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社会現象としての人格障害を扱っている。
実践的ではないが、歴史的経緯、医療的診断基準を示していて、それはそれでためになる。
著名人の精神分析をもっとやって欲しかったなぁ、という読後感です。
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「心の病気」と称される様々な症状と、病名、特徴についてまとめられた一冊。病気の兆候や対処を知る事ができ、また読む事で自分の中にもある偏見に気付く。
病気の特徴について、往々にしてマイナスからかプラスからのどちらかしか見られていないことを改めて実感した。例えば尾崎豊。アーティストとしての才能という面、死に際や日常の奇行という面。両面が語られるけれども、常に賞賛か批判か、ゴールが決められて語られている。
病気も様々あるが、必ず両面がある。
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人格障害はどうしても負の側面に注目されがちだが、一部の人間は才能をいかんなく発揮しているというのがわかる。ただ、人格障害は悪い部分だけではないというコトを主張しすぎて好き嫌いがはっきりわかれる内容ではある。
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(境界性)人格障害が何かをざっくりと知ることができる。偏見や差別に傾かないように配慮した丁寧な記述であり、筆者の人の良さを感じた。ただ反社会性人格障害に関して絶望的な記述しかなく臨床での対応がどうなっているのか、よくわからなかった点が不満だった。加えて、尾崎豊、太宰治などの(あえて?)かつての著名人が例としてあげられているが、分析のもととなる情報が果たして正確なのか疑ってしまい、全体の信用性にも影響があるのでは、と感じた。
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いわゆる人格障害について書かれた本。
個人的に参考になると思った部分を以下にメモ。
人格において正常か異常かの区別は専門家であっても大変難しい。病的な人格はひところでいえば「日常生活、社会生活に支障をきたすもの」
境界性人格障害の特徴は「見捨てられ不安」「不安定で激しい人間関係」「極端な両価性」「衝動性」「空虚感」
人格障害はその特徴からおおまかにA群、B群、C群に分けられる。
A群(精神分裂病系) 被害妄想が極度に強い、極度にマイペースで他人と正常なコミュニケーションがとれない
B群(境界性人格障害、自己愛性人格障害) 感情の起伏が激しく、他人を振り回す傾向にある
C群(回避性人格障害) 引きこもりタイプで人とうまくコミュニケーションが取れないタイプ
反社会性人格障害を除くと人格障害だからといって犯罪を犯す確率が高いわけではない。むしろ自傷行為やドラッグなどに溺れる可能性が高い
治療に関しては現状非常に時間がかかることが多い(特にB群)。また一歩引いて接することが大切。
人格障害をもった人間はそのすさまじいエネルギーのため、後世に残るような偉大な作品をのこした作家・芸術家などもいる。例 尾崎豊、太宰治、三島由紀夫
個人的には人格障害とは「物事の捉え方(認知)が非常に偏っている。正常な範囲の感情のコントロールができない。感情の起伏が人並外れて激しい。」ことだと思う。だから一般的な社会生活を送ることが難しい。そのかわり、その激しいエネルギーにより、素晴らしい作品などを残すことも多い。周りのサポートや環境いかんによってはある意味天才ともいえる。
ちょっと古い本(2003年)だからか認知行動療法の類はあまりでてこない。治療が難しいともはっきり書かれているが現在ではどうなのだろうか。
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書かれた時期は古いが今実際に身の回りで起こっている状況をよく理解出来る。素人感覚でもこの本の内容にあるような人格障害を持つと思しき人を複数見てきた。何が起こっているかようやくわかった。
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当時の診断基準と実際に診断した患者のエピソードを交えて人格障害がどのようなものであるかを解説する。
本筋とは関係ないので基本的に例として挙げられた患者は転勤で診断が終わるか受診に来なくなるかなので読者としては気になる。しかし解決した、みたいなエピソードがないのが現実なのかもしれない。
7, 8章の犯罪者、著名人の行動から人格障害の診断を付けられるという話題は内容の展開に当てはまる人を探したという感じであまり好きではない(内容の正誤はわからない)。
特に7章は書かれた当時にセンセーショナルに報道された事件を挙げた印象で人格障害かというよりも時事ネタの感がある。