サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

父の帽子 みんなのレビュー

  • 沙 柚 (著)
  • 税込価格:1,98018pt
  • 出版社:幻戯書房
  • 発行年月:2003.2
  • 発送可能日:購入できません

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー3件

みんなの評価3.5

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

帽子をぬいだそのあとに

2008/09/21 19:02

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

父と娘がまるで恋人のようだった、森鴎外の娘・茉莉の著書『父の帽子』。同名でありながら、本作の中国人父娘には彼等のような甘さはない。主人公・柚と父の間から甘さを取り去ったのは、タイトルにもなっている『父の帽子』である。父の帽子はまた、母との間にも溝を作った。

10歳の少女・柚は、文革の時代、父親が遠くに行かされていて不在で、厳しい母親の元で育つ。この境遇は、中国出身の作家ルル・ワンが、オランダ語で書いた小説『睡蓮の教室』の主人公・水蓮と似通っている。また、胡同の住人達が、次に誰の家が襲われるかと戦々恐々としていたり、「インテリや富裕階級を軽蔑しろ」と教えられた柚が、慕っていた先生を呼び捨てにして批判する件も、『睡蓮〜』同様、文革の混乱した状況をよく表している。しかし収容所で大人達から本当の学問を教わった水蓮と異なり、柚には、矛盾したこの世を「矛盾している」と教えてくれる大人がいなかった。母は「ひとりで地獄に落ちればいい」と娘を罵り、父は娘に拒否される。混乱した柚は、頼もしい少女・大洋馬が率いる、非行グループの仲間になる。守ってくれる大人がいない柚は、より時代に近く接していたといっていいだろう。

ところが、これだけ時代の真っただ中を生き、いろいろと感じてきたであろう柚が、全ての不幸の現況である帽子を父が外した時に、何の感想も述べていないのが気になる。ここだけではない。物語の主人公であるにも関わらず、彼女の言ったことやしたことに比べると、内面描写がやや少なめなのだ。頼っていた大洋馬の死を知ってどう感じたか。文革後の父との再会で何を思ったか。心も居場所も移り変わる人間に対して、胡同に佇み続けた楡をみて、彼女がどう思ったのか。読者の想像力に委ねるつもりで、あえて省いたかもしれないが、もしこうした描写が加筆されていれば、本作への読者の感情移入度も幾分違ったのではないかと思われる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2010/10/24 19:53

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2013/10/09 23:12

投稿元:ブクログ

レビューを見る

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。