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あなたは数学者 上 みんなのレビュー
- David Wells (著), 伊藤 雄二 (訳), 田中 紀子 (訳)
- 税込価格:2,200円(20pt)
- 出版社:日本評論社
- 発行年月:2003.2
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紙の本
数学を勉強するのではなく、数学で遊ぶための本
2003/03/26 17:32
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投稿者:上原子正利 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学の力には3つの側面があると思う。科学や工学の道具としての力、学習者に論理的な思考の訓練をする力、そして、考えることが好きなら誰でも楽しめる遊び道具としての力だ。1つめと2つめは受け入れられやすいだろうが、3つめはどうだろう。一般に数学は遊び道具どころかネガティブなイメージで捉えられがちだ。それも当然で、ほとんどの人にとっての数学に接した経験が、おもしろくもない教科書を使って強制的に勉強させられるというひどいものだからだろう。
数学で遊ぶといっても、遊び方の参考になる本はあまりない。中学や高校の教科書は決まった答に向けてほぼ決まった道筋の上を進むもので、遊びには耐えない。大学でも、運良く良質の教科書を見つけでもしない限り事態は変わらない。一般向けの数学関連書はどうかというと、数学の外部から数学を描いた本なら、例えばサイモン・シンの優れた著作がある。しかし、それはあくまで外から眺めたものだ。自分で遊ぶための参考にはしづらいだろう。
この本はその目的にかなうものだ。著者は数学の歴史を振り返りながら実際にさまざまな問題を考えることを通じて、数学をするときに必要な物事の考え方を読者に伝えようとしている。私の場合、受験のためにやっていた数学は数学ではないと後から気付いたのだが、本書の記述はそういう感覚とよく一致していてうなづかされ(例えば観察と帰納の重要性)、かなり楽しませてもらった。
しかし、これは対象読者を選ぶ本でもある。文章は所々でわかりづらいし、図には間違いや欠落があり、解読に手間がかかる。数学慣れしていない読者にはかなりの努力を要求するはずだ。その辺は割り切って、自分のペースと理解にあわせて読めばよいだろう(私も結構な数の問題を無視して飛ばした)。読むときには必ず紙とペンを用意し、いろいろ書きながら問題を考える必要がある。たとえゆっくりでも読み進んでいけば、思考能力が相当鍛えられるはずだ。
(上原子 正利/bk1科学書レビュアー、km_bk1@mail.goo.ne.jp)
【目次】
上巻
はじめに
訳者まえがき
1 三角形の秘密の世界
2 数とパターン
3 科学としての数学
4 数学ゲーム
5 数学ゲームを作る
6 認識力と想像力
索引
下巻
訳者まえがき
7 類似性と類推
8 確実性、証明、啓示
9 科学における数学
──真理を求めて
10 科学における数学
──近似モデル
11 数学のたのしみ
12 ミニアチュアの世界と長い旅
13 数学の冒険
索引
【関連書】
新井紀子著・ムギ畑編『数学にときめく あの日の授業に戻れたら』講談社ブルーバックス
上原子正利氏による書評→「素人だからといってナメてはいけない」
紙の本
目次
2003/02/14 20:02
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめに
訳者まえがき
1 三角形の秘密の世界
2 数とパターン
3 科学としての数学
4 数学ゲーム
5 数学ゲームを作る
6 認識力と想像力
索引
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