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竹光始末というタイトルの意味、それを知りたいなら読んでみて。竹光はあくまで大刀の方だけだったのだが・・・。この武士の得意の剣術は小刀、それが意味することとは。
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知人に勧められて始めて藤沢周平を読んだ。
下級武士のやるせなさを描かせたらこの人、とのことでありましたが…確かに。やるせない。そして現代サラリーマンにも通ずるものがあるように感じた。
私は最後の「遠方より来る」が特にお気に入り。藤沢周平は図書館にたっぷりあったのでこれから読みまくりたいと思う。
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(2003.09.09読了)(2003.06.16購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
世の中変っても、変らないのは男の心―。一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討へと向う浪人の心意気『竹光始末』。口喧しい女房を尻目に、藩の危機を未然に防ぐ一刀流剣士の手柄『恐妻の剣』。他に『石を抱く』『冬の終りに』等、小説巧者藤沢周平が、世の片隅で生きる男たちの意地と度胸を、ユーモラスに、陰翳豊かに描く傑作時代小説全6編。
☆関連図書(既読)
「たそがれ清兵衛」藤沢周平著、新潮文庫、1991.09.25
「市塵(上)」藤沢周平著、講談社文庫、1991.11.15
「市塵(下)」藤沢周平著、講談社文庫、1991.11.15
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短編が6作品収録されている。
主に家を守ろうとする家長が主人公。
「竹光始末」 家族を抱え、仕官を目指す浪人の話。
「恐妻の剣」 恐妻家の主人公が妻の知らぬ間に果たす、藩の重要任務。
「石を抱く」 主人公が働く店のお内儀が抱える秘密。
「冬の終わりに」 やくざ者に追われる男が出会う母子。
「乱心」 主人公の友人で道場仲間の男が持つ闇。
「遠方より来る」 主人公の家に押しかけて来た人物との数日間。
乱心がゾッとするような怖さを感じて心に残った。
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6篇の短編小説集。どの作品も普通の人々に起きる事件、悲劇、喜劇を描く。武士、あるいは男のこだわりの中で展開する話は、仕方なく起きてしまった類のもの。個人的にはユーモアの要素もある「竹光始末」、「遠方より来る」が好きだった。「石を抱く」「乱心」は少し悲惨すぎる。
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別に藩をひっくり返すような大きな出来事があるわけではない。
江戸時代を舞台にしたサザエさんみたいなものだろうか。
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「竹光始末」は数ある藤沢作品の中でも大好きな作品の一つ。主人公の丹十郎ほか、その家族、登場人物皆が人間味ゆたかで、基本良い人。貧しくても颯爽とし、家族を愛する丹十郎に憧れる。
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実家で父が買っていた本を時々読んでいて面白かったので、この作者の本を借りてみた。
短編でさらっと読めるけどあまり心に残るものがないかも。
時代設定もあり、どの話も殺しのシーンや立ち回りが入ったりするけどそれが非常に淡々と描かれている。
どの話も主人公が男性で、武士というところが私からは遠く離れた存在であり(生き様とか背負ってるものとか)、いまいち感情移入できないところが原因かも。
殿方が空いた時間にさらっと読む本だろうな・・と思った。
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これも短編集で、いつもながら人間のいろいろな生き方、悲哀、その中でまったくの不幸でもない「災い転じて福となす」みたいな話しも、ある。
まったく・・・。
みんな自分の生活に精一杯の毎日の中で、誰かの世話をしたりされたり、その中でいろいろ思い葛藤しながら生きているのだなぁと思う。
それは今も昔も変わりない。
またたった一つのこと(人)を守るために、途方もない苦労や苦痛も耐えられるものだ、と。
人間とは気持ちの持ちようでどのようにも変わるもんだとしみじみ思う。
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旅行をするにあたり、はずれのない藤沢周平の短編集を選択。パースのYHAに置いてきたけど、また誰かが読んでくれているといいな〜
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全6編収録。藤沢作品は心が落ち着きます。藤沢さんの時代小説は、人の心を顕著に浮かび上がらせ、見せてくれます。現代小説で読むよりも、喜怒哀楽すべてがしみこんできます。時代が変わっても、男の心はかわらないと思いますが、時代小説として書いてもらうとより一層理解に近づける気がします。
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<構成>
竹光始末
恐妻の剣
石を抱く
冬の終りに
乱心
遠方より来る
あとがき
解説(駒田信二)
=====================
表題作「竹光始末」をはじめ、6つの短編を収録。
個人的には「遠方より来る」が好き。三崎甚平の元にある日突然やってきた平九郎が憎めない。この話がいいなと思う時点で、ちょっと年とったな…と自分の心惹かれる点が変わっていることに気づいたりしました。
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いつもながらの、安定した良い作品たち。登場人物達の涼やかで優しい心持ちに、読後に思わずほぅ…と息をついてしまう。
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世の片隅で生きる男たちの意地と度胸を、ユーモラスに、陰翳豊かに描く時代小説全6編。表題作の《竹光始末》親子夫婦連れの浪人一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討へと向う浪人丹十郎の心意気《恐妻の剣》口喧しい女房を尻目に、藩の危機を未然に防ぐ一刀流剣士作十郎の手柄《石を抱く》勤める店の浮気をする旦那の女房に同情し懇意になってしまった直太は,やくざな弟を脅すが…《冬の終わりに》賭場で50両もの大金を手に入れてしまった版木職人磯吉は勝ち逃げを図るのだが…逃げ込んだ先は…。
《乱心》妻が不義を働いているという噂のある剣友は、その素行の悪い噂のある上司と共に、出府を命じられたのだが…。《遠方より来る》大坂夏の陣で知り合った男平九朗に,突然押し掛けられてきた甚平は…妻の非難を抑え見かけは堂々として貫禄のある平九朗の奉公の後押しをするのだが…。☆短編ながら読み出すと、すっと入り込める温かい人情を感じる作品。
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表題作を含む6篇からなる短編集。ここに描かれる江戸(時代としての)は、例えば宮部みゆきの描く明るい「お江戸」とは、はなはだしく異なっている。暗く哀感を噛みしめるような江戸だ。いずれも、下級武士や下層の町人を主人公にしているが、彼ら自身がどうにもしようのない環境の中で、それでも生きていかなければならない生を描きだしていくのである。6篇中では、不条理な趣さえある「乱心」にもっとも魅力を感じる。