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なんだかはっきりしない男を書かせたら、やっぱりこの人だな
2022/01/24 12:33
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
蝦蛄を食べまくる二人(さやさや)、とにかく逃げる二人(溺レる)、別れよようとする二人(亀が鳴く)、痛い挿入をする二人(可哀相)、食べたものを吐きまくる二人(七面鳥が)、百年前に心中しようとした二人(百年)、虫の話に怯える二人(神虫)、不死になってしまった二人(無明)、と今回も作者らしいへんてこなカップルが次から次へと登場する、どの二人も中年なので、その気持ちわかるということが結構登場する、セリフのひとつひとつがしみこむ。「七面鳥が」あたりまでは、川上氏にしては不思議度が少ないないなと思って飛んでいたが(もちろん、作品自体には満足している)、やっぱり、百年ぐらいから川上ワールドが炸裂してきた。なんだかはっきりしない男を書かせたら、やっぱりこの人だな
淡々と
2004/03/21 21:53
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投稿者:トラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間には情熱的な感情と冷静な感情が存在しますが、その両方がほどよく書けていました。
どっちかに偏って書かれているとなんだか読みにくく嘘っぽくおもえてしまうのですが、ほどよく書かれているのでストーリーに入り込んでしまいました。
正直に面白いとおもいました。
溺れる。
2022/05/02 11:22
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
周りが見えなくなる。考えなくなる。ただそれだけになる。溺れたいのかわからない。溺れているのかわからない。苦しいような、気持ちいいような。夢現。そんな状態になりたいような、なりたくないような。
なんだコレハ。毒が入ってるじゃないか。どくいりどくいり。
2008/06/23 22:49
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
全般的にダメ女がダメ男と逃げ続ける短編集。
なんだか人生をとりとめもなく逃げていく。
なんだか人生からとりとめもなくこぼれていく。
どこへ行きたいかなど考える余地もなく、ただ逃げることが目的で。
っていうかひどいのになると死んだあともまだ逃げ続けていたりして。
猟奇的。倒錯的。幼児退行的。ひとことで言ってビョーキ。
こういうのもありだろうと思う。思うがそもそも理解不能。
駆け落ちなんてものはでもソンナモンカネ。
それにしてもこわいよ、この小説。うつになりそー。男性は読むべきじゃない本だね、少なくとも。思考回路がカクランされてしまうだけだ。過去も未来も亡くしてしまって、もはやあわあわと人生を送るしかない自分に狼狽してしまうだけなのだよ。
なにがこわいかっていうと
○時間感覚がめちゃくちゃだよ
○方向感覚もないね
○意味も脈絡もないし
○背景も真っ黒なんもなし
○然るべきところに然るべき文字をしようしないことがある
○あと小説なのに女言葉つかってないわ
○要するにすべての境界がもはやアイマイ
ラリってる小説として認定シマス
ラリってるっていえば、しりあがり寿の『弥次喜多inDEEP』がちょうどこんな感じだね。