- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
がん遺伝子を追う 発見レースの最前線 みんなのレビュー
- マイケル・ウォルドホルツ (著), 大平 裕司 (訳)
- 税込価格:3,080円(28pt)
- 出版社:朝日新聞社
- 発行年月:2002.12
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
紙の本
真実を追い求めて
2017/10/15 08:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャーナリストとして、癌の真相に迫っていく様子には胸を打たれました。医療の発達と倫理の間で揺れ動く人たちも印象深かったです。
紙の本
新発見を巡るレースと、それに翻弄される人々
2003/01/15 18:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松浦晋也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
がんは今なお我々にとってもっとも身近な難病だ。が、科学に進歩は目覚ましく、その正体はここ10年ほどで急速に解明されつつある。がんは、遺伝子の異常が起こしていたのだ。本書は1970年代後半から現在にいたるまでのがん研究の実態と、それが社会にもたらした影響を追ったもの。著者はウォール・ストリート・ジャーナルの科学担当記者を長く務めた医学報道のプロである。
冒頭、1992年の乳がん遺伝子発見と、その発見がある女性の運命を変えたという、劇的なエピソードが披露される。一族の多くが乳がんを患う家系に生まれた彼女は、事前に乳房を切除する手術を受ける寸前だった。しかし彼女が乳がん遺伝子を受け継いでいないことが遺伝子検査で判明する。手術を受けなくてもよくなったのだ。
これは医学の福音だが、同時に複雑な倫理的問題をも提起することになった。果たして人は、自分ががんの原因遺伝子を受け継いでいるということに耐えられるのか、生命保険や就職などで差別が起きはしないか——社会に巻き起こる混乱を尻目に、研究者たちはがんの原因となる遺伝子の変異を巡って激烈なレースを繰り広げる。家系図が完備しているモルモン教徒の記録から、特異的にがんを患う家系が抽出され、彼らの遺伝子からがんの原因となる部位がすこしずつ特定されていく。
研究者相互の争い、がん家系に生まれた人々の悩みと葛藤、がん遺伝子に関する科学解説が、巧みな語り口の中にバランス良く盛り込まれている。「読書が遅くて」という人も3日もあれば読了できるだろう。がんに限らず健康に不安を感じている人、特に女性にお薦めしたい本だ。みのもんたのテレビ番組を見て、ココアやざくろを買いにスーパーに走る前に、まず本書を読もう。不安は無知からくる。知識こそが力なのだ。
本書が生半可な健康法よりも、不安解消に効くことを保証する。
(松浦晋也/ノンフィクション・ライター)
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |