サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

阿修羅ガール みんなのレビュー

第16回三島由紀夫賞 受賞作品

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー143件

みんなの評価3.4

評価内訳

132 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

この作品で舞城は新たな一歩を踏み出した、みたいなコピーがあったけど、いやいや舞城は登場したときから、私たちの何歩も先を行ってたんだぞ

2003/05/04 22:21

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今までも、分類不能な小説にたびたび出逢ってきたが、21世紀に彗星のごとく登場した文圧の持ち主、ブラックホールもかくやとでも言いたくなる異才、舞城王太郎が描く学園小説。というわけで、娘が通う中学校が「あなたが子供に薦める本」というアンケートを求めてきたので、嬉々として舞城のこの作品をあげたら、見事にというか理不尽にも黙殺されてしまった。現在を見つめることを逃げて、何が教育であるか、と母は怒るのだった。

セーラー服姿の少女が、季節の頃は初夏だろう、踏切を渡る姿が何とも清々しいカバー。その写真は、佐内正史の『女生徒』(作品社)よりと、巻末にデータが載っている。モデルは清水真美、括弧がきで(イトーカンパニー)と書いてある。思わずこの娘がプロ?と首を傾げたくなる。軽装本だが、新潮社装幀室のデザインは切れが良くて、色合いが抜群。写真のバランスも絶妙。

小説は三部構成、第一部「アルマゲドン」は、舞城らしい切れ目の少ない文章が、読者の目に流れ込み、まさに文圧を感じさせる部分。冒頭、少女の罵倒というか嘆きから始まる。彼女の名前はカツラアイコ、小六で既に身長百六十センチだったという、現在高校三年生(多分)。彼女が叫んでいる場所は、連れ込みホテル。好きでも無い佐野明彦とやっちゃったことを悔やむ。そして、延々とチンチンについてのレトリックを展開する。高校生らしい愚かな男の言動、顔射に対する怒り、カタカナ混じりの文は、舞城の独壇場。

そして、アイコが告白する金田陽治への想い。小三のときバスの窓からおしっこをし、体育のサッカーでは、味方のゴールにシュートする、修学旅行でバスに鹿を乗せようとして見つかり、バスを百メートルくらい追いかけるお調子者。背が低いくせに、目立つ、うるさい、しれっとして「愛」なんて言葉を小学生でほざく奴。そのアイコがトイレでのシメにあう。相手はカン、シマ、ナルッチ、ナカジマ、そして背が高くてモデル体型の美人の斎藤マキ。シメの規模を「戦争」と「紛争」に関連して定義す所は笑える。

第二部は「三門」という名で、小さな三つの章からできている。現代日本の有名人達が、突如活躍し始める「崖」、ここでは、やはり活字の衝撃が大きい。夢枕獏のお陰で、タイポグラフィック小説には慣れてはいるものの、暴力的で久しぶりにペンは剣よりも強い、と思ってしまった。ハデブラ村の夏休み、森で繰り広げられる追いかけっこ「森」、ミステリ要素をもった「グルグル魔人」。

第三部は「JUMPSTART MY HEART」、突然に英語で何だろう、と思うけれど、この静けさは第一部と対となって、日常への回帰の部分。分量的にも前の二部が各々130ページくらいなのに対して僅か20ページ。

最後に、各部の扉の、どこかワープロ文字風の活字を眺めながら、いろいろ工夫しているなあ、と思った。で、気に入ったのがアイコと兄との関係。剣道とテニスで鍛えたアイコが繰り広げるのは、お兄ちゃん譲りのアイコキック。それ以外にも喧嘩のコツまで教わっている。殆ど姿を見せないお兄ちゃんだけれど、案外重要なんだぞ、と思わせる。

東京新聞の書評で、評者が舞城の作品を「ジャンク文学」と表していたが、椎名誠の文章に「昭和軽薄体」と命名した人間と一緒とは思わないけれど、何と失礼なジャンク評論家だ、とその現代感覚のない発言に呆れてしまった。学校もだが、評論家が現在をつかめなくなったら、お終いだろう。ともかく、舞城の中学生くらいまでの言語を駆使する能力と、完全に彼らにシンクロできる才能は、奇跡といってもいい。それでいて、軽薄さなど微塵も感じさせない。これを迂闊にまねしようとすると、火傷をする。

ここで、私はbk1投稿史上初の予告をする。舞城を意識して見事に砕け散った日明恩『鎮火報』を次回は取り上げる。む、これって反則?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ラップだね、これは。つーか、これ今年の直木賞でいーんじゃないの?

2003/03/03 21:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

んなもん感動するわきゃねーだろーがと思いながらとりあえず読み始めたらちゃんと感動した。驚異の冒険小説。って、この bk1 の内容紹介もそうだけど、結構みんながこの文体を真似したくなる。おもしれーと思って真似してるかっつーと、プリティ・ファッキン・ファー・フロム・イット。ただ感染るんだよね、このリズム。読んでるとノッてくる。ラップだね、これは。そう、ラップのリズム。
「ざけんじゃねーよ」みたいな言葉遣いするバカ女子高生が主人公だし、俺みてーな、普段からまともな小説とか読んでるまともな読書家なんかが、こんな浮ついた文章読んでも「うぜーっ」て思うだけじゃねーのって思ったけど、やべー、引き込まれるよ、これ、マジで。軽そうに見えて超深いし、スジ凝ってるっぽいし、ちゃんと纏まってて、ちゃんとした力量のある作家のちゃんとしたメッセージのある、ちゃんとした、まいっか、なんかすげーっ! つーか、これ今年の直木賞でいーんじゃないの? 速攻買って読みなよ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

恋する乙女は必読!でも責任は持てない

2003/02/17 18:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青月堂 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三つ子のバラバラ死体が一箇所に……、このイメージだけで、僕は痺れてしまった。でも、きっと、たぶん、これは恋愛小説なのだろう。
 主人公・桂アイコは女子高生。アイコの一人称で語られる世界は、いつもの如くドライヴ感に溢れてる。リンチ、誘拐、アルマゲドン、物語は爆走し、ついには現世を越えてあの世の際まで。恐〜い森が出てきたときには、理由も無く村上春樹を思い出していた。言うなれば、裏・村上春樹だね。
 何と言っても凄いのがグルグル魔人の章。このぶっ飛びかたはハンパじゃない。この章を読んでから、ついルパン3世のテーマソングを口ずさむようになった。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種だと思う。
 さすがミステリー作家だけあって、物語は一応の体裁を整えて(ほんとか?)落ち着くべきところに落ち着く。恋する乙女は必読! でも責任は持てない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2005/09/14 12:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/03 03:28

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/11/22 19:36

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/13 22:42

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/11/15 17:28

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/15 19:59

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/11/06 01:09

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/11/30 13:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2005/02/01 10:43

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2005/04/25 02:41

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2005/04/29 20:31

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2005/09/27 21:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

132 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。