「生徒」の対話を追ううちに、小説とは何か、が見えてくるだろう。
[ 目次 ]
まえがき ― 一億三千万人のみなさんへ
基礎篇
レッスン1 小学生のための小説教室
レッスン2 小説の一行目に向かって
レッスン3 小説はまだまだはじまらない
レッスン4 小説をつかまえるために、暗闇の中で目を開き、沈黙の中で耳をすます
実践篇
レッスン5 小説は世界でいちばん楽しいおもちゃ箱
レッスン6 赤ちゃんみたいに真似ることからはじめる、生まれた時、みんな、そうしたように
レッスン6・付録 小説家になるためのブックガイド
レッスン7 小説の世界にもっと深く入ること、そうすれば、いつか
レッスン8 自分の小説を書いてみよう
あとがき
引用文献一覧
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]