紙の本
ノーベル物理学賞を受賞した小柴氏によるニュートリノの世界です!
2020/02/24 17:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ニュートリノの発見でノーベル賞を受賞した小柴氏によって語られるニュートリノの世界を垣間見せてくれる貴重な一冊です。2002年のニュートリノの発見は、いままで見えなかった宇宙の奥深くまで観測することを可能にしました。この宇宙観測の技術進化によって、宇宙誕生の1秒後の姿からミッシングマスの正体までが分るようになっています。同書では、「第1章 物理との出会い」、「第2章 素粒子とそれらの間に働く力」、「第3章 星の一生と元素の創生」、「第4章 宇宙のはじまり」、「第5章 ニュートリノ天体物理学の誕生(カミオカンデ)」、「第6章 更なる発展(スーパーカミオカンデ)」、「第7章 これから何処へ」という内容構成で、ニュートリノの世界を見せてくれる画期的な科学書です!
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高校入試の面接時に、最近のニュースで興味を持ったことは?と聞かれ、小柴さん田中さんのノーベル賞受賞について語った時のベースになった本。私、理系の物理選択者だけど、教科書もこのぐらい書いてくれたら面白いのになーって思います。
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同時にノーベル賞を取られた島津の田中氏の方に目が向きがちだけど、ワタシに取ってはコッチが神様(笑)カミオカンデの小柴教授の御本です。前書きによると、どうやら中学生の教授のお孫さんで3分の1、娘さんで半分は内容が理解出来た…ってんだけど、下手すりゃ自分って中学生以下か?と自信を無くす恐れがあります(滅)前半の専門用語の嵐に耐え抜くことが出来れば面白いけど…まぁ一番面白かったのは教授の自伝かな?(オイ)つか学者面せずに自らをして物理屋と名乗るその生き方がすごくカコ良いです…!(尊敬
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(2007.07.16読了)(2006.04.22購入)
副題「知られざる宇宙の姿を透視する」
ノーベル物理学賞を受賞した、小柴さんの専門分野の啓蒙書です。「高校で物理を取った人なら、問題なく理解できることを願っています。」ということなのですが、高校で物理を取ったにもかかわらず、かなり難しかった。
すでに読んだ、自伝的な本は、楽しく読めたのですが、この本はそうは行きませんでした。素粒子に関する本をもっと読んでみるしかなさそうです。
●物理学の目的(40頁)
・物が動く、衝突する、形が変わる、そういうことの理解
・私たちが住み、そして感じ、眺めているすべての自然現象を統一的に理解したい
●素粒子はいくつあるか(71頁)
自然界にある物質は何からできているのかということが長い間研究されてきました。「空気の発見」(三宅泰雄著、角川ソフィア文庫)などを読めば、その辺のことは分かります。
その答えとして出てきたのが原子(アトム)だったのですが、原子は、電子と陽子と中性子からできていることがわかりました。これで終わりだったら分かりやすいのですが、さらに素粒子の存在が明らかになってきました。
素粒子には、3つのファミリーがあり、各ファミリーに15の素粒子が存在する・・・、したがって、少なくとも45の異なる素粒子が存在する。それぞれに、反粒子の存在が考えられているので、90個の異なる素粒子があって、それらが宇宙の基本的な素粒子であるというのが現在の見方です。
●答えになっている?(77頁)
「ハトはよそへ持っていって放すと必ず巣へ戻ってくる、いったいなぜだ」
「それは帰巣本能があるからだ」
●鉄より重い元素(107頁)
宇宙にいま観測されている鉄より重い元素は、おそらく宇宙でこれまでに起こった超新星爆発のときに合成された重い元素だろうと理解されています。
●暗黒物質(121頁)
宇宙の中には、私たちが光で観測できる物質とは別に、光を全然出さない物質が相当あるのではないか、宇宙全体で言えば、9割くらいは光では全然わからない物質ではないかといわれています。
☆小柴昌俊さんの本(既読)
「心に夢のタマゴを持とう」小柴昌俊著、講談社文庫、2002.11.25
「やれば、できる。」小柴昌俊著、新潮文庫、2004.08.01
著者 小柴昌俊
1926年 愛知県生まれ
東京大学理学部物理学科卒業
東京大学名誉教授
2002年 ノーベル物理学賞受賞
(2007年9月1日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
あらゆる物質を通り抜けてしまう不思議な粒子ニュートリノを観測することによって、いままで見えなかった宇宙の奥の奥まで見ることができるようになった。宇宙誕生の1秒後の姿からミッシングマスの正体まで、知られざる宇宙の実像が浮き彫りにされる。
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知られざる宇宙の姿を透視する~全体の最初と最後は「物理屋に・・・」「やればできる」と同じだが,「素粒子とその間にはたらく力」「星の一生と元素の創生」「宇宙の始まり」が目新しい部分で,素粒子と考えられていた陽子がuudと三つのクォークからなり,クォークは安定した状態では観測できない。そこで電子を陽子にぶつけてベータ崩壊で放出されるニュートリノを観測できれば謎の解明に一歩近づく。ニュートリノは無数に降ってくるので,純水の陽子にぶつかって出来るチェレンコフ光が円錐状に広がるのを観測するためにカオカンデを計画し,運良く超新星爆発を観測して,この装置の信頼度を高めることができたが,まだ謎はあり,太陽から放出されるニュートリノを精確に観測して,理論屋が理論を崩して,新理論が出るのを期待する~電荷素粒子は観測しやすいが,中性子は観測しにくい。見えないから,質量があるかどうかも解らないわけだ。質量があることが観測結果から解明され,従来の太陽モデルにも変更が必要になった。高速K ̄中間子が水素書く用紙と衝突してΩ ̄とKーになりそのΩ ̄が少し走ってπ ̄と中性子に壊れ,中性子が少し走ってガンマ線Aーとに壊れ,ガンマ線は電子と陽電子対に壊れていく・・・Ω ̄の曲がり具合が尋常じゃないんだよね。何年かに数度の超新星爆発よりも太陽観察の方が実績が上がるってのも納得。大マゼラン星雲の超新星爆発が注目を集め,信頼できる装置だと認められたのは素晴らしい偶然だ。こうした基礎物理学の研究が役に立つと素晴らしい。それにしても,理論物理学者を理論屋と呼び,自らは実験屋と呼ぶのは,如何なモノだろうか?
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ニュートリノには質量がある、なんて普通は知らないことを一般に広く知らしめた人物、小柴昌俊氏によるニュートリノ天体物理学の説明本。
本人が中2の孫娘と母に読んでもらい解説を加えたと言っているとおり、分かりやすくしようとしたのかまず自身の半生を振り返るところから始まり、エピソード重視で話が進んでいきます。
しかし、第3章星の一生と元素生成、第4章宇宙のはじまりあたりからだんだんと難しくなり、理解が困難になってきます。いろんなニュートリノが出てくるけど違いが分からないというか、あまり事柄の相互作用が分からなかったというか。
その後はカミオカンデの取得データの解釈や今後の発展についてのお話。
最後は読者への宿題も残されます。(今では答え出てるんでしょうかね?)
天体物理学の歴史および小柴先生の歴史については流れを理解できましたが、肝心の宇宙誕生については説明できる自信がないですね。もうちょい素直に読めばもっと理解できたかもしれないかな・・・
なお、2002年11月発行の本書ですが、ノーベル物理学賞の受賞は2002年10月。過去作の改訂とはいえ、僅かな期間でここまでの内容を出版した小柴先生にもブルーバックス編集者にもその実力に脱帽です。
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カミオカンデの小柴さんの本だが,2002年だけあって古い.「いろいろ」「さまざま」といった表現で細部を割愛されているのが残念.
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2002年ノーベル物理学賞の小柴さんによる、ご自身の研究分野の解説書。いかにも実験屋さんらしく観測機器の話から入っているのはよいが、説明にぶっきらぼうなところがあり、理解を妨げる。例えば167ページ図6-5で天頂角分布の角度依存性がエネルギーに依存する理由が記述されていないなど。あと巻末の読者チャレンジでも2乗して1000では?とか。とはいえ、ニュートリノ天文学という分野自体、将来に向けての大きな可能性を感じさせる一冊である。
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ノーベル物理学賞受賞者の著書をわかりやすく書き改めたものです。その帯には「中2の孫娘には3分の1以上、その母親には半分以上わかった」と書かれています。学生時代物理学を専攻していた私は、7分の1しか理解することができませんでした。帯が誇大広告なのか、私の頭がどうかしてしまったのか、それは読んで判断して下さい。私が理解できたのは第1章の「物理との出会い」だけです。でもそれだけで十分本書を読んだ意味があります。著者が中学時代入院していて数学の先生から本をプレゼントされたそうです。アインシュタイン・インフェルト「物理学はいかに創られたか」。これは私が大学入試に向かう特急電車の中で読んでいた本でもあります。私が唯一著作集をそろえている朝永振一郎先生が小柴先生の仲人だったり、別の先輩の結婚式で朝永先生が「今日の花婿には物理は教えましたが、酒は教えませんでした。小柴君には酒は教えましたが、物理は教えませんでした。」なんていうスピーチをされたというエピソードを読むだけで、私は大喜びです。南部陽一郎先生、西島和彦先生、早川幸男先生などの名前を見るだけでもわくわくします。そう、しばらく忘れていましたが、私は高校生のころ素粒子物理学というものにとてもあこがれていたのです。「大統一理論」などということばは見るだけで興奮したものです。中身がよく(数学的に)わかっていなくても。ずっと大学院に進学して研究をしてみたいと思っていました。古典力学、電磁気学から量子力学へと進む中で落ちこぼれてしまって、あるいは他に目が向いて、夢は果たせませんでしたが、今でも素粒子の名前を見たり、霧箱の写真(素粒子が飛んで衝突しているようすがわかるもの)を見たりすると結構ドキドキわくわくするものなんです。そのことに、本書を読んでいて気がつきました。とくにカミオカンデで陽子崩壊の研究をするというのは計画段階から見聞きしていて、どんな結果が出るのだろうかととても楽しみにしていました。内容にしっかりついていくことはできませんでしたが、高校時代にタイムスリップでもしたような気分で1冊読み通すことができました。
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わかりやすさという観点では少し物足りないかな
2002の本だというのも理由かもしれない
てことでおすすめ度は2
第1章の著者の経歴みたいなのはやっぱり面白い
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著者は、ノーベル賞受賞物理学者、小柴博士。前書きにあるように素人にも理解できるように書いたらしく分かり易い。が、その反面あまり面白くない。ニュートリノを観測することで「宇宙とは?」という命題に答えるのが著者の学者としての使命であったのだろうから、読者の理解を優先するよりも、事実をダイレクトに伝えるほうに力を入れても良かったのではないだろうか。
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