投稿元:
レビューを見る
太平洋戦争下、日本人が犯してしまった「米国人捕虜解剖」という凄惨な事件。
その事件を元にかかれたのがこの小説です。
投稿元:
レビューを見る
今年のセンター試験の現代文で遠藤周作のたぶん「留学」が問題文として出たので興味を持って読みました。
戦争末期に米人の捕虜を生体解剖のため殺した事件(本当にあったみたいですね)の大学付属病院を描いた遠藤周作の代表作。
テーマ的にはドストエフスキーの「罪と罰」と同じ感じだけどちょっと質が違うかな。こっちの方がもっとリアルです。
日本人はやっぱり「罪と罰」や「こころ」「海と毒薬」をしっかり読んだ方が良いと思うな。
2005/04/05 (Tue)
投稿元:
レビューを見る
これは、本当に好き。
扱っているテーマがとても重い。米人捕虜を人体実験に使ったという実話からつくられました。作中に何度も登場する鈍色の海そのものの、終始暗いトーンの話。
投稿元:
レビューを見る
手術のシーンは気持ち悪くなりそうでした。終わり方があまり好きでないですが、テーマには惹かれるものがあります。
投稿元:
レビューを見る
戦争中九州のある病院で起こった捕虜の生体解剖事件を小説としたもの。題材のみで詳細部はオリジナルだそうです。
解説を読まなかったら多分誤解していたと思います。読み進めて第一章と第三章で妙に引っかかる部分があったのです。日本の戦争はわるいこと、日本人は悪いことをしたんだということが出ているように思ったのです。解説を読むとそれは誤解らしいのです。
はっきり言って、俺の読み込みや頭脳では、著者が言いたいことがわかりません。生体解剖を行うコトが異常だったのか、その時の世界が異常だったのか。時代背景を考えれば、この生体解剖はアリだと思います。日本にとって敵国の捕虜で死刑確定であるなら、無駄な銃弾や人間を使うより、生体解剖などで当時日本が苦しんでいた結核治療に生かすのもアリだと思います。
こういう考えなので、戸田の心情には微妙に共鳴できますね。
投稿元:
レビューを見る
生きている人を解剖する欲望そして人を殺す興味、罪悪感について、僕らに考えさせます。映画化、ドラマ化を前提にして書かれる小説とは違った文学的文体で、景色はドストエフスキーの「罪と罰」のようで、それよりも展開が速くて舞台が日本なので、すっきりしてわかりやすい物語になっています。日本文学に傾倒しているときに読んでみてはどうでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
これ読んで、医者を志しました。(ウソ)
当時オリックスにいた(多分)勝呂にもなんとなく惹かれました。
投稿元:
レビューを見る
読みたいと思いつつ、なかなかページを開けずにいた作品です。人間の本質的な部分について深く考えさせられました。読み進めていくうちに現在の日本の社会とだぶって見えました。私がこの現場に居合わせていたら果たしてどうしただろうか、考えるだけで怖くなってきました。状況は異なるにせよ誰にも起こりうる事だろうなと感じました。
投稿元:
レビューを見る
とてもリアルでした。人体実験にされる外国の方・・それを忘れられないお医者様。
読んでいて、見たことのない手術などのシーンがその場に浮かびました
投稿元:
レビューを見る
日本人とは、戦争という異常時とは、 といろんなカットで何度も読み返してしまう。あまりに衝撃的な事件と静かな町と海とのコントラストが恐ろしくなってくる作品。
投稿元:
レビューを見る
戦時下の日本の病院で何が起こったか?
日々、空襲で、病気でバタバタと人が死んでいく…異常な環境で生きていくために人は感覚を麻痺させていくしかなかったのでしょう。
平和な時代に生まれ育った私に彼らを裁く視覚があるのでしょうか?
投稿元:
レビューを見る
主題も題材もタイトルの意味も恐ろしい作品だと思いました 何が恐ろしいかといえば神の存在しない日本人の意識と戦争によって麻痺した医師たちの心と行為なわけですよ だからといって西洋人が正しいとか、日本人が悪いというわけではないのですよね 中盤のふたりの手記には顔を顰めつつも、納得できる部分はありましたので 日本人だなぁ…
投稿元:
レビューを見る
終戦間近、米軍捕虜の生体解剖事件に加わった者達を綴る小説。高校1年生のときに読んだが、当時はただ「怖いな」くらいの感想だった。約10年経った今読み返すと、大学内の権力闘争や権力者の罪悪感の希薄さが以前よりも理解できる。ただ僕には大きな疑問が残った。人間の善悪の境界は結局どこにあるのか?作中、戸田医師が言うように、善悪は意識の持ち様で変わるものなのか。確かに、医療のためとはいえ生体解剖を行う事は、殺人という犯罪に他ならない。ならば、安楽死や臓器移植はどう解釈すればいいのか。医学に限らず、似たような問題は身近に山積していると思う。時代や環境、認識によって善悪の基準がコロコロ変わるのならば、何をたよりにすればいいのか。個人の良識にたよるしかないのか。これを考え始めると、人間の生み出した「法律」というものにも疑問が出てくる。とにかく難しい問いかけばかりを盛り込んだ小説。繰り返しやってくる暗い海の波の描写が、解答のない問題ばかりを運んでくるようで、とても憎たらしく感じた。
投稿元:
レビューを見る
考えさせられる本。
何年かしてまた読み返したらどんな感想を持つかと思うととてもじゃないけど捨てられない。
投稿元:
レビューを見る
戦時中、俺が在籍している大学であった『米軍捕虜生体解剖実験』について描いた作品。
戦争という特異的、極限的な状況下における、日本人、しいてはヒトの良心や理性の動き方をドラマチックに描いちょっておもしろかった。でも、多分みんな戦時中なら理性とか保てないって絶対。だから当時の医者をせめちゃいけんと思うよ。