紙の本
忘れかけていた青春時代の“夢心地”を味わえただけでもよかったなあと思える作品であります。
2004/01/20 13:15
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投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
五十嵐さんの作品は初読みだが、ホラーから時代小説まで多ジャンルを書き分けれると言う才能を垣間見れた1冊だと言えそうだ。
本作は阪神タイガースが優勝し(昨年の話じゃありません)、日航機が墜落した1985年に遡る。
ちょうどおニャン子倶楽部がデビューして一時代を築いた年。
今で言えば30歳以上の方だったら誰でも知ってる歌手の名前が次々と出てきて、読者のあの頃を想い起こさせてくれる点は懐かしくもありほろずっぱくもあって本作の内容を心地よく盛り上げてる感じかな。
部員がギリギリの9名で勝ったことがない、無名野球高校に転校生が来て、そこから始まる快進撃を描いたものだが、野球の描写よりもその年代でしか味わえない“青春真っ只中”の会話が面白いのである。
転校してくる沢渡はルックスも良く、野球も超一流なんだが…
そのあとは読んでのお楽しみかな(笑)
なにはともあれ、冒頭のおニャン子倶楽部のメンバーの好き嫌いで部員同士が喧嘩をするシーンが爽快だ。
メンバー全員が野球に全然熱中していないと言う点を強調されたと言う点においても巧く導入されている。
あと、特筆すべき点は中川校長の徹底した超管理振りである。
彼の存在がラストにおいて物語をより活性化させてる点は見逃せない。
ジーンとくると言う点では川上健一さんの名作『翼はいつまでも』よりは数段落ちるかもしれないが、心暖まるという点では本作の方が上かも知れない。
“恋愛”と言う観点ではやや弱いが、“友情”という観点ではいつの時代でも通じる部分を描き切ってるような気がした。
いわば“痛快青春小説の決定版”と言えよう。
トラキチのブックレビュー
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こんな野球部に入ってみたくなるような野球部で涙感動ありの小説です。オニャン娘クラブは俺の親の世代なので何歳でも楽しめると思います!!なのでみなさん読んでみてください!!
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モー娘。じゃなくおニャン子の時代、僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた!練習よりも『夕やけニャンニャン』。そんな僕らが、まさかまさかの甲子園。
「パパと娘の七日間戦争」の著者の作品です。普通の青春小説だと思って読んでみたら、とんでもない事件が勃発してました。時代設定が1985年なので、ちょっとイメージしにくいところもありましたが、まったくわからないということはなかったのでちゃんと読めました。1985年でこの事件を、しかも高校野球部に取り入れるっていうのは、結構驚きました。その事件を中心に話は展開していくのですが、面白かったです。校長と部員のバトルが特に気に入りました。ラストが短くて寂しかったです。あと200ページくらいあってもよかったなぁ
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夕ニャン世代ではないけど、しみじみした。物語の大筋は青春ものの王道なんだけど、ちょこちょこ伏線を張っていて芸の細かい作品。悪くないです。
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ヤル気なし・実力なしの野球部に、眉目秀麗・頭脳明晰・性格明朗のすごいピッチャーがやってきた。一度も勝ったことのない野球部が、夏の甲子園大会の地区予選で名門校を負かして勝ち進んでいく。ところが急に訪れた天才ピッチャーの悲劇・・・。笑える面白さいっぱいとかなり皮肉な面白さとが混じっていてチョー楽しい。
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懐かしくかつ面白い一冊。
弱小高校野球部に転校生の天才ピッチャーがやってきてトントン拍子に勝ち進み…と御伽噺のような展開から一転して…なところがまたうまい。
今なら結構理解があるかも?な点もあの時代ならやっぱりそうだよなというか。あの当時でも「風と木の詩」とか「イブの息子たち」とかあったはずだしまだ腐女子という言葉はなかったにしてもそういう存在はいたはずなのに。「ぼくらの時代」はこれよりかなり前だ。
1985年といえば阪神が優勝し夕焼けニャンニャンが流行しそして私は大学四回生で部活は卒業しゼミは暇だし(暇なゼミにいただけ)今ほど就職活動は厳しくなかったし(特殊な学科だったからなだけかも)甲子園球場へ見に行ったり(あのバース掛布岡田の三連続ホームランを見たのは自慢だ)のほほんとすごしていた、あの時代をちょっと思い出す。…85年である必要があるのかというとそこまであるのかどうかはわからないけど
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2004年8月16日読了。以下、過去の日記から抜粋。
高校野球もの。
ガチガチの管理体制が敷かれた進学校の中にあって、
落ちこぼれに近い野球部員が奮闘する物語。
きっかけは、すんごいエースが転校してきたから。
しかし、そのエースにはとんでもない秘密があって・・・
と書くと意味深ですが、要はホモだったわけです。
周囲の反応はもちろんすさまじいわけですが、
部員は「おい、オカマ野郎」なんて呼んでしまうわけです。
これはすごいですよ。私達にはもう無理な感覚です。
むしろ、目の当たりにしたら注意の一つもしてしまうかも。
でも、彼等はそうすることでバランスを取っているのだということを
実感させられました。かつての私達もそうであったように。
ただ、これ・・・野球小説として読んじゃダメでしょうね。
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野球モノで奇跡なんて聞くとある程度ストーリーがわかってしまうけど、五十嵐さんのは随所に笑いや落ちがあって楽しめる。しかも適度に省いてあるからテンポ良く進んで一気に読んでしまった。有り得ないからこそ野球好きでなくても引き込まれてしまうのかもしれない。
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まさかのカミングアウトにズコーーッ。
青春小説としてはちょっと物足りないけど、軽く楽しく読めました。
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ある日、転校生がやってくる。彼は中学校時代すごい投手で名門野球部に入学してたはずなのに、肩を壊して野球をやめたと・・・・。実はある事情で前の学校に居られなくなってしまった。何をやっても楽しかった高校時代を思い出します。携帯電話なんてなかった時代がなつかしい。自分と重なりあうドンピシャな時代背景。
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ベタで展開が予想できるのに、笑えて泣けた。
天才ピッチャーが転校してきた本当の理由とか想像を超えてたし。
クライマックスの対決は本当にスカッとした。
嫌な奴を負かすのって見てて爽快!
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グウタラ弱小野球部の一夏の話。
滅茶苦茶面白かった。読み終わるのが勿体と思えるぐらいに。
部員たちの軽妙だけど間の抜けてる会話、「僕」の心の中での突っ込み・喩えにクスクス連発。そして、「おニャン子クラブ」を筆頭に80年代の芸能ネタが郷愁を誘う。最後にはちょっとした感動もあり。
いい小説。三十路の男性は必読。
☆4.5
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この奇跡は、1985年だからこそ、実現したもので、現代では本当に難しいんだろうなぁ。アホなことやってた、古きよき青春時代。いつの時代も色んな問題ってたくさんあったけど、なぜだかうらやましい気持ちになってしまう。おもしろかった。
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五十嵐貴久の青春三部作の一つ。弱小野球部を舞台に物語が進んでいきますが、野球好きとしてはちょっと設定に無理があるだろうという感じ。
ただ、1985年当時のおにゃん子クラブなどの芸能界のネタなどが盛り込まれていて娯楽作としては楽しめると思う。
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作品解説(帯より):モー娘。じゃなくおニャン子の時代 僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた! 練習よりも『夕やけニャンニャン』 そんな僕らが、まさかまさかの甲子園!?
これは、今(2005年)から丁度20年前の時代背景で書かれた作品ですね。1985年、僕は……何をしていたのか覚えていないほど小さかったので、時代背景はあまりわかりません。が、冒頭のケンカの場面から、ぐ、ぐい~っと引き込まれました。読んでいる途中「あれ? この話知ってるぞ?」と記憶を辿り、漫画アクションで連載されている作品の原作だと気づく。アクションを先に読んでいたがために、漫画のキャラクターイメージが焼きついており、登場人物の魅力が半減の二乗の二乗。…無念。
高校生の青春ドラマをメインに仕立て上げているので、野球シーンに力は無く、表紙から野球物と判断した方には、低評価かと思われます。一部ミステリの要素もありますが、ソレが発生した時点で先の展開が読めてしまうのが難。純粋に青春ドラマと見るなら、軍隊並の校則に縛られ、不自由な毎日からの反撃を試みる展開は「僕らの七日間戦争」が好きな方にはきっとウケがいいでしょう。主人公が一人で深夜のグラウンドに行く場面は◎。