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雲南の妻 みんなのレビュー

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みんなのレビュー21件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (9件)
  • 星 4 (9件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
21 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

妻は自分の一部…とは身勝手なのか愛情なのか

2009/02/15 13:46

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:菜摘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

数奇な運命を通して夫婦、人と人のつながりを描いた作品。中国の少数民族の風習も知ることができ大変興味深い。夫婦とは何か、夫と妻の考え方とはここまで違うのか、と考えさせられる。

少数民族の風習にのっとり 『妻』 を娶った敦子が、帰国する際に妻である英姫を連れて行きたがった気持ちはよく分かる、敦子にとって既に英姫は 『自分の一部』 になってしまっていたのだ。妻は自分の一部…こういう考え方は夫(男性)的なのか、妻(女性)的なのか、それも考えさせられる。
しかしこうした女が妻を娶る、という奇妙な風習はやはり中国、雲南という秘境の地であってこそ成り立つ関係であり、英姫の取った行動も敦子の諦めも当然仕方のないことなのだろう。

構成も見事。物語は初老の敦子が昔を回想することで語られているが、雲南での暮らしを思い出すきっかけとなったのも、敦子のボランティア先で出会った講師の男性が語った、彼の夢に出てきたという異国の家族の話という箇所。男性は夢の中のことであったのに生々しく、忘れられないのだと言う。

同様にして敦子にとっても雲南での暮らし、英姫との結婚生活は夢のようであったのだが、現実であったのだ。それが美しくも儚くも、悲しくもある。

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紙の本

雲南の少数民族の不思議な暮らし

2020/10/09 14:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルにある「雲南」は、中国の南端に位置する場所。
雲南省を地図で確認するとハノイ、ラオス、ミャンマーなどと国境で接する東南アジア地帯で、複雑な等高線の感じから見ても、人々の住む場所は、山と谷に細かくさえぎられて、なるほど多くの違う民族がそれぞれの文化を尊重しながら暮らしていくことができるような場所だ。
物語は、貿易を営む夫とともにその地へやってきた日本人女性が少数民族の女性とさらに結婚して、男性+女性の夫婦の生活にもうひとり妻の女が加わり、3人で暮らす不思議な話。少数民族の女性は妻の妻であって、夫とは関係がない。
少数民族の生活の中にふつうにある「結婚」の形態で、「結婚しないと一人前」と認められない代わりに、女は、女と結婚してもいいし、男と結婚してもいいというフィクションなのかノンフィクションなのかわからないエピソードにもとずく話。

日本人の女は、少数民族出身のその妻に聞く。
「もしこどもが欲しくなったらどうするの?」
妻は応える。
「一度離婚して、新たに男性と結婚します。」
「随分簡単なのね」
「日本人はお金持ちだから、離婚も結婚も難しいですよね」

お金は、人間の優れた発明だけれど。いつのまにか、その道具をうまく使いこなせなくなっていることを思い知らされる。
地球という尺度で測ったら、ほんのすぐ近くでたぶん今でも続いている人々の日常。しかし、意識を尺度にしたら、もうとてつもなく遠い物語を、この作家はいつも書き続けている気がする。

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紙の本

中国茶が飲みたくなる

2004/03/03 00:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆうーん - この投稿者のレビュー一覧を見る

中国茶の香りがふくふくと漂ってくる小説だった。

中国茶の香りに包まれながら、夢のような世界を主人公と一緒に漂った気がする。
正直、同性婚なんて面倒くさい。
でも主人公が夫と「妻」の寝室を交替に通う姿はなんだか羨ましさも感じてしまう。
妻達が深い友情のもとに幸せに暮らしている姿は、夫の幸せである、そんな言葉が出てくるが、もともと学生時代から女同士の密なる友情を育んだ経験のない私にとっては「そうなのか?」としか思えない。
ましてや子どもと密なる愛の世界?を築いている身にはとても非現実な世界だ。

でも、それでも、なぜかここに描かれる世界にはとても惹かれてしまうのだ。
密やかな、女同士だけが許される秘密……。

読み終わったら、極上の中国茶が飲みたくなってきた。

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紙の本

男1人女2人

2018/05/16 03:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

3人の男女の奇妙な共同生活が味わい深かったです。恋愛や結婚の観念に捉われることのない生き方が伝わってきました。

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紙の本

とりあえず、あの人には内緒にしておこう。

2003/05/11 19:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アベイズミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「雲南の妻」を半ば近くも読み進めた頃、連れあいにオススメをした。

「なかなか面白いよ。中国茶を飲む場面だとか、雲南の風景なんかがいい感じだよ。終わったら回すから、読んでごらんよ」と、言ったのを覚えている。

私も連れあいも、面白かった本に出会うと「読んでごらんよ」と、回しっこをする。すぐに読むこともあれば、しばらく積まれたまんまになることもあるけれど。お互いに読み終わり、一言二言感想を言いあうのが、楽しいのだ。

なのに私は、フカフカの毛布に潜り込み、この小説を一気に終いまで読みきって、途方に暮れてしまったのだ。

「どうだった?」と訪ねてくる彼に、私は「う〜ん」と、曖昧な返事を返すことしか出来なかった。うっすらと張り付いてくる、この後ろめたさはナンダロウか。まるで「共犯者」になってしまったような、この気分はナンダロウか。そんなことを考えていたから。

ここに書かれている世界は、女が女を娶るという、アブノーマルな世界ではある。あるけれど、生々しさやいやらしさは感じられない。「後ろめたい」と書いたけれども、むしろ伝わったのは、強さであり健やかさだった。女同士で集まってするたわいのないお喋りを聞くような、心地よさであった。そもそも女同士の結婚は、山深い少数民族の間で起こった、働き手の確保のようなモノ。働き者の女同士が、友情のような絆で結ばれて田畑を守っていくという、実に叶ったものなのである。

中国人は「茶に酔う」と言うけれど、まさにこの本にもそんな酩酊感が漂っている。雲南という土地がもたらす描写のせいなのだろうか。「村田喜代子」という人の筆のせいなのだろうか。ゆらりふわりと、次第にいい気持ちになっていく。ここであってここではないような。よい香りに包まれていくような。トロリとした甘い時間が流れているような。読んでいる私も、少し酔っぱらっているような不思議な気持ちに包まれていた。

まるで、一時の濃く鮮やかな夢のよう。


そしてもう一度、私が感じた「後ろめたさ」を考えてみる。女にとっての「結婚」とは何かと思いは行き当たる。ここに出で来る「英姫」という娘は「男」が必要なのはセックスの時だけと言い切っている。そのセックスも「女」である主人「敦子」との静かな、たわいのない営みの中で不満などないという。大きな木に体を巻き付け、木と交わるようにして自分の気を整えていくこの娘に、やはり「男」など要らないのだろうか。

そして、この小説を読む私には、やはり夫があった。主人公の「敦子」のように二重婚でもしているような不思議な気持ちになってしまった。私の背後にも、「敦子」の妻「英姫」が寄り添っている。まるで永遠の妻になってしまったように。

私は普段夫に不満を感じた事はない。ない。と言い切ったものの、この小説を読んでいると、正直分からなくなってくる。私は彼を「男」とは見ない。もっと近しいものとして捉えている。それでも時々本当に時々、得体のしれない他人と暮らしているように感じることがあるのだから。

この本を読んでいると、自分の中にある深くて暗い井戸の底を、のぞき込んでいるようだ。その中にどんな種が眠っているのかと、確かめてみたくもなる。でもそれは怖いことなのだ。

私は「男」を求めているのだろうか。何処かで、細胞レベルで、私は彼らを憎んでいやしないだろうか。

この本の後味を何といったらいいのだろうか。酔っぱらってはいるのだけれど、どこかでしっかりと醒めている。とでも言えばいいだろうか?

とりあえず、この本は連れあいにはオススメしない。それだけは確かである。

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2006/03/22 17:04

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2007/08/20 00:27

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2008/10/05 20:26

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2008/12/15 02:18

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2010/04/25 11:06

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2011/12/08 21:36

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2018/07/06 06:58

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2018/11/23 19:04

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