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紙の本
あなたの思い出の味は何ですか?
2006/03/21 10:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
きっと誰もが、限りある生をまっとうしたいと思っていることだろう。よく「意味のない人生などない」と言うが、誰もがこの言葉を自分の胸に刻み込んでいれば、最後の最後まで生きようという意欲が湧いてくるはずだ。
だがその一方で、無理に頑張らず、穏やかな気持ちで死にたいと願う心もあるだろう。一般の看護病棟とは違った施設、それが主に末期癌患者が利用するホスピス。自らの死を穏やかに迎え入れるための施設である。
本書の舞台はこのホスピス。ホスピス棟の責任者にして腕利きの料理人である永嶋茂雄医師が主人公。
舞台である山裾病院のホスピス棟病室には、一冊のノートが置かれている。しっかりと封をされたそのノートは、患者がこの世への未練を断ち切るためのノート。生き抜いてきたご褒美として、自分自身への最後のご褒美として、一番食べたいメニューを書き込むのだ。それは「伊勢海老のしんじょう汁」だったり「ニシン漬け」だったり、人それぞれ思い入れの深いメニュー。永嶋医師によって見事に料理された品々を口に含み、患者達は気持ち良くあの世へと旅立つのだ。
本書を読んでいて思い出したのが、かつて『ニュースステーション』という番組内にあったコーナー。俳優やスポーツ選手といった著名人を招き、人生の最期に何を食べたいか問うのだ。登場した方々は、皆さんとてもいい顔をして語っていた。
以前、普段元気のないお年寄りに出身地の郷土料理を食べさせたところ、見違えるように元気になったという話があった。味覚の記憶のなんと確かなことか!
単純な美味しさとは別の次元の“思い出の味”。今はカレーライスが大好物の私だが、さて、最期に食べたくなるのは一体どんなメニューなのだろう。
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