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4編の短編から成る一冊。
川端康成の作品を読むのはこれが初めてだったが、さすがにすばらしい。
自分は「禽獣」が一番好きです。
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魂という言葉は天地万物を流れる力の一つの形容詞に過ぎないのではありますまいか。霊魂が不滅であるという考え方は、生ける人間の生命への執着と死者への愛着とのあらわれでありましょうから、あの世の魂もこの世のその人の人格を持つと信じるのは、人情の悲しい幻の習わしでありましょうけれど、人間は生前のその人の姿形ばかりか、この世の愛や憎しみまでもあの世へ持ってゆきますし、生と死とに隔てられても親子は親子ですし、あの世でも兄弟は兄弟として暮しますし、西洋の死霊はたいてい冥土も現世の社会に似ていると語りますのを聞きまして、私は反って人間のみ尊しの生の執着の習わしを寂しいことに思います。
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あたしのちゃちな文章じゃ全然つたえきることなんて出来ないなぁ。漢字って文章ってこんなに美しいんだって、なんて美しいんだろうって感じた。あーこんなことしか書けないあたしの文章力の低さが悔しい。何度も何度も読み返して文章の美しさだけじゃなく深いところまで読みとっていきたい、そしてここに書き足して生きたい。
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こういうの、初恋っていうのかな。
ちょっと異議ありなのは、踊子の女の子の処女性を強調しすぎなところ。まぁこの時代からしたら当然なのかも知れないけど。実際、サイデンステッカー教授の訳ではそういったところが切られてるらしいし。
でも爽やかな読後感だった。
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偉人の文章力・表現力の巧みさに驚愕した。また、表題作の『伊豆の踊り子』と、他に収録されている三篇との、作風の違いに驚いた。
『伊豆の踊り子』が穏やかで切ない物語であるのに対し、『温泉宿』は安野モヨコの『さくらん』を連想させる(もちろんこちらが後世のものではあるが)、激情的で世の中への失望やあきらめまでも漂う物語、『抒情詩』は手紙文の形で、主人公の女性の、深くも偏った愛情と、深い教養を持つものの、結局強い感情に突き動かされるやや狂気じみた様子を、上手く表現した作品である。どうして、川端にとって異性である女性の感情をここまでリアルに、そして美しく描くことができるのだろう。また、ゴシップ的になりがちな女性の愛憎感情も、川端の作品では芸術の域に到達していると思わされるのは、文章と文章、ことばとことばの間に一寸の油断を許さない、抜け目のない卓越した力があるためであろう。『禽獣』では、人間の本質的な汚さ、醜さを正面から描いていたが、それでも人間というものを愛してやまないのだろうという著者の思いが伝わってきた。
表題作以外こそ、本来の川端の作風のようであるが、近代以前の作品に読みなれていない私にとっては、この三篇は難解な部分も多かった。
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『伊豆の踊り子』は代表作に挙げられるだけはあって、綺麗で柔らかい、いかにも川端康成な印象を受ける話。『温泉宿』はすいません……登場人物が多くてわたわたしながら読みました。『抒情詩』はちょっと意外。『猛禽』は伊豆の踊り子とは違う川端康成の一面が見られる話。一冊で四度おいしい。
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「自分探し」にやってきた男子学生と、旅芸人一行との短い夏の物語。
踊り子の女の子と完全な恋に落ちたわけではなく、何となく惹かれ合ったという感じ。時代背景を考えれば、年齢差や身分差といった批判が強そうだが、そういったものを全く感じさせない純朴さが物語全体の美しさだと思う。住む世界や職業が違っても、人間的な魅力は不変のもの。読み返すと、そんな当たり前のことをいつも思い出させてくれる。また、旅の順路とともに移り行く伊豆の情景描写が美しい。10代の終わりに読んで様々な教訓を自分に与えてくれた、お勧めの小説。
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清水義範の「独断流読書必勝法」に載ってたので読みました。今さら初読です。 ノーベル賞受賞作がこんなに短いなんて…。エリートの「私」と踊り子が、まるで手の甲と甲がふっと触れただけにしか思えないような数日を描くにはこれで十分だったのでしょうね。
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すごい有名な本。でもすがすがしくてかわいくていい話。
伊豆は四国らへんかと思っていたけどそうじゃなかった。
1泊2万円以下の露天風呂付温泉宿ガイドを見つけたので伊豆の温泉にいってみたい。 さとこ
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表題作より1番後ろに入ってたのが好き。
残酷というかゾワゾワする。ただ迫ってくるものがある。
なんか雪国も読まないと評価できないなあ…
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伊豆の踊子はあまりにも有名なので
読んでおくべきだと思った。
でも私には、伊豆の踊子の良さはわからなかった・・・
自分の語彙が貧弱すぎるゆえに><
他の短編も同様に。
この本の描写から、その場面を想像することが出来なくて
おもしろく読めなかった。
しかし「抒情歌」はめちゃくちゃ面白かった!
恋人を失った、女が語る、手紙のような文章。
すごく素敵だったし、色々な宗教や神話の話が出てくるのだが
その知識がすごいとおもった。とてもおもしろかった!
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冒頭は『雪国』の方が有名ですが、私はこっちの冒頭部の方が好きです。
雨の音が本当に近づいて来ているような感じがして引き込まれました。
川端康成って、すごいんだ、と改めて実感した作品。
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2008.11.15:伊豆の踊り子
なぜ、名著なのかよく分からない?
ほのぼのとした短編小説
2008.11.16:温泉宿
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1度読んだはずだがまた読んでみた。41ページ、こんなに短い話だったんだ。
他に4つ話があるけれど「叙情歌」 うーん。これは読めなかった。
恋人に振られて、その恋人が死んでしまったのか??文章が読みにくい。これが純文学ってやつか。でも透明感とリアルさのあるすごく綺麗な文章だ。
(三島由紀夫の解説)叙情歌は川端康成を論ずる人が再読三読しなければならぬ重要な作品であると・・・うう。
15歳までに父母、姉、祖父と死に別れてしまい、72歳で最後はガス自殺。孤独は計り知れない。
それでもこれだけの作品が残せるなんてすごい。
雪国・舞姫も読んでみたい。
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康成の作品は確か高2年〜大学1年のときに読んだと記憶しているが、正直肌に合わないと感じた。それでも「伊豆の踊り子」や「雪国」あたりはまだ読みやすかったと思う。