紙の本
藤原道長が妖異と対決!!
2006/10/18 22:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
平安の世、まだ人が目に見えぬモノを畏れ敬った時代、京の都に起きる怪異の数々。立ち向かうは、若き日の藤原道長と楽士の少年、秦真比呂(はた・の・まひろ)。雅楽の妙なる音色のなか語られる妖異譚十編を納めた短編集。
平安時代で妖異譚というと真っ先に陰陽師安部清明が思い浮かぶところですが、妖異と対決するのに藤原道長を起用したのは、とてもおもしろいことだと思います。一族の女を次々と送り込み、皇室までもを意のままに操れるほどの巨大な権力を持ち、「この世をば・・・」の歌に見られるような傲岸不遜な人物というイメージが強い道長ですが、本作ではまだ権力を手に入れる前の二十代半ば、凛々しく心優しく描かれていて好感が持てます。一方、類稀なる楽器演奏の技を持ち、常に神秘さを漂わせている秦真比呂、なかなかよいコンビです。
ただ、真比呂が楽器や音楽の力で妖しのモノを退治・成仏・調伏していくのに対し、道長はそれを見ているだけということが多く、もっと活躍させればいいのにと不満に思っていたら、長編『道長の冒険』では、囚われの身となった真比呂を助けるべく、道長が大冒険大活躍を繰りひろげる内容なのだとか。楽しみです。
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魑魅魍魎が徘徊する都、平安京でおこる不思議な?物語。
平安京とか悪霊とかそういうのが好きな方は楽しく読めると思います。文がとても綺麗です。
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平岩弓枝と言えば「御宿かわせみ」。
こんなのも書いてるんですね。
全編楽器にまつわり、楽器に宿るものの話です。
道長の危機を楽器の精が知らせるなんて良いくだりです。
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平安朝、妖が登場し特殊な能力を持つ人物が謎を解く、夢枕獏の陰陽師に似た雰囲気があります。唐突な終わり方で次作が楽しみであるような心配であるような...
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面白かったです。道長が私の盛っていたイメージと全然違っていたのですが、この本にある道長さん、すっごく好感持てますね。また、真比呂の謎っぷりも大好きです。
平安時代の雅さと、ちょっと暗い部分。人の心の闇というか、不思議さというか、妖怪というか妖魔というか、そういうものが好きな人にはたまらない一冊だと思います。ホラーはダメだけど、こういう妖しい雰囲気は大好きなのですごくはまって読みました。
全部の話が音楽に繋がっていて、それもまたすごく良かった。どろどろしているようで、そうでなく、さらりとした風を感じるような一冊です。
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平安時代は人々の心の不安つけ込んで妖怪、怨霊、陰陽師、呪術師が社会を支配していた。
江戸時代よりその傾向が強い。その辺りが興味深い。
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チョー好み!!!もうドツボに私好みな作品です。平岩さんが京極夏彦風に書いちゃったみたいな世界観。
時は平安 藤原家の全盛期。藤原道長と 宮廷の楽人のフシギな少年 秦 真比呂が 平安の都に起こる 雅楽の楽器をめぐる怪異を体験し 収める というような事件が10編。平岩さんは現代ものか江戸ものばかりを読んでいたのですが 平安の雅を彼女の描写力で描いたこの 匂うほどのあでやかさ 眩暈モノです。いつもながら 人物の会話 情景描写の美しさに加え 物語の中心を貫く雅楽の調べの表現がもう。。
〜人々の耳を駆け抜けたのは百花繚乱の上に弧を描いた七色の虹の音色であった〜
ってもう想像するだに感涙です(T∀T)ダー いちばん好きだったのは「花と楽人」 。桜の老木を蘇らせようと 全国から花守を集めて丹精させ、満開の花を再び咲かせる摂政。しかし謎の女のフシギな夢とともに摂政は精を失ってゆく。。 土に還る運命を黄金にて買い戻そうとする天命に背く行いであると桜の化身が訴えていたのであった てな展開。人間の浅はかな勘違いを思い知らされた気がします。 これ一度読んでください。オススメ。
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不思議な力を持つ楽師の少年が藤原道長と共に、平安の都に起こる怪異を解決していく。
陰陽師の時代に、楽師の少年が物の怪を音楽の力で退治るところが面白い。道長も好漢なのが新鮮です。
妖怪などを好きな方は面白く読めると思います。
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「人が毎年、同じことを繰り返すのは、繰り返すことが永遠につながると信じているからでございます」
そうなのか!!そうかも!?
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藤原道長を不思議な少年、秦真比呂が助け、物の怪に挑む。平安時代の人々と物の怪の距離感の近さが伝わってくる、読み応えのある作品。
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図書館で。
藤原道長ってどちらかというと悪役でそれも悪の親玉みたいな扱いをされているフィクションが多いと思うのですがこれは珍しくも善玉。しかも結構良い人。それが珍しい(笑)
陰陽師の陰陽氏が出てこないで楽師が色々解決していく版、みたいな。平安時代ならあってもおかしくないのかもなあ、というようなお話でした。まあでも陰陽師の方が面白いかなあ。続きもあるそうなので気がむいたら読んでみようと思います。
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平安京に起る怪異を藤原道長さんと秦真比呂くんという少年楽士さんが解決する一話完結シリーズ。
夢枕獏さんの『陰陽師』と同じジャンル。
雅楽の知識が必ず絡んできます。
確かに面白いんだけど『陰陽師』に比べると登場人物たちに魅力がない。
真比呂くんは神仙の血を引いてるっぽいけれど、妙に無色透明・清廉潔白すぎて、キャラクターとして惹きつけられるものはありませんでした。
道長さんが良い人キャラなのは、別にかまわないんだけどね…。
ジャンルは好き。
でも『陰陽師』のが好き。
折井宏光さんの挿絵は良かったです。
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平安の都に跋扈する怪異を、主役とその相棒が解決してゆく・・・というスタイルの怪異譚で、
夢枕獏の「陰陽師」と同スタイルの短編集。
こちらは、雅楽器をキーワードとし、名器であるが故に魂を持ち、怪異を引き起こすという
経緯をたどる。
著者が八幡宮に仕える家系の生まれのためか、雅楽や雅楽器への深い造詣が、無理なく
物語りにいかされている。
謎解きや怪異を解決するプロセスなどのエンタテインメント性では、
夢枕獏にやや軍配が上がるか。
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皆様が仰るように、「陰陽師」よりエンタメ性は低いけど、道長が良い人!舅姑とも円満で微笑ましい。ただ私、邦楽に疎くて、楽器絡みのエピソードが楽しめなかった。
個人的には、定子を挟んでの高階貴子vs詮子とか、見たかったなぁ。第1話で兼家が亡くなって、道隆が呑んでて…この人はどこのお話に出てきても、いつも「呑兵衛」扱い。ちょっと気の毒(爆)。源雅信とか源高明とかのもうひと世代上が分かってると、更に楽しめたかも。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2004/11/post_8.html