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小さいおばけ みんなのレビュー

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紙の本

こよなく愛しい物語

2006/01/23 22:01

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ドイツの古城に暮らす小さいおばけのお話です。夜中の12時になると目をさまし、月の光の中で「おばけ時間」をすごす小さいおばけは、見たことのない昼の世界にあこがれます。親友のふくろうの忠告も聞かず、あれこれ試したあげく、ひょんなことから昼の世界に飛び出すと、粉雪よりもまっしろだった体がまっくろに。心ならずあちこちで騒ぎを引起してしまい、町の人には怪物扱いされて、おばけは夜の世界に戻りたいと思うのですが、今度はどうしても戻れない。さあ、どうしよう・・・・・・というお話。
 なんと言っても、小さいおばけが可愛い! 純粋で、世間知らずで、心優しくて、一生懸命なおばけ。どこか保護者然とした友だちのふくろうや、町の子どもたちでなくても、手を貸したくなること必至です。
 ところで、わたしの本棚には「小さいおばけ」が2冊並んでいます。1冊は、徳間書店版(この書評ページの本ですね)もう1冊は1975年刊の学習研究社版、訳は大塚勇三氏でした。今から20年以上昔、わたしが夢中になって読んだ本です。あの頃、小学生だったわたしは、小さいおばけが持っている「かぎたば」が欲しくてたまりませんでした。小さいおばけが、鍵が13ぶら下がっている鍵束を一ふりすると、どんな錠前も開いてしまうのです。他にも、ほこりだらけの屋根裏だとか、カシワの材木でこしらえた長もちの寝床とか、魅力的な舞台や小道具がいっぱいです。
 はたさわ氏の新訳も軽やかで素敵なのですが(小さいおばけの可憐さがアップしています)、「たいそうたいそうむかしから」と始まる大塚氏の訳は、古風でえもいわれぬ趣があって、捨てがたい。後ですね、学習研究社版は表紙カバーは、まっしろな夜おばけで、それを外すとまっくろな昼おばけになっているのです。(だから、表紙カバーがボロボロになっても捨てられない・・・)このコントラストが子ども心にもワクワクしました。
 実は、今回、書評をどちらに書くか、とても迷ったのです。わたしが、こよなく愛した1冊は学習研究社版ですが、今、姪っ子にプレゼントするなら徳間書店版。いずれにしても、素晴らしき名作の復活に喝采! 小さいおばけが、これからも沢山の子どもたちに愛されることを願ってやみません。

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編集者コメント

2003/07/01 10:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:徳間書店・児童書編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 古いお城でしずかに楽しくくらしていた小さいおばけは、昼の世界をひとめ見たくてたまらなくなりました。ある日のこと、願いがかなって昼間に目をさました小さいおばけは、さっそくお城のまわりを見にでかけましたが、日の光にあたったとたん、まっ白だった体がまっ黒になってしまったのです。そのうえ道にまよってしまって、さあ、たいへん! 昼のくらしはさわがしいし、お城に帰りたい気もちはだんだんつよくなりますが……?
 小さいおばけは、夜のおばけにもどれるのでしょうか? もとのまっ白な体にもどれるでしょうか?
 『小さい魔女』(学習研究社)『クラバート』『大どろぼうホッツェンプロッツ』(偕成社)などの作品で知られる、ドイツを代表する児童文学作家プロイスラーが、小さいおばけの冒険を描いた楽しい物語。絶版になっていた作品を、原書の絵をすべて収録して、新訳でお届けします!

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2013/01/30 08:33

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2005/11/15 13:34

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2006/05/29 21:26

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2007/11/07 16:20

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2008/08/11 12:51

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2012/01/07 23:27

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2016/12/05 21:58

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