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デビュー作にしてピュリッツァー賞受賞という、インド系アメリカ人女性の短編集。なんだかやるせない結末の話もあって☆ひとつマイナスにしましたが、遠い異国パキスタンの戦乱を身近な人の姿から少女が思う「ピルザダさんが食事に来た頃」と、結末の温かい「三度目にして最後の大陸」が好き。あとこの字体もいい。クレストブックスのを踏襲しているのかしら。
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「停電に夜に」は結婚してない人は全く意味不明な話なんじゃなかろうか・・・壊れかけた夫婦のリアルすぎる描写にギクッとしました。
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短編集。夫婦・家族・身近な関係…その間に取り返しのつかない、修復不可能な亀裂。誰しもが経験したことがある、若しくは経験するであろう日常の瞬間瞬間の悲しみ、寂しさ。結構心に響きます。
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短編集。
表題、『停電の夜に』は、よかったけど、他は…。
個人的には長編『その名にちなんで』のほうがオススメ。ラヒリの作品はあまり触れないインド系アメリカ人の背景を垣間見ることができていいです。
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インド人の血を引くロンドン生まれのアメリカ在住の作家の本を日本で読んで判る、ということ自体にも感動する。翻訳が出たところですぐに読もうと思っていたが、多分その頃読む本が溜まっていたのだろう。文庫が出るまで待ってしまった。さらに文庫になったのは知っていたものの、ここでも待ってしまった。さらに買ってからも読む理由の順位に押されて今日まで読まずに過ぎてしまった。とはいえ、読み始めてみれば一気に進んだ。読みやすいし、言いたいことがよく判る。見事。
民族というものが文学の中で意味のある要素としてはっきりと利用されている。しかもそれが普遍的な物語の要素として使われている。
民族という要素を使うことで簡単に社会の中で周縁部にいることを表し、その力を使って物語を進めて行く。それがラヒリの文章の基本的な方法だ。
この方法が妙に民族主義に見えたり、蔑視に見えたりしたら共感を感じることはないだろう。文章が巧みなんだなと思う。次の本が出たら、間違いなく読む。ぜひ読みたい。
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何気ない日常の中の心の変化を見事に掴んでいる短編集。
一編読むごとに余韻に浸ってため息。
人生ってほんとドラマティック。
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インド移民の人々の日常ってだけでも興味深いのに、語り口がまたさらりと巧みで一気に引き込まれる。次回作早く読みたい!
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070404。怖い思いをして古本屋で105円で買った本。大当たり。まだ表題作しか読んでいないけど、昼休みに泣きそうでした。何度も読み直したい。まだ8編も残っている。楽しみ。070406読了。最後のがいい。お年寄りとの交流がいい。
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短編集だが、表題にもなっている『停電の夜』以外はたいしたことないと思うけど、同作はほんとに良い作品だなと思う。良すぎて(濃すぎて)似たような他の作品を味わうと食傷気味になってしまうという感じかな。
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アメリカとかイギリスに移住したインド人の話。短編集。
微妙な心理描写がすごくうまい!
夫婦、もしくは恋人の間にいつの間にか亀裂が入っていく様子。どきりとするほど「言い当てられてる」感が・・・。
表題作もいいけれど病気の通訳が好き。
特に「一週間友人を泊める」といったご主人に怒りを覚える、というくだり。奥さんに同情するというより一緒に怒りを覚えてしまいましたww
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久しぶりに海外の作家さんの小説。
インドの文化そのものが新鮮で読みづらいような気がしたけれど、それも最初のうちだけで、読み進むうちに淡々とした語り口がとても味わい深くなってきた。
決して大げさでない人間の心の動きが、すんなりと表現されていて、胸にふと響く。
分かりきることができないからこそ、優しくなれるような、人と人の間の空気が書かれているような。
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どのお話も単調だけどつまらないことはなく、むしろぐっと引き込まれる感じ。単調だから主人公と同じ気持になれると思います。表題作「停電の夜に」はすれ違いがとても切なく最後の展開には驚きました。個人的には「三番目で最後の大陸」が良かったです。老女との会話も老女の一言も味わい深い一作でした。
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デビュー短編集でピューリッツァー賞受賞という快挙を成し遂げたのも納得。
老練の作家のような熟成した手触りと、若い女性の澄んだまなざしを感じる作品集。
作者は67年ロンドン生まれ、両親ともベンガル生まれのインド人で一家でアメリカに渡ります。
99年にデビュー、日本でも翌年8月には発行されてます。
少女時代の経験を思わせる「ビルサダさんが来たころ」や両親がモデルと思われる「三番目で最後の大陸」も人間味溢れる筆致ですが、「停電の夜に」「病気の通訳」となると名人芸!
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まずインド色満載なのがいい。
予想外の展開がいい。
行動の細かいところを表現しているのがいい。
心地よい短編が多いのがいい。
視点が様変わりするのがいい。
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原文を読んでいないのですが、文体や文章の調子が丁寧だと思いました。人間関係の中にある、ちょっとしたしがらみだとかひび。それは、本人達にとっても周囲の人間にとっても、実はすごくドラマティックな事なんじゃないかと思います。